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【北朝鮮問題】

「食料渡さないで」 中朝国境に警告看板

対岸の北朝鮮住民に食料などを渡さないよう呼びかける看板=2011年12月、中国遼寧省丹東で

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 「食料や物資を渡さないで」−。中国遼寧省丹東の中朝国境に2011年夏から、北朝鮮住民に物を渡さないよう呼び掛ける看板が設置されている。食料難の深刻化を受けてか、酒やコメの提供を求める北朝鮮住民が急増しているからだ。

 鴨緑江の河口付近に浮かぶ中州(中国名・綢緞島)。北朝鮮領で島内には民家が点在する。国境の川幅は10〜20メートルほどあるが、海が近いため、干潮時は歩いて渡れる。中国側の川岸にある海鮮レストランの店主によると、干潮時を狙って、国境警備兵や子どもが対岸にやって来る。

 夜の暗闇の中で、懐中電灯をぐるぐると回すのが国境越えのサイン。鴨緑江で採った貝類を差し出し、たばこや中国酒、インスタントラーメンなどと物々交換する。中国人の同情を集めようと、子どもが「パンをちょうだい」「コメがほしい」と泣き叫ぶことも多い。

 2011年の夏ごろから昼夜を問わず催促に来るようになったため、地元政府が鴨緑江の川幅の狭い場所などに、食料や物資の提供を禁じる看板を設置した。店主によると、11年12月の金正日総書記の死去後も、警備兵が酒を求めに来たという。 (丹東で、今村太郎、写真も)

 

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