再生エネ急務 2030年、電力3割不足 40年で廃炉

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奥から順に、今年で運転開始から42年を迎える関西電力美浜1号機、40年の2号機、36年の3号機=2011年5月、福井県美浜町、朝日新聞社ヘリから、竹花徹朗撮影

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運転開始から40年で廃炉にした時の日本の原発の発電能力

 原発の運転年限のルールが厳格に適用されると、今後原発の廃炉が急速に進むことになる。今回定めた40年の運転年限に近づいている原発が相次ぐ一方で、原発の新設は住民の反対などで難しいからだ。今回の東京電力福島第一原発の事故で、その状況は一層に難しくなっている。

 東日本大震災前は、原発54基の出力の合計は約4900万キロワットで、国内の1年間の発電電力量約1兆キロワット時の26%(2007年度)をまかなっていた。

 震災前の国のエネルギー基本計画(現在見直し中)では、2030年には少なくとも14基の原発を増設して総出力約6800万キロワットにし、発電電力量の約半分をまかなう予定だった。

 だが、震災で事情は大きくかわった。増設できずに、運転開始後40年で順次廃炉にした場合、30年末には18基で総出力は約2100万キロワットとなり、稼働率90%でも、総電力量の16%にしかならず、36%分が不足する。

 さらに、原発はその後も減り続け、2050年にはゼロになる。不足分は、再生可能エネルギー、天然ガスや石炭による火力発電でまかなうほか、節電して電力需要を抑えるほかない。だが、燃料費の増大と、二酸化炭素の排出削減対策とどう両立させるかが課題になる。(桜井林太郎、杉本崇)

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