憲法裁判所は2日、2008年6月の米国産牛肉の輸入再開反対を訴えるろうそくデモの際、市民団体の「言論消費者主権国民キャンペーン(言消主)」が朝鮮日報、中央日報、東亜日報に広告を出した企業を対象に不買運動を展開した行為を業務妨害・恐喝・強要罪で処罰することは「合憲」だとする決定を下した。
言消主は当時「朝・中・東廃刊国民キャンペーン」というコミュニティーサイトを開設し、これら新聞社3社に広告を出した企業200社余りのリストを掲載。サイトのメンバーらに対し、対象企業に電話をかけ、3紙への広告掲載中断を求めるよう呼び掛けた。さらに、この3紙にだけ広告を掲載し、ハンギョレ新聞や京郷新聞に広告を出さなかったある製薬会社をターゲットに選び、メンバーに「集中攻撃」を呼び掛けた。当時、一度に多くの電話がかかってきたため、同社は電話が通じなくなり、業務がまひする事態となった。この製薬会社は電話攻撃に耐え切れず、最終的にハンギョレ・京郷新聞にも広告を掲載した。
検察は言消主の代表やサイト運営者など25人を業務妨害・恐喝・強要罪で起訴し、このうち単に同調しただけの9人を除く16人が1審、2審で有罪判決を受けた。被告らは上告し、現在は大法院(日本の最高裁判所に相当)の裁判を待っている。言消主は1審、2審の裁判を受けている最中、業務妨害罪などでの処罰は憲法が保障する消費者運動や表現の自由を侵害するものだと主張し、憲法裁に憲法訴願審判を請求した。
憲法裁は裁判官の全員一致でまとめた今回の決定で「憲法と法律が保障する限界を超えた消費者不買運動は正当性を欠くもので、刑事処罰を免れない」と指摘している。また「無差別に電話をかけたり企業ホームページに書き込んだりといった脅迫・恐喝で(該当企業に)自由な意思決定を妨げるほどの恐怖心を与え、(特定新聞社に対する広告中断や掲載などを)強要したなら、それはもはや正当な消費者保護運動ではない」と説明した。
過去の政権で、一部の親政府系メディアはしばしば公営企業を訪れ「まだそんな新聞に広告を出しているのか」と、他紙への広告掲載を中断するよう遠回しに圧力をかけていた。消費者運動の名を借りて広告掲載中断や購読中止を迫ってきた一部市民団体の違法行為は、こうしたメディアの形態とよく似た過去の遺産にほかならない。