サムスン電子は6日、有機EL(OLED)事業の目覚ましい成長を受け、昨年第4四半期(10-12月)の売上高が47兆ウォン(約3兆1200億円)、営業利益が5兆2000億ウォン(約3500億円)を記録したとの速報値を発表した。この結果、通期の売上高は過去最高の164兆7000億ウォン(約10兆9300億円)に達し、営業利益は16兆1500億ウォン(約1兆700億円)で、前年(17兆3000億ウォン)に次ぐ記録となった。
欧州財政危機で世界的に景気が冷え込む中、ノキア、ソニー、モトローラ、エルピーダメモリなどのライバル企業は多額の赤字を出した。しかし、サムスン電子は技術力をベースに一人勝ちを収めた。半導体、ディスプレー事業は、ライバルの中で唯一黒字を確保した。1-2年前まで存在感が薄かったスマートフォンや有機EL(OLED)などの製品も成長軌道に乗った。アップルは最近、サムスンの競争力を恐れ、特許訴訟でけん制に乗り出している。
■アップルとの競争で鍛えた力
好業績に最も貢献したのは、「ギャラクシー」シリーズに代表されるスマートフォンだ。サムスンによる昨年のスマートフォン販売台数は1億台で、昨年(2390万台)の4倍以上に増えた。証券会社は、昨年のサムスン電子の営業利益は、半分(8兆ウォン=約5300億円)が携帯電話端末によるものだったとみている。
2009年には、サムスン電子のスマートフォン市場でのシェアは3.7%にすぎなかった。洗練されたデザインと多彩なアプリケーションを持つアップルの「iPhone」には太刀打ちできなかった。
しかし、サムスン電子は昨年、ギャラクシーS2、ギャラクシーノートなど薄型で画面が鮮明なスマートフォンを相次いで発売し、業界地図を塗り替えた。昨年第3四半期にはスマートフォンを2800万台販売し、アップル(1700万台)を圧倒的に上回り、世界シェア1位に立った。サムスン電子の申宗均(シン・ジョンギュン)社長は「新たに発売するギャラクシーS3は、以前の製品に比べはるかに良い。期待してほしい」と語った。