韓国の生徒たちが、深刻なレベルにまでののしり言葉に汚染されていることについて、専門家らは「特に、傷ついたり、ストレスを受けたりすることが多い青少年期に、家庭教育と公共教育の両方が崩壊した結果だ」と話す。
家庭で両親と子どもの間の会話が断絶し→学校では成績を重視する入試教育に支配され→さらにインターネットや映画・テレビが言語破壊をあおり→友人たちのののしり言葉が日常用語として通用する現状が繰り返されている。以前とは違い、家庭で、子どもが卑俗語を使用するのを見ても厳しく注意せず放置する親が増加したのが、大きな理由だという指摘も出ている。
成長期にののしり言葉を多く使用すると、脳の発達と人格形成に悪影響を及ぼすのはもちろん、人間関係にも問題が発生し、正常な社会人としての成長が困難になる。
昨年、教育科学技術部(省に相当)と韓国教員総連合会が主幹した「生徒の言語文化改善ワークショップ」で、主題発表を行った京仁大学のパク・インギ教授は「青少年たちが受ける不安とストレスが、ののしり言葉というエネルギーになって表出されている。暴力を美化する大衆メディアの影響により、このような現象がさらに増大している」と分析した。パク教授は「ののしり言葉の語源と悪影響を探り、メディア言語に対する批判的な判断力を育てるなどの教育的指導が必要だ」と話した。
ワークショップに討論者として出席した、ソウル教育大のユ・ビョンヨル教授は「ののしり言葉は非常に低レベルで問題だということを判断する目と力を青少年たちが持っていない。遅くとも小学校3、4年生から、自らの言語生活を省みることができるよう指導すべきだ」と主張した。
「正しい言語使用を通じた人格指導事業」を掲げているソウル・上原中のヤン・インスク教諭は「分別のないインターネット言語やテレビの影響力が言語破壊の主犯であるという点について、大部分の教諭と保護者が共感している。学校とともに保護者も関心を持って言語暴力の根絶のために率先して模範を示すべきだ」との見方を示した。
韓国教総のアン・ヤンオク会長は「韓国の教育が1990年代から生徒中心の『開かれた教育』を目指してきたため、教師が生徒たちの言語習慣について、きちんと教育できなくなった。今後、全国16の市と道でモデル校20校を選定し、『ののしり言葉指導教員職務研修』や言語標準化資料を開発するなど、生徒の言語文化改善事業に積極的に取り組むつもりだ」と話した。