北朝鮮では、8日、キム・ジョンウン氏が、最高指導者になって初めての誕生日を迎えました。キム・ジョンイル総書記の死去から日が浅いため、表立って大規模な祝賀行事は行われないという見方が強まっていますが、内部では、ジョンウン氏の権力基盤固めが一段と加速するとみられます。
死去したキム総書記の三男で後継者のジョンウン氏は、1月8日が誕生日です。ジョンウン氏は20代後半ですが、正確な年齢は明らかにされていません。ただ、ことしは父親のキム総書記の生誕70年、祖父のキム・イルソン主席の生誕100年を迎えるため、指導部は、ジョンウン氏が、8日、区切りのよい30歳になったと住民に説明し、偶像化を進めるのではないかという見方が出ています。キム総書記が死去する前に印刷された北朝鮮のことしのカレンダーでは、8日は祝日ではなく通常の日曜日の扱いです。生前のキム総書記の誕生日の場合、祝賀する催しが前日に開かれていましたが、今回、そうした催しの開催は伝えられておらず、総書記の死去から3週間と日が浅いため、表立って大規模な祝賀行事は行われないという見方が強まっています。一方、ジョンウン氏は、哀悼を示す期間が明けた先月30日、ただちに軍の最高司令官に就任し、元日には戦車部隊を視察するなど、軍事優先の路線を継承する活動を本格化させており、最高指導者になって初めて迎えた誕生日を契機に、内部では、権力基盤固めが一段と加速するとみられます。