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[31083] 【ネタ】うるてぃのいど・ざぎ
Name: まる◆c74bd1b6 ID:fa5ea28c
Date: 2012/01/04 21:11
『ウルトラマンネクサス』と『バトルオブドリームNOA』で脅威を振るったダークザギ。これは、そのダークザギさんに憑依しちゃった男のお話。

このSSは、「にじファン」様にも投稿しています。



[31083] ざぎさん誕生
Name: まる◆c74bd1b6 ID:fa5ea28c
Date: 2012/01/04 21:08
太陽系第三惑星地球。

緑の大地には多くの人と動物が暮らしていて、果てしない青空は無数の鳥たちが飛び交い、底知れない海の底には想像もつかない様な生き物が数多く生息している。

人や動物や植物や怪獣、生きとし生けるものたちが住む星。

無限の彼方まで広がる宇宙でも有数の美しい星。

そんな地球の中の小さな島国で、今、一人の男が命を落とした。

なんてことはない、大勢いる人間の一人がいなくなっただけのことである。





一方、地球から遠く離れた遙か彼方の銀河にて。

M80さそり座球状星団の惑星の一つ、「来訪者」と呼ばれるものたちが住む星。

地球と同じ様に数多くの生命が暮らすこの星は、壊滅の危機を迎えようとしていた。

異生獣――スペースビーストと呼ばれる凶悪な生物の襲撃は、あっという間に彼らの星の大部分を食い尽くし、人々を恐怖と絶望の底に叩き込んだ。

彼らもただ為すがままに侵略されていたわけではない。
次々と新しい兵器を作り出し、多くの勇敢な者達が戦いに挑んだが――全てが無駄に終わった。

他の生物や物質と融合することで進化する特性を持つスペースビーストは、新しい兵器が来ればそれに対応した物質を取り込み、時には挑んできた人間を捕食し、彼らの抵抗を次々と無力化したのである。


「悪魔だ。あれは、生物じゃない。生物を滅ぼす為に生まれた、恐ろしい魔物だ」


戦えば戦う程、此方が消耗すればする程、スペースビーストは益々凶悪な進化を遂げる。

「俺には撃てない。あれは、あれは、あの顔は――」


かつての戦友の顔をした怪物が、愛する者の顔をした化け物が、殺意を以て襲いかかる。


誰もが終わりを受け入れ、諦めかけたその時――天からの救いが舞い降りた。



「それ」は無数のスペースビーストが犇めく荒野に降り立つと、目映い白銀の光を放ち、一瞬にしてビーストの半数を消滅させた。
「それ」の腕から放たれる光線は、ビーストの進化能力を上回る勢いで次々と驚異を駆逐する。 
「それ」の掌から放たれる光は様々な奇跡を起こし、荒れ果てた大地に恵みをもたらし、食い潰された自然に緑を与えた。

絶望の中に突如舞い降りた救いの神。
スペースビーストの脅威から彼らの星を守り抜いた「それ」は、全ての力を使い果たすと眠りに付いた。


この星の未来を、彼らに託して。


「それ」の名は――ウルトラマンノア。
この物語の全ての始まりとなった、白銀に輝く光の神である。








うるてぃのいど・ざぎ








――彼は混乱していた。

記憶にある自分の最後は、車線と信号を無視して歩道に突っ込んできた大型トラックが 自分の目前にまで迫り、ライトの光で視界が真っ白に埋め尽くされたところまで。

自動車事故。普通なら死ぬ。だが、自分には意識がある……ということは、ここは病院か、はたまた死後の世界である筈なのだ。

だが、自分の目の前にあるのは――


「■■■■■■■―――――――――!!!!」


なんとも形容しがたい叫びを上げる、恐竜の様な姿をした怪物。
黒い皮膚と鋭い牙、極太の鞭を思わせる長い尻尾。爬虫類のように縦に裂けた瞳孔。ギョロギョロと辺りを見渡す琥珀色の瞳からは、理性の光は見受けられない。
その姿は、子供の頃によく見た特撮テレビ番組に登場する怪獣によく似ていた。
もし本物の怪獣であるならば、自分は逃げ回る群衆の中に混じるエキストラでなくてはならない。


