文部科学省は31日、東京電力福島第一原発事故によって放出された放射性物質のうち、微量に含まれるテルルと銀の土壌の蓄積を示す汚染マップを発表した。どちらも福島第一原発から30キロ圏内に蓄積量が多い地点があったが、人の被曝(ひばく)線量に換算すると50年間で最大3.2ミリシーベルトになると分析した。
調査は6月6日から1カ月間、原発から100キロ圏内の約2200地点の土壌を採取。このうちテルルは約800地点、銀は約350地点を分析した。
量が半分になる半減期が約34日のテルル129mは、燃料のウランが核分裂してできる。最も蓄積の高い地点は原発から約2.5キロの福島県大熊町で、1平方メートルあたり約266万ベクレルだった。半減期が約250日の銀110mは、原発から約5キロの同県双葉町で最大約8万3千ベクレルだった。どちらも警戒区域内。
これらの場所に50年間ずっと居続けた場合、吸入したり浴びたりすることによる被曝線量はテルルは0.6ミリシーベルト、銀は3.2ミリシーベルトと推計。銀の方が放射線を多く出すという。
50地点を選び、全体の放射線量のうちのテルルと銀の割合を調べると、両方を合わせて1%以下で、セシウムがほとんどを占めたという。
文科省は「セシウムと比べて、線量への影響は少ないことを確認した。テルルも銀も体内に蓄積されにくい」と話している。