EU=ヨーロッパ連合が、核開発を続けるイランに対して、原油の輸入を禁止する新たな制裁措置で最終調整を進めていることに対し、イランのサレヒ外相は「全く懸念していない」と強気の姿勢を示し、欧米諸国との対決姿勢を強めています。
イランの核開発問題を巡っては、EU=ヨーロッパ連合が、今月30日に開かれる外相会議に向けて、新たな制裁措置として、イラン産の原油の輸入を禁止する方向で最終調整を進めています。これについてイランのサレヒ外相は5日、記者会見で「かねてからこうした敵対的な行動に対処する準備をしており、全く懸念していない」と述べ、強気の姿勢を強調しました。イランは、原油の最大の輸出先である中国やアフリカ諸国などとの関係強化を図っており、EUが禁輸措置を行った場合の輸出先として、こうした国々が念頭にあるものとみられます。イランは、アメリカに続いてEUが、イランの生命線である原油に対する制裁措置を科すことについて、原油の主要な輸送路であるペルシャ湾のホルムズ海峡を封鎖すると警告するなど、対決姿勢を強めています。一方でサレヒ外相は会見で、停滞している核開発を巡る欧米側との交渉について、イランとしては交渉再開の用意があり、隣国トルコで交渉を行いたいという考えも示し、圧力を強める欧米諸国への揺さぶりをかけるねらいがあるものとみられます。