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Chromeのキャンペーン中にGoogle自身が有料リンクの禁止に違反した疑惑を巡る教訓

TechCrunch Japan 1月4日(水)9時28分配信

昨日(米国時間1/2)、われわれはGoogleがChromeを紹介するビデオ中でブロガーに金を払ってChromeサイトにリンクを張らせた疑いがあることを報じた。Google自身の有料リンク禁止規則に違反する明らかな例が少なくとも一つは確認された。ブログの執筆者がChromeのダウンロード・ページに直接リンクを張っていたが、その後この記事は本人によって削除された。

私はさっそくChromeプロモーション・キャンペーンの広告代理店、Unruly Mediaを取材した。ファウンダー、CEOのScott Buttonによれば事情はこうだという。「われわれはブロガーに対して広告主のサイトにリンクを張るよう要請したことは一度もない。しかしまれにブロガーがわれわれのガイドラインに反した記事を書いてしまうことがある。そうした事態が起きた場合、われわれは指摘を歓迎する。ブロガーに対しては直ちに適切な措置を取らせる」。

しかしGoogleによれば同社は単にオンライン広告を出稿したに過ぎないという。GoogleはThe Vergeに対してGoogleは、「われわれは以前から全社的方針としてブロガーに金銭を支払って製品のプロモーション記事を書かせることに強く反対してきた。われわれはこうした事態が再発しないよう、どのような点を改善すべきか検討している」と語った。Unrulyはこの失態でGoogleから契約を打ち切られるかもしれない。

Chromeのダウンロード・ページへのリンクが掲載された問題のブログの記事はすでに削除されている。私は執筆者のMariah Humphriesにリンクだけでなく記事全体を削除した理由についてコメントを求めている。

結局Google側に悪意があったわけではないようだ。しかしGoogle、Unruly、ブロガーの間に意思疎通の問題があったことは事実だ。私は昨日述べたことを繰り返さざるをえない―Googleはこうしたキャンペーンでブロガーに対して有料記事を書かせる場合、条件をもっと明確に述べるべきだった。Buttonは「“Unrulyは有料記事を書くブロガーに対して、必ず記事(あるいは関連するツイート)に「スポンサード」と明記し、かつ検索エンジンに影響しないようリンクにははnofollowを宣言するよう言っておいた」という。しかしこれは単なる「要請」ではなく絶対に遵守すべき事項だと念を入れておくべきだったろう。

こうした問題が起きるたべに、ペイオーラ(特定のブランドやプロダクトをプロモーションするために金を払ってブログ記事を書かせること)全体の正統性が問われることになる。企業や広告代理店がトラフィックを集めるためにブロガーに金を払うこと自体は止めようがない。私はそういうアグレッシブなマーケティング手法の有効性には強い疑問を抱いているが、一方でGoogleがさまざまな手段でChromeのプロモーションをするのは当然のことだ。ここで本当の問題はブロガー自身である。

私は記事の執筆者には自分が実際に関心を抱いたことについてのみ書くべき責務があると考える。金を払われたから書くというのはどこかに「スポンサード」と注記してあったとしても読者公衆の信頼を傷つけかねない行為だ。たとえば、金を貰ってあるブランドをプロモーションする記事を書いたとすれば、そのライバルのブランドについての記事の信用度に悪影響を及ぼすことは明らかだ。大規模なブログサイトの場合、有料コンテンツと一般コンテンツの執筆、制作を確実に分離する体制が必要だろう。

ある記事を読んで、それが筆者の本音なのか金をもらったからそう書いているだけなのか区別する手がかりが記事のどこかに埋め込まれた「スポンサード」の一語だけだとしたら、そういう筆者を信じるのは難しくなる。もちろんこういう主張ができるのは私がサラリーを得ているブロガーだからかもしれない。あちこちでわずかずつの収入を得なければならないフリーランスのブロガーの場合、状況はずっと困難だろう。しかし自分の記事の独立性と公明正大さを固く守ることが筆者の評判を高め、バイラルな影響力を増すことになり、結局は正当な収益化のチャンスを増やすのだと思う。

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最終更新:1月4日(水)9時28分

TechCrunch Japan

 

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