――スペースビーストを確認。
――これより、戦闘及び排除を行います。


未だ混乱の抜けきらない頭の中に、機械で合成したような音声が響く。
益々訳が分からなくなるのだが――自分の意思とは無関係に、体は動いた。


「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」


両手を広げ、絶叫。
勢いに任せて目前の怪獣にタックルを繰り出し、押し倒してマウントポジションを取る。
暴れる怪獣を無理矢理体重で押さえつけ、ひたすら顔面に拳を叩き付ける。折れた牙が掌に食い込むが、不思議と痛みは感じなかった。
このまま、息の根を止めるまで殴り続けて――

 
「■■■■■■■―――――――――――――――――――――――――――!!!!」
「グウゥッ!?」


完全に予想外の反撃。
相手の牙と爪はこちらに届かず、油断していたら、背後からの尻尾による攻撃。
大きく吹き飛ばされ、地面をゴロゴロと転がる。
衝撃の割には大したダメージにはならなかったが、トドメを刺す機会を逃してしまった。


「■■、■、■■■………■―――――――――――――――――――――――――!!!!」


そして、完全に相手を怒らせてしまったようだ。
元々獰猛だった瞳は完全に怒りに染まりこちらを食い入るように見詰めている。
血塗れの口を大きく開き、咆哮。
皮膚の上に無数の血管が浮き出て、筋肉が膨らみ、体躯が二倍近く膨張する。

 
「■■■■■■■―――――――――――――――――――――――――――!!!!」


突進。
シンプルで原始的な攻撃方法だが、パワーと体重を最も活かせる攻撃。
怪獣が一歩踏み出すたびに大きな土煙があがり、大地が震える。
あの突進を受ければ、この体は一溜まりもなく粉砕されるだろう。


――ザギ・インフェルノ解禁


逃げればいいのか、立ち向かえばいいのか、どうすればいいのか、困惑しているところに頭の中に響く合成音声。
ザギ・インフェルノ。 
それは一体何なのか、理解が追いつかないが、またもや体は勝手に動く。


「ウォォ……!」


拳が、燃える。
比喩ではなく、両腕に信じられない程の高熱が集中し、発火する。
熱さは感じるが、不思議と痛みや苦しみは無い。

 
「■■■■■■■―――――――――――――――――――――――――――!!!!」
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」


突撃して来る怪獣に、カウンターの要領で炎を纏った両拳を叩き付ける。
巻き起こる爆発と粉塵。揺れる大地。激突の衝撃で足が地面にめり込むが、意外とダメージは少ない。
怪獣はまるでロケット花火かのように炎に焼かれながら大空へ吹き飛ばされ――雲の上で、爆散した。


 ――テスト終了。
 ――ウルティノイド・ザギ、起動実験、成功。


全てが終了したらしい。
未だ興奮と混乱は収まらないが、自分がどうやら、人間とは全く別の何かになってしまったことは理解できた。

漸く少しだけ冷静になって、自分の体を見渡す。
無機質な黒い体。筋肉に沿うように引かれた赤いライン。胸には赤く光るY字の発光体。
どうやら自分は、ロボットか何かに、生まれ変わって(?)しまったようだ。
これが現実なのか、トラックに撥ねられて瀕死の自分が今際の際に見ている夢なのかは分からない。
痛みを感じないのは夢だからなのか、ロボットだからなのか。
だが、なんにせよ――例え夢だったとしても、暫くは苦労と混乱が続くことになるだろう。


ウルティノイド・ザギ


恐らくは今の自分の名前であろうそれを思い浮かべると、溜息が出てしまう。
――まるで、特撮番組の、悪役みたいな名前だ。






――――ウルティノイド・ザギ
――――身長:50m
――――体重:5万5千t

――――必殺技:ザギ・インフェルノ
    1兆度の炎を拳に纏い、ビーストに叩き付ける。


ウルトラマンノアが全ての力を使い果たし、眠りに付いた後。

スペースビーストの恐怖を忘れることが出来なかった彼らが造りあげた最終兵器。

彼の姿と力を摸倣して作成され、進化し続けるビーストに対抗する為に自己進化プログラムを組み込まれている。

ビーストの力に本当に対抗出来るのか、テストでは予想以上の成果を挙げた。


「いける、これならビーストにも対抗できる」


きっと、彼に替わる希望の光になる。

「来訪者」たちは、期待を込めて、黒い巨人を見上げた。



[31083] ざぎ思う故にざぎ有り
Name: まる◆c74bd1b6 ID:fa5ea28c
Date: 2012/01/07 00:09
――――宇宙大怪獣ベムスター
――――身長:46m
――――体重:6万1千t

