畠山さん、記者クラブ弊害を語る

2012年1月8日 10時05分
(1時間3分前に更新)

 自由報道協会理事でフリーライターの畠山理仁さんを招いた講演会(沖縄大学地域研究所主催)が7日、那覇市の沖縄大学であった。畠山さんは「記者クラブ加盟社以外の記者が会見に参加することで、多様な情報が流通し、国民の知る権利に応えることができる」と指摘した。

 自由報道協会は、誰もが公平に取材し、報道できるような環境づくりを目的に2011年1月発足した。講演は、メディアは東日本大震災にどう向き合ったか、大手メディアが所属する「記者クラブ」はどのような弊害を生むかをテーマにした。

 震災直後の関係省庁の記者会見では「定例記者会見ではなく臨時記者会見」との理由で記者クラブに所属していないフリーの記者は会見に参加できなかった。畠山さんは「新聞やテレビなどの情報網が破壊されたなかで、インターネットを通じて情報が届く可能性があったが、取材すらできず悔しかった」と振り返った。

 「記者クラブは情報が集まり、省庁にとっても記者にとっても都合がいいが、広告との関係もあり、大手メディアは伝えられないことも多い」と指摘。記者会見を公開することで「社会に多様な情報が流れ、どの情報が正しいか個人で判断できるようになる。記者クラブは国民の知る権利に応えるためにも、柔軟性と寛容性を持ってほしい」と話した。

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