2012年01月06日

皇室をネットが切り裂く

「菊のカーテン」はいつまで保てるのか


編集部 三橋麻子


 正月と天皇誕生日の一般参賀は、一般の人が皇居の敷地内に立ち入り、皇族の姿を目にすることができる数少ない機会だ。

 1月2日午前。厳重な手荷物検査を受けた大観衆が寒空のもとで待ちわびる中、天皇陛下を先頭に皇族が、宮殿の防弾ガラスの向こうに姿を現した。総勢15人。最年長は昭和天皇の弟で96歳の三笠宮さま。最年少は20歳の秋篠宮眞子さまだ。今年は女性宮家の創設で話題の眞子さまら若い女性皇族たちが色とりどりのドレス姿で並び、天皇陛下からは被災地の復興を願うお言葉があった。

 宮殿のこの分厚いガラスのごとく、国民と皇室を隔て、現行憲法の「象徴」としての尊厳を守ってきた「菊のカーテン」。それが今、フェイスブックやミクシィといったSNSの普及で揺らぎ始めている。

 眞子さまが20歳の誕生日を迎えた昨年10月23日。新聞やテレビは事前に取材した眞子さまの姿を流した。ピンクのスーツにパールのネックレス。つややかな黒髪でにこやかに取材に応じる眞子さまは、ファッションといい、立ち振る舞いといい、国民が見慣れた「日本の皇室」そのものだった。記者会見では、国際基督教大学での学生生活についての話もあったが、多くの人には普通の20歳とはかけはなれた存在にも見えただろう。

 だがこの日の深夜、サークルの友人とみられる学生がフェイスブックにアップした眞子さまの画像は、それとはまったく異なるものだった。紫色のラフなパーカで男友達とピースサイン。別の写真では、宿泊先の部屋で、仲間たちと飲んだり食べたりしたあと、記念撮影したとみられるものもあったーー。

バックナンバー

アエラ最新号

2012年1月16日号

2012年1月16日号

最新号キーワード

働く母と子の「学力不安」 平田容疑者 皇室をネットが切り裂く シングル女性「上から目線と現実」 「人気業界」80社の採用大学全国60大学 チャン・グンソク×キム・ハヌル キューバ  放射能離婚 肌アレルギー 浅野忠信

2012年1月16日号
定価:380円(税込)
表紙:深田恭子/女優

雑誌を購入

デジタル雑誌を購入

から検索
から検索