岩隈、マリナーズ入り決定　日本での開幕戦投手の座狙う

　デビュー戦は、因縁のアスレチックスと激突する日本開幕戦だ！！　楽天から海外ＦＡとなり、メジャー移籍を目指していた岩隈久志投手（３０）が６日、マリナーズと年俸１５０万ドル（約１億２０００万円）プラス出来高払い３４０万ドル（約２億７２００万円）の１年契約を結び正式発表した。背番号は１８。東京都内で記者会見に臨んだ岩隈は、３月２８日の日本開幕戦に照準を合わせると宣言。昨年ポスティングシステム（入札制度）で破談となったにっくきア軍をたたき、最高のスタートを切る。

　グレーのスーツに身を包んだ岩隈が照れ笑いを浮かべて口を開いた。

　「Ｍｙ　ｎａｍｅ　ｉｓ　Ｈｉｓａｓｈｉ　Ｉｗａｋｕｍａ　Ｐｌｅａｓｅ　ｃａｌｌ　ｍｅ　ＫＵＭＡ…（岩隈です。（愛称の）『クマ』と呼んで下さい…）」

　記者会見の開口一番、覚えたての言葉で自己紹介。さらに英語で決意の言葉を続け、マリナーズ移籍を心の底から喜んだ。

　昨年１２月中旬に家族とともにシアトルを訪れ本拠地を視察し、ズレンシックＧＭと会談。身体検査（メディカルチェック）をパスし、年明けの１月２日に正式なオファーを受けた。「１月２日は嫁さんと僕が出会った日だったので、運命を感じた。頑張ろうという気持ちになった」。条件面に関していえば厚遇とはいえないが、まな娘の後押しもあり入団を決意。その岩隈が記念すべきメジャーデビュー戦へ照準を合わせるのが、３月２８日の日本開幕戦だ。

　「まずはゲームに入れる準備をしていく。今季は日本開幕ですので（開幕戦登板を）目標に入れています」。メジャー１年生が開幕投手を務めれば異例中の異例。マ軍にはエース右腕・ヘルナンデスがいるが、日本開幕ということもあり、岩隈が順調に仕上がりを見せれば、指名される可能性は大きく膨らむ。さらに対戦するアスレチックスは、昨年ポスティング移籍を目指した際に交渉が決裂した因縁の相手。岩隈にとって自らの力量をアピールするには願ってもない舞台となる。

　「マリナーズといえばイチローさん。強いチームにしたいし、バックにいるのは心強いです」。岩隈はイチロー、そしてパ・リーグでしのぎを削った川崎との“日本人トリオ結成”も大歓迎。果たして、８年間で６度の地区最下位と低迷期が続くマ軍の救世主となれるのかどうか−。岩隈が大きな野望を胸に念願のメジャーの舞台へ挑む。（伊藤哲也）