農業環境技術研究所(茨城県つくば市)は、繁殖力が強い外来植物セイタカアワダチソウのまん延を食い止める技術を開発した。土壌を酸性化させることで育ちにくくし、在来種の復活を促す。
農地周辺などでは、外来植物がはびこり問題となっている。農環研によると、特にセイタカアワダチソウは肥料などで富栄養化した土地を選んで育ち、地下茎が強固なため、刈ったり除草剤で枯らしても再生してしまう。育ちにくい土壌にするため、水処理剤などに使われる「塩化アルミニウム」に着目。アルミニウムイオンは土壌中の水と反応して土壌を酸性化させるほか、植物の栄養素であるリン酸を溶けにくくし、土壌を貧栄養化させる。
山口市内で実施した実験では、塩化アルミニウムを1平方メートルあたり1・2キロまいたところ、2年後には外来種は2%にとどまり、チガヤなどの在来種が98%に復活。散布しない区画では外来種41%、在来種59%だった。【安味伸一】
毎日新聞 2012年1月9日 9時06分