「われわれが持っているのは、雰囲気だけ」
5日、サッカー韓国五輪代表の練習が行われた坡州NFC（国家代表トレーニングセンター）。代表の雰囲気を尋ねた取材陣に対し、洪明甫（ホン・ミョンボ）監督（42）は「選手たちはロンドン五輪への情熱にあふれている」と笑顔で語った。この日招集された五輪代表は、6日から沖縄で合宿を行った後、タイ・バンコクで行われるキングスカップに出場する。同大会ではタイ（15日）、デンマーク（18日）、ノルウェー（21日）と対戦する。
洪監督は「今はまだ緊張の糸を緩めることはできない」と語った。ロンドン五輪アジア最終予選に出場している韓国五輪代表は、2月5日に第4戦のサウジアラビア戦、同22日には第5戦のオマーン戦に臨む。最終予選は現在折り返しを過ぎた段階だが、韓国は2勝1分け（勝ち点1）をマークし、オマーン（勝ち点4）、カタール（勝ち点3）を抑えてグループ首位に立っている。五輪本大会に出場できるのは、各グループの1位だけだ。
久々に集まった選手たちは、和気あいあいとした雰囲気の中、パス回しゲームなどで体をほぐした。沈みかけた夕日が選手たちを照らすと、金色に輝く頭がとりわけ目に付いた。キム・ボギョン＝セレッソ大阪＝によると「ロンドン五輪でメダルを取りたいという熱意からか、オフの間に髪を染めてきたチームメートが実に多い」という。
洪監督は「今回招集した選手を中心として、2月5日のサウジアラビア戦に臨むつもり。五輪出場を早く決めたい」と述べた。選手招集をめぐって常に頭を悩ませてきた洪監督だが、今回は自信に満ちているようだ。2009年のU20（20歳以下）ワールドカップ（W杯）エジプト大会で洪監督と共にベスト8入りを成し遂げた選手たちを多数、招集できたからだ。
当時、チームの主力メンバーだった洪正好（ホン・ジョンホ）＝済州＝、徐訂晋（ソ・ジョンジン）＝全北＝、金英権（キム・ヨングォン）＝大宮＝、キム・ボギョンらは、その後A代表にも選ばれるようになった。だがこれまで、五輪予選でこれらのメンバーの姿を見ることはあまりなかった。五輪代表の試合が国際サッカー連盟（FIFA）の定める国際Aマッチに該当せず、所属チーム側には招集に応じる義務がないからだ。
Jリーグがオフに入ったため、今回はJリーグで活躍する選手たちも合宿から参加できる。Jリーガーが参加することにより、09年のU20W杯エジプト大会のメンバーのうち12人が、沖縄合宿メンバーに名を連ねた。主将の洪正好は「09年から、僕たちは（五輪が開催される）今年のことだけを考えてきた。共に五輪でのメダル獲得という夢を見ることができてうれしい」と語った。