カニ星雲の爆発によって誕生したとされる宇宙怪獣で、水素やヘリウム、窒素などのエネルギーを主食とする。
どこか愛嬌のある鳥のような顔をした頭部には大きな一本の角。両腕には巨大なカギ爪。
腹部には五角形の形をしたもう一つの「口」を持つ。

そのどこか間抜けな外見とは裏腹に非常にタフで底知れぬ食欲を持ち、時には宇宙ステーションを丸ごと飲み込むなどして、多くの星で被害を出している。

特定の縄張りを持たず、エサの匂いを嗅ぎ付ければ、次から次へと場所を移動する。
そして、「口」の持つ役割は、捕食だけに限られない。









「ケェッ!」
「―――ハァッ!」


ウミネコによく似た怪獣の鳴き声。
水平に振るわれるカギ爪をしゃがみ込むようにして躱し、アッパーカットを嘴に叩き込み、そのまま角目掛けて手刀をお見舞いする。
拳から確かな手応を感じるが、怪獣は数歩後ずさって怯むだけに留まり、大きなダメージを与えることは出来なかったようだ。

反撃を許さず、そのまま追撃。5万5千tの体重を乗せた蹴りを腹部と頭部目掛けて一発ずつ。
体勢を崩していた怪獣は蹴りの衝撃を受け止めることが出来ず、大きく後方へ吹き飛ぶ。
そのまま背後の岩山に激突、上半身が瓦礫の山の中に埋まる。



先日戦ったゴジラモドキの怪獣なら、この程度の攻撃でも深い傷を負わせることが出来たが、目の前の怪獣にはまるで効いていないように見える。どうやら格が違うようだ。
どこかユーモラスに見える顔に加えて気の抜けるような鳴き声を出す癖に、目の前の怪獣はゴジラモドキよりも遙かに強い、油断ならぬ大敵のようだ。



「グケェェ……」


ジタバタと藻掻き、瓦礫の山の中から脱出した怪獣。
まるで服についた埃を払うような仕草でパンパンと両腕を振るう。
明らかな敵意と怒りを込めた視線をこちらに向けると、一層甲高い鳴き声を上げ、両腕を翼の様に広げた。
突進でもする気か――と身構えると、怪獣は大きく跳躍。
そのまま風に乗って空を飛び、此方から更に距離を取った。
逃げる気なのか、追いかけなければ。


「ケェエエエエッ!!」
「ウオォッ!?」


――そう判断し自分も飛び立とうとして、予想外の攻撃に叩き落とされる。

怪獣の角が発光している。バチバチと火花が飛び散り、放電している。
光の弾丸。怪獣の角に集中したエネルギーは常識では考えられない攻撃手段となって、この体を狩りの標的の様に打ち落とした。


一撃だけには留まらず、雨のように降り注ぐ光線と弾丸。
着弾する度に火花が飛び散り、少しずつダメージが蓄積されていく。
一発一発なら到底致命傷には成り得ないが、塵も積もれば山となる。
巻き上がる土煙にも構わず、怪獣はひたすらに空爆を続ける。


「ケェーッ! ケェッケー!」
「グゥ……!」


怪獣の嘲笑うような鳴き方が酷く癇に障る。
だが、反撃をしようにも、向こうは遙か空の上。
自由自在に飛び回る相手にザギ・インフェルノを叩き込むのは難しいだろう。
その上、弾幕を展開されている。今の自分に攻撃をかいくぐって奴の元まで辿り着くことは、不可能だ。


「……?」


そう考えていると、不意に光線の雨が止んだ。
見上げれば、空を飛び回る怪獣の角の光がぼんやりと、弱々しいものになっていた。
弾切れか、エネルギー切れか。
何にせよ、反撃のチャンスは今しか無い。


――ライトニング・ザギ、解禁。


もう聞き慣れた、無機質な合成音声が頭の中に響く。
胸のY字の赤い発光体――エナジーコアから、両腕にエネルギーが供給される。
無数の光の粒子が衝突し、スパークが発生する。


「ウオァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」


左手首に右拳を打ち付けるようにして、十字に腕を組む。
幾重もの超絶光子プラズマが重なり合い、赤と黒と紫の光が複雑に混ざり合い、光線となってエネルギーが放出される。

