県は16日から、県道路公社管理の安芸灘大橋有料道路(呉市下蒲刈町-同市川尻町)で、島しょ部住民らの日常生活の負担軽減を目的とした割り引き社会実験を実施する。
割り引きは100回回数券に限定し、全車種が対象。実験中の割引き率は約57%。現行の100回券は、普通車(通常通行料700円)は1回あたり490円だが、社会実験では同300円となる。
安芸灘大橋有料道路は00年12月開通。島しょ部住民の生活道路として活用されてきた。周辺ではフェリー航路が廃止になるなどし、現在では「唯一の交通手段といってもいい」(県)とされる。
開通以来、想定交通量は常に上回っていた。10年度の1日あたり交通量は4394台で、想定2896台の約1・5倍。収入も黒字が続き、島しょ部住民への還元のため社会実験を決めた。
期間は来年3月31日まで。実験結果を踏まえ、今後の料金設定を検討する。社会実験用回数券は、県道路公社や安芸灘大橋有料道路管理事務所などで、11日から販売する。問い合わせは公社(082・504・7533)か、安芸灘大橋有料道路管理事務所(0823・87・3947)。【寺岡俊】
毎日新聞 2012年1月6日 地方版