依佐美送信所(よさみ:Yosami Transmitting Station)鉄塔
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左「依佐美無線鉄塔基部」と 「依佐美送信所記念館」
刈谷市にあった依佐美送信所(よさみそうしんじょ)は平成18年に撤去され、跡地に
「依佐美送信所記念館」が設立され、貴重な資料が保存されており平成20年に
「近代産業遺産」に登録されました。
また我が家のシャックからよく見えていた依佐美無線鉄塔(よさみむせんとう)も平成9年
に撤去され,それにともない超長波用アンテナもなくなってしました。
この無線鉄塔は新幹線からよく見え、また三河平野の各地からもよく見え目標物として
便利でした。
カーナビがないころは、道に迷っても無線鉄塔目指して走らせれば地元刈谷に戻って
来ることができました。
ここに掲載した写真はほとんど「依佐美送信所記念館」で撮影したものです。
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依佐美送信所記念館
所在地:448-0812 刈谷市高須町石山2番地1
フローラルガーデンよさみ内
開館時間:午前9時から午後5時まで
休館日:月曜日(祝日の場合翌日)年末、年始
地図は下記を参照してください、見にくい場合は
下部「大きな地図で見る」をクリックしてください。
「フローラルガーデンよさみ」 の詳細は こちら
* ご注意
同記念館は改装工事のため、2011年12月26日
〜2012年3月末日まで休館します、ご承知
ください。
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フローラルガーデン内にある「依佐美送信所記念館」付近では春は「菜の花」
秋は「コスモス」がたくさん咲きます。
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依佐美送信所記念館とは
依佐美送信所は昭和4年に建設された、当時としては世界最大級の無線送信
設備で、長波によるヨーロッパへの送信を日本で初めておこないました。
第2次世界大戦後アメリカ軍による接収、平成6年に日本へ返還され、役目を
終えた送信所は平成18年に解体されました。
この送信所の産業遺産としての価値を評価し、長波用送信装置および関係資料
を保存し後世に伝えていくことを目的に建設されたものです。
2007年に「日本機械学会」から「機械遺産」として認定され、さらに2008年
に「経済産業省」から「近代化産業遺産」として登録されています。
また2009年に「IEEE マイリストーン:米国電気電子学会)から「電気電子歴史的偉業」
として認定されました。
(依佐見送信所記念館パンフから引用、編集)
依佐美送信所記念館ガイドボランティアの会
上記「記念館」のガイドをご希望の方は個人、団体を問わず下記からご連絡ください。
「依佐美送信所記念館ガイドボランティアの会」
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本鉄塔は、地上高250メートル、一辺が3mの三角柱で出来ており重量
は250t。
形状は「底部絶縁球状承軸式」とよばれ、鉛筆の芯を下にしたようもので、
底部では碍子で荷重を受けていた。
よって支線を含め碍子により、すべてアースと浮いた構造になっている。
鉄塔建設後68年間地震や台風に晒されながら無事故(解体工事を除く)
であった理由の一つに鉄塔メンテナンス技術者の技術力と、たゆまぬ努力
があったからでした。
例えば鉄塔は地面に対して、垂直でなければなりません。
「地面」と高さ250メートルの「一辺が3mの三角辺頂上」それぞれ誤差が
10p以内になるように、常にメンテナンスされていました。
メンテナンスは「ステー線(鉄塔支線)」の張りを調整し、老朽化していれば
取り替えていました。
その技術力の高さは、下部にある「モノクロ写真」を参照して頂ければ実感
できでしょう。
使用されたステー線(鉄塔支線)は「記念館」に展示しています。 |
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鉄塔を上からみたところ、横平行に何本か(16本)あるのは
「超長波用逆L型アンテナ」のアンテナ線。 |
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タワー周辺のジオラマ、赤と白色に塗られた鉄塔は夜になると
航空障害灯が点滅して、恰好の目標物でした。 |
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タワーを見上げたところ
真ん中に道路があった、この下を車を走らせてAM(中波)カーラジオを聞く
と低い「うなり音」が聞こえた、インターフェアの一種だったでしょう。
対欧向け超長波送信所(送信周波数:17、442Khz)がこの地に選ばれた
おもな理由は
(1)大電力が比較的得やすい。
(2)欧州方面に大きな障害物がない。
といわれています。
おもな送信相手局は、ワルシャワ、ベルリン、パリ、ロンドン、ローマ、
ジュネーブ でした。
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記念館前に高さ「250m」の1/10、すなわち25mにカットされタワー基部
のみ展示されている、やっぱり一本は残して欲しかった。
本物を見ていない人には、基部だけでは本物の迫力は伝わらないで
しょう。
左側の赤いものは、鉄塔頂上部のみカットされもので、基部の隣に展示
しています。
上写真は基部詳細、鉄塔は地面と碍子により絶縁されている、白の筒状
が碍子、同碍子は記念館に展示しています。
以下モノクロ写真は古い写真を探しました、撮影年月は不明です
上記写真よりもタワー全体の雰囲気がよく分かると思います。
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4本の無線鉄塔が撮影されていますが、近くから見ると基部の細さは驚異
です、その迫力に驚かされました。
当時ワイドレンズを持っていなかったため、標準レンズで撮影しましたが、
4本の鉄塔を入れるのに苦労した記憶があります。
結局手前の鉄塔は頂上まで写っていません。 |
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上写真のようなステー基部は何か所もありました、このステーで250メートルの
鉄塔のバランスを取れるという驚異的な技術です。 |
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ステー取付け部詳細です、大きなボルト、ナットで締め付けてあります
この写真はコントラストを調整して分りやすくしました。
また何か所にも「危険防止」表示がありました。 |
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ステー基部と無線鉄塔基部、下から見上げると、こんな雰囲気でした。
この巨大無線鉄塔が工事中とはいえ、倒壊するとは夢にも思っていません
でした。
近代技術を駆使した解体工事でも事故が起こったのですね、詳細は
まつわる話題を参照してください。 |
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