アンドロイドOS(基本ソフト)でスマートフォン市場に定着したグーグルが、次は世界1-3位のテレビメーカーであるサムスン電子、LG電子、ソニーと手を結び、テレビ市場の征服に乗り出した。スマートフォンでの成功を、テレビ市場での再現するのが狙いだ。
グーグルと3社は「グーグルテレビ連合軍」を結成し、今月10日に米ラスベガスで開幕する世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」に新製品を出展する。グーグルテレビとは、インターネットに接続することで、さまざまなサービスを楽しむことができるスマートテレビの一種で、3社の新製品は今年上半期に市販される。
■アンドロイド成功の再現狙う
グーグルテレビは、グーグルがスマートテレビのOSを提供し、メーカーがそれをハードウエアと組み合わせて製品化する。サムスンとLGがアンドロイドOSを採用したスマートフォンを生産するのと同じ提携の仕組みだ。
市場調査会社のガートナーによると、昨年第3四半期のスマートフォン市場でアンドロイドOSのシェアは52.5%となり、首位に立った。アップルが自社製品だけに使用しているiOSのシェアは15%にとどまった。
グーグルは2010年10月に初のグーグルテレビを発表した。日本のソニー、スイスのロジテックなどを生産パートナーとして選んだ。しかし、初のモデルは失敗に終わった。サムスン、LGなど業界のトップメーカーが同調せず、ABC、CBS、NBCなど米国の主要テレビ局とも提携できなかったからだ。グーグルテレビは「製品が大したことがない上、見られるコンテンツもない」と酷評された。
■サムスン・LG、グーグルテレビに集中はせず
今回発表される「グーグルテレビ2.0」は異なる。サムスン電子、LG電子、ソニーなどグーグルテレビ連合軍の世界シェアを合計すると40%に達する。米2位のビジオもグーグルテレビ陣営に加わった。マーベル、メディアテックなど部品メーカーとも手を結び、中小のテレビメーカーも部品を調達しさえすれば、グーグルテレビを容易に生産できるようにした。
グーグル本社のキム・ヒョンユ事業提携課長は「既に150種類を超えるテレビ専用アプリが生まれ、数千種類あるアンドロイド搭載スマートフォン用のアプリもテレビで使用可能だ」と説明した。
しかし、グーグルテレビが市場で圧倒的優位に立つのは難しいとの見方もある。スマートフォンのOSとは異なり、スマートテレビではサムスン電子、LG電子がそれぞれ独自のOSを持っているからだ。
LG電子は「自社のOS『ネットキャスト』を採用したモデルを今後も発売する予定だ」としている。サムスン電子関係者も「グーグルテレビは製品の多様性を確保するための戦略だ」と話した。市場の反応が思わしくない場合は、いつでも「連合軍」を解体することがあり得るとの姿勢だ。