■半導体業界で唯一黒字
半導体事業部も不況に打ち勝った。サムスン電子を代表する製品は何と言ってもDRAM、フラッシュメモリーといったメモリー半導体で、圧倒的な首位の座にある。しかし、昨年はメモリー半導体の価格が過去最低水準まで急落し、困難に直面した。業界2位のハイニックス半導体は、昨年第3四半期に2700億ウォン以上の赤字を出した。
こうした状況でも、サムスン電子は6兆ウォン(約4000億円)の営業利益を出した。その理由はシステム半導体(非メモリー半導体)にある。メモリー半導体は情報を蓄える役割を担い、システム半導体はデータの演算を行う役割を果たす。インテルが市場を掌握しているCPU(中央演算処理装置)が代表的なシステム半導体だ。
サムスン電子はこれまで、システム半導体には非常に弱かった。そこで、サムスンはパソコン市場向けではなく、スマートフォン向けのCPUである応用プロセッサー(AP)を強化する道を選んだ。選択と集中という戦略だった。スマートフォン市場が急成長すると、昨年第4四半期には、システム半導体の営業利益がメモリー半導体を上回った。
■OLEDなど新製品で危機克服
液晶パネル事業も昨年はつらい1年だった。中国、台湾の低価格攻勢に押され、液晶パネル価格が暴落したためだ。LGディスプレーは昨年第3四半期に5000億ウォン(約330億円)という多額の赤字を出した。日本、中国のメーカーも軒並み赤字だった。
サムスンは次世代のディスプレーとされるOLEDで危機を乗り切った。液晶ディスプレーに比べ明るく鮮明な上、薄型化が可能なのが強みだ。技術は日本のNECが先に開発したが、製品化できずに事業を放棄した。サムスンは得意の製造技術力でOLEDの量産に唯一成功した。サムスンは昨年、OLED部門で9000億ウォン(約600億円)の営業利益を上げた。