向こう側のインターバルも終了したのか、再び無数の光の雨が降り注ぐが、その全てがなんの障害にもならずに光線に掻き消される。
怒濤の勢いのままに怪獣も消し去らんと、光線が直撃し――



       ――ニヤリと、怪獣の嘴の端が歪んだ。



光線が、怪獣の腹に吸い込まれるように消えていく。
怪獣の攻撃を全て押し退けた光線は、その本命の攻撃対象には届くことなく、消滅した。

どうやら、この怪獣は、非常にタフなのに加えて、腹部の「口」からエネルギーを吸収する能力まで持っているらしい。


満腹になったのか、腹を摩りながらご機嫌に笑う怪獣。
対して、こちらは光線を出し尽くすと共にエネルギーの大半を使い果たしてしまったらしく、立っているのもやっとである。

エナジーコアが、心臓の鼓動のようなリズムで点滅する。
体から力が抜けていく。

こちらが虫の息であると判断し、すぐ近くに着地する怪獣。
対して、立っていることすらままならず、片膝を付いてしまう自分。

絶対絶命。そんな言葉が頭の片隅を過ぎった。
獲物を捕食せんと、腹部の「口」を開きながら、怪獣が迫り――――







蝋燭は火が消える直前に、一際強く燃え上がると言う。
火事場の馬鹿力という言葉がある通り、生物はその命を散らす直前、通常では考えられない能力を発揮する。
ウルティノイド・ザギは生物ではないが、その元となったオリジナルの存在と、対抗するべきであるスペースビーストは、有機生命体である。

ザギに組み込まれた自己進化プログラム。
凄まじい速度で進化と繁殖を遂げるスペースビーストや怪獣相手には、一度の敗北が星の滅亡を意味することになる。
だから、敗北は許されない。
ザギが活動限界の危機に陥ったことで、自己進化プログラムが凄まじい速度で答えを探す。
ライトニングやインフェルノとは違う、新しい攻撃が必要だ――







――――グラビティ・ザギ、解禁。


体が勝手に動き、立ち上がる。
警戒したのか、飛び退いて距離を取る怪獣。小首を傾げ、こちらの様子を伺っている。


「ウアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」


絶叫し、エネルギーが集中した両掌を前に突き出す。
空間が陽炎の如く揺らぎ、紫色の光が怪獣に向けて放たれる。
怪獣は避ける必要無しと判断したのか、仁王立ちで光を待ち受けた。
――その判断が命取りになると知らずに。

「クケケ、ケ、グ…ゲャアアアアアアアアアアアアアッ!?」


さっき同じような光線だと判断し、腹部の「口」で受け止めようとした怪獣だが、まるで吸収できずに、苦しみながら悲鳴をあげる。
抗うことも出来ず、台風に吹き飛ばされる残骸の様に、遙か彼方に押し出されていく。


グラビティ・ザギ。
超能力で重力を操作し、対象を粉砕・圧縮する光線。


「アアアア゛ア゛■■――――――ッ!!」


やがて叫び声は全く聞き取れない断末魔になり、怪獣は光の中に飲み込まれ、粉微塵になって死んだ。
ウルティノイド・ザギの二度目の戦いは、こうして幕を閉じた。









――――対スペースビースト最終兵器:ウルティノイド・ザギ。
それが今の、自分の名前。あの目覚めとゴジラモドキとの戦いから数日も経てば、今の自分が置かれた状況が現実なのだと認識せざるを得なかった。

転生を題材にした小説を読んだことはある。
人として生まれ変わることもあれば、蝶になったり、ウサギになったり、はたまた妖精といった空想的な存在になったり。

自分はトラックに撥ねられて死んだ。それは確かだ。
そして、今の自分は兵器としてここにいる。前世の記憶と意識を引き継いで。

果たして、ロボットになるのは転生と言えるのだろうか?


