高木マニア堂
何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
115:日プロ勢を前座にした小人プロレス国際試合
<2008年4月=東スポプロレス格闘技サイト「プロレスマニア堂」より>
前回「47年前にあって、現代の靖国奉納プロレスになかったモノ」として取り上げた小人プロレス。最近では残念ながら小人選手の減少、メディアで紹介することの困難に伴い「消え行く文化」と化している。
昭和36(1961)年4月23日。靖国奉納プロレスに出場した小人プロレス勢は、後に日本マット界のエースとなるジャイアント馬場、アントニオ猪木を前座に押しのけてセミファイナルに出場。その約1か月前となる3月25日には、
東京・両国の日大講堂で「小人プロレス国際試合」を開催し、約6000人もの観衆を集めている。
3月27日付の本紙では一面記事でこの大会をリポート。日本の小人選手はまだ不在で、選手は全員が米国から招聘されている。
紹介文によると「小人王者」のスカイ・ロウロウ、インディアン出身のリトル・ビーバー、「小人界のヘラクレス」と呼ばれるトム・サム、「小人界で最も面白い」とされるピー・ウィー・ジェームス、「一見子供っぽいが、試合となると荒っぽい」レッド・テーラー、テキサス出身のビリー・ザ・キッドの6戦士だ。
なおレフェリーのジャック・ブリトン氏が病気のため来日不能。急きょ、日本プロレスの沖識名レフェリーがハワイから来日して試合を裁いた。小人プロレスは独特のリズム、独自の技術が多いので、沖レフェリーも慣れぬレフェリングに、さぞや面食らったことだろう。
記事によると小人プロレス一向は、前年秋にも来日しており、これが2度目の来日。この両国大会を皮切りに約1か月間、日本全国を巡業した模様だ。6人の小人選手だけでは、1興行に3試合が限度なので、この小人プロレス興行には日本プロレスから芳の里、桂浜(田中米太郎)、吉原功、ユセフ・トルコ、土佐ノ花、長沢秀幸、大坪清隆、ミスター珍らが特別参加選手として貸し出され、小人選手の前座を務めている。
興行の一番人気はインディアンキャラのリトル・ビーバー。そのモヒカン頭が当時としては斬新だったようで「人気ひとり占め」と記されている。そういえば、あの角掛留造もインディアンキャラでもないのにモヒカン頭。モヒカンは小人プロレス界の「エースの証」なのだろうか?
なお、この大会に出場し大坪清隆に敗れている(14分15秒、逆片エビ固め)ミスター珍は、この試合が78日ぶりのカムバック戦。同年1月7日の日プロ・名古屋大会でジャイアント馬場との試合中、受け身の失敗で頭部を強打した珍は、一時は危篤状態にまで陥り、現役続行が危ぶまれていた。
東洋の巨人・馬場との試合後に倒れ、復帰戦が小人プロレスの前座とは、これまた面白い因縁だ。
プロフィル
高木圭介のプロフィル
昭和44(1969)年6月4日、神奈川県川崎市生まれ。かつてジャイアント馬場さんも暮らした新丸子の街
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