(CNN) 米司法省は8日までに、「レイプ」犯罪の規定の見直し作業を進め、罪状適用の範囲を拡大し、男性を被害者として初めて認定する方針などを盛り込んでいることを明らかにした。
現在の規定は女性の被害を主に想定して1927年に定められたもので、男性が通常の性交を強制した場合を対象にしていた。アナルセックス、道具などの使用、女性による女性のレイプ、男性が被害者などの事例は除外されていた。
司法省の声明によると、規定の改定で性別に関係なく実行犯を特定し、被害者を認定する。また、同意なき性的交渉を強いた場合、通常の性交以外の性行為があり、その行為の程度が軽微だったとしても全てレイプ犯罪とみなすことになった。飲酒の影響などで精神的、物理的に同意出来ない状況での強制も同様に犯罪となる。
規定の再検討を受け、ホルダー司法長官は、米連邦捜査局(FBI)が毎年公表する犯罪統計でレイプ事犯がより包括的に把握出来るようになるとし、見直しは遅すぎたと語った。規定の見直しはFBIの諮問委員会が最近勧告していた。
規定改定を求めてきた女性の権利擁護団体は司法省の決定を歓迎しながらも、あくまでレイプ犯罪の関連データを収集する方法の修正であり、犯罪そのものへの取り組みには多くの課題が依然としてあると指摘。警察の対応を変え、レイプの犠牲者に対する社会の固定観念を打ち破らなければならないと強調した。