イラン 米軍の救出を“歓迎”
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イラン 米軍の救出を“歓迎”

1月8日 4時50分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

核開発問題を巡って、アメリカとイランの緊張が高まるなか、海賊に拘束されていたイランの漁船の乗組員がアメリカ海軍によって救出されました。イラン政府は歓迎の立場を示しつつも、こうした評価を一部の外国向けの放送だけにとどめています。

アメリカ政府は、6日、ソマリア沖のアラビア海で、アメリカ海軍の空母ジョン・ステニスを中心とする艦艇部隊が、海賊に拘束されていたイランの漁船の乗組員13人を救出したと発表し、現場の映像もあわせて公開しました。核開発を続けるイランは、新たな制裁措置をとったアメリカとの対決姿勢を強め、原油の主要な輸送路であるペルシャ湾のホルムズ海峡で軍事演習を行い、アメリカの空母にペルシャ湾に入らないよう警告しています。アメリカ国務省のヌーランド報道官は、「イラン政府が難癖をつけてきたアメリカの空母がイラン人を救出した。信じられないがすばらしいことだ」と述べました。これに対して、イラン外務省の報道官は、国営テレビのアラビア語放送を通じて、「人道的な行動で歓迎する」とアメリカ軍の行為を評価しました。一方、イランの保守系の通信社は、「ごく当たり前の行為をアメリカはハリウッド映画のように宣伝しようとしている」と批判しました。今回の救出を歓迎した政府の反応は、イラン国内の主要なメディアでは報道されておらず、敵対するアメリカへの表だった評価はなるべく控えたいイラン側の思惑が見え隠れしています。