「よくやった、ザギ。期待以上の成果だ。これからもよろしく頼むよ」
「彼の力を元に造っているんだから、これくらいやってもらわないと困りますけどね」


と、そんなことを考えていたらガラスの壁越しに声を掛けられた。


白衣を着た、研究者のような格好をした白髪のお爺さんと、金髪のお姉さん。
ウルティノイド・ザギを造り上げた彼らのうちの二人である。

ここは、「来訪者」の星の、お偉い人たちが集まる研究所。
今、俺は何だかよくわからない緑色の液体の中に沈められて、全身にコードを繋がれている。

この体の整備とデータ収集を兼ねているらしい。
技術と兵器は常に進化し続けなければならない。
この身のオリジナルであるウルトラマンノアの力に今は頼れない以上、彼らは自分たちの手で星を護る力を生み出さなければならない。
さっきは危機一髪の状況で怪獣を倒すことが出来たが、あのまま倒されていたら俺は怪獣に捕食され、怪獣はエネルギーを補充し、益々凶暴になっていたことだろう。
そうなれば、もう次は無い。
そうならない為に、この星の人たちは常に前へ進まなければならないのだ。


「彼が目覚めてくれれば、いいんだけどな」
「子供じゃないんだから、わけのわからない巨人にいつまでも護られているというのは、どうかと思いますが。それに、その彼の替わりとなるようにザギを造ったんですから」


研究者たちの会話。
彼――ウルトラマンノア。

第二の人生が、誰かの替わりとは、何とも言えない気分にさせられる。
代用品――か。



ザギ・インフェルノ
ライトニング・ザギ
グラビティ・ザギ


戦闘中に使用可能となったこれらの技も、元々はウルトラマンノアの技だ。
自分はそれを、真似しているに過ぎない。



ウルティノイド・ザギに期待されていることは、ウルトラマンノアと同じ力で彼らを救うこと。
ウルトラマンノアの、代用品。



まぁ――そうだったとしても、今は全力を尽くすだけだ。
第二の人生、兵器として生まれた。自分のやるべきことは、むしろ前世よりもハッキリしているだろう。
迷うことは、ない。


ガラスの前で会話を続ける研究員二人を尻目に、緑色の液体の中で、俺は深々と溜息を吐いた。








――――ウルティノイド・ザギ
――――身長:50m
――――体重:5万5千t

――――必殺技:ザギ・インフェルノ
        1兆度の炎を拳に纏い、ビーストに叩き付ける

        ライトニング・ザギ
        左手首に右拳を打ち付けるようにして放つ、必殺光線。
        別名超絶稲妻光線
        対象を分子レベルにまで粉々にする破壊力を持つ
        特撮ヒーローにはお約束の光線必殺技である
        が、今回は相手がエネルギー吸収能力を持つベムスターだったので初のお披露目であるにも関わらずあっさり破られた

        グラビティ・ザギ
        両掌から放つ超重力波動光線が、相手を押しつぶして粉々に粉砕する技
        油断慢心隙だらけだったベムスターを粉砕した


対スペースビースト最終兵器
ザギに組み込まれた自己進化プログラムは、ウルトラマンノアの情報を元にして、要所要所に応じて新たな必殺技を生み出す
「彼」が憑依したことにより(彼の主観ではあくまで転生)、予定よりもずっと早く自我を持っているようだが……?
戦闘中には、半ば客観的に自分を眺めているような状態になり、一人称が「自分」になる



――――宇宙大怪獣ベムスター。
――――身長:46m
――――体重:6万1千t

後に吸引アトラクタースパウトと呼ばれる腹部の「口」は、あらゆるエネルギーを吸収する
が、その口の中に重力波動光線を叩き込まれ、体内に疑似超々小型ブラックホールが形成され、木っ端微塵に消滅した

「帰ってきたウルトラマン」では一度ウルトラマンを撤退に追い込むがウルトラブレスレットの斬撃に頭部と手足をすぱっと切断されて退場

「ウルトラマンタロウ」では1度はタロウを退却させる程の戦闘力を見せつけるが、海野青年によってナイフで両瞼を攻撃され怯み、最期はZATが腹の「口」を逆に利用して打ち込んだ2種の「エネルギー爆弾A・B」の反応爆発により倒された

「うるてぃのいど・ざぎ」に登場するこいつはベムスターによく似たスペースビーストで、カニ星雲の爆発で誕生したわけではない 



――――テスト用模造スペースビースト。
――――身長:60m
――――体重:10万2千t


ウルティノイド・ザギのテストに使用された怪獣
「来訪者」がスペースビーストをモチーフに造りあげた
他の生物や物質と融合する能力は無いが、感情の高ぶりに応じて筋肉を増強することが出来る
いざという時の為に体内に自爆装置が埋め込まれている
ザギ曰くゴジラモドキ。ハリウッドのGODZILAに似ている


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