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事件
「茶のしずく石鹸」旧製品 1000人超被害、集団提訴へ
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アレルギーの原因となったのは、保湿効果を高めるために使われた「グルパール19S」という成分。小麦のタンパク質を人工的に分解したもので、化粧品原料として流通していた。今回は、せっけんを使ううちに皮膚などを通じ体内に入り発症したとみられる。
最初に気づいたのは、国立病院機構相模原病院の福冨友馬医師だった。平成20年12月以降、通常の小麦アレルギーとは異なるまぶたの腫れがある患者を相次いで診察。患者らが茶のしずくを使用していることを突き止めた。21年10月、日本アレルギー学会の席上、商品名は伏せた上で初めて「せっけんで小麦アレルギーが起きる」として健康被害を報告した。
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だが、その後の対応は後手に回った。厚生労働省は22年10月、小麦由来成分を使うメーカーに注意喚起を通知したが、悠香が自主回収を始めたのは、そこから半年以上もたった23年5月だった。
健康被害に関する国への届け出が遅れた疑いも浮上している。薬事法では製品の安全性に関わる研究報告を知った場合、30日以内に厚労相へ報告するよう定めている。
悠香は23年3月に島根大教授らの被害に関する論文を届け出た。だが福冨医師は22年3月に、悠香に対し成分に問題がある可能性を指摘。学術誌に論文が受理された後の同年11月にもあらためて説明したといい、悠香が早い段階から研究報告の存在を把握していた可能性がある。
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