手のひらの薄いひとがタンデュの(指をのばしてもつ)とき、(写真)のように3本の指先だけをホールドにかけてホールディングしていることが多い。この時は第一関節を曲げる筋肉しか使われていない。このホールディングでは外傾ものでもフリクションがよければとまるが、ツルツルだとお手上げになってしまう。さらにこの筋肉はそれほど強くないので、こういうホールディングで登ろうとすると常に体重を軽くしておかなければならなくなる。より強力な第二関節を曲げる筋肉の力も使いたい(写真)ところだが、この巻きこみを出来なくしているのが、虫様筋の弱さだと思われる。
そこで、巻き込むに必要な虫様筋と、プラス日頃使っていない第二関節を曲げる筋肉を鍛えてみましょう。用意するものは灯油用ポリタン×1、水、ウェイト適宜
トレーニング1 虫様筋
人差し指と中指の第一関節を取っ手にかけてもつ(写真) そこから第二関節の角度が90度になるところまで手のひらを曲げてくる。この時第一関節はそらすようにする(写真)。中指と薬指でも行う。回数は10回できるウェイトで1セット、5回できるウェイトで1セット、3回できるウェイトで1セットぐらい、インターバルは3分くらいか?ウェイトの調整はウェイトトレーニングの命なのでなるべく面倒がらずに、こまめに調整を。なれないうちは限界に挑まないこと。壊れます。
2.第二関節を曲げる筋肉(浅指屈筋)
取っ手に第二関節をかける(写真)。このとき第一関節(指先)の力は極力抜く。第一関節の力は抜いたまま第二関節の角度が90度になるまで曲げてくる(写真)。動かす範囲は小さい。回数は虫様筋トレと同じくらいか。両方のトレーニングともクライミングのあとなどに少し休んでから補助的にやるほうがかえって筋肉が暖まっててよいようです。
このトレーニングによって以前より軽くホールディングしてもとまってくると思います。(トレーニングでは使ってませんが登るときは小指も有効につかいましょう)
次にクラッククライマーと虫様筋について考えてみたい。