再開いたしました、スラりんです。
時間ができたので書かせていただきました。
それにしても他の作者さんは文章の構成が上手でうらやましいです。
休憩中などに小説を手に書き方を勉強しています・・・。
それではどうぞ!
vivid4話
「・・・・・・よし。今日はこんなところか。」
最後の氣の練習も終えた隼人はクールダウンを始める。
時刻は午後の8時ほど。
隼人の夕食は早いのでそれにつれて訓練も自然と早く終わる。
《毎日早めの同じ時間に少しきついぐらいの訓練を》が隼人のモットーである。
時間がバラバラだと成長速度が遅くなるし、体に負担をかけすぎずにそれでも成長が望める限界までは訓練した方がいいからだ。
早めという所に関しては気にしないでほしい。
そんな感じで練習を終わろうとした彼は多大な魔力を視界の端に視認した。
「あれは!?」
察知では無く『視た』、膨大な魔力の持ち主を。
これも彼の特技のうちの一つである。
特技というよりも特異体質、レアスキルと言った方がいいかもしれない
彼はある日突然、他人の魔力や術式を『視る』ことができるようになってしまった。
もちろん親しい人以外には秘密にしてきたが。
そんなことを軽々しく言おうものならばどこの実験動物にされるか分かったものではない。
隼人の視線の先には金色の髪をした女性と茶髪の女性が並んで歩いていた。
「どちらからも膨大な魔力を感じる・・・・って、あれヴィヴィオか?全然身長とか違うけど・・・・・。」
隼人は金色の髪の女性から昼間出会った後輩から全く同じ魔力を感じた。
そして彼女の魔力光は虹色だった。今目の先にいる子の魔力光も虹色。
虹色の魔力光は珍しい、というか隼人は初めて見た魔力光なので間違えることもないと彼は思った。
「・・・ということは、変身魔法かなんかの類か?」
彼がそんな風に呟いていると視線の先の茶髪の女性と目が合った。
続いて金色の髪の子の方・・・・びっくりしている。
「やっぱりか・・・・。」
隼人は溜息をついた。
反応の仕方で大体分かる。
すると、十中八九ヴィヴィオだと思われる女性が近づいてくる。
「隼人さん!!隼人さんもここでトレーニングしてたんですか?良かったらこの後一緒にトレ―ニングを―――」
ヴィヴィオ(?)が話しかけてくる。
自分の名前を知っているからもう確定事項だが、『視る事』を知られてはまずい。
そう思った隼人はとぼけることにした。
「え?初めまして・・・・・ですよね?」
隼人がそう答えると彼女は数回瞬きした後、自分の姿を見直すこと数秒後・・・
慌てて変身魔法を解いた。
「―――え?・・・あ!!すいません!これはさっき使っちゃてて忘れてました。」
「あぁ!!ヴィヴィオだったのか!(・・・やはり変身魔法か。けど変身魔法、しかも大人になる術式なんて初等科四年のレベルじゃないな。)」
「どうしたの、ヴィヴィオ?急に走り出して・・・、この子は知り合い?」
隼人とヴィヴィオがそんなやり取りをしていると茶髪の女性の方が二人に近づいて話しかけてきた。
隼人が知る限りはこの女性に会ったことはない。
「あなたは・・・・?」
「隼人さんは初めましてですね。紹介します、こちら高町なのはさん。わたしのママです。」
「君が隼人君だったんだね~。ヴィヴィオから色々聞いてるよ、よろしくね。」
茶髪の女性、なのはは人懐っこい笑みを浮かべて挨拶してきた。
もちろん、隼人もそれに返す。
「黒羽隼人です。初めまして、・・・ところで今日初めて会ったのに話すことなんてあったんですか?(というよりもヴィヴィオのお母さんってなのはさんだったのか!?・・・・・・まぁ、それは今度聞こう。)」
ヴィヴィオの母親が長年、自分が入りたがっていた管理局のエースだった事に驚愕した隼人だったが、それについてはまあ別の機会に聞くことにした。
そして、なぜ会ったばかりのはずのヴィヴィオが自分の話をしているのかが気になったので隼人は聞いてみることにした。
「えっ!?ヴィヴィオからは「わ――――――っ、駄目――――――!!」どうしたのヴィヴィオ!?」
「気にしないでママ!!隼人さんも!!」
「あ、あぁ分かった。」
しかし、質問は突如ヴィヴィオの乱入によって妨げられた。
ヴィヴィオの剣幕に押され、引き下がった隼人は別の質問をすることにした。
「ところで、ヴィヴィオ。俺になんか言おうとしていたけど。」
「あ、そうだ!!私この後、魔法の練習するんですけど隼人さんも一緒にどうですか?」
「あ・・・俺もう終わる所だったからちょっと無理なんだ。・・・ごめんね。」
どうやらヴィヴィオもここに魔法の練習に来たみたいだ。
なのははその付き合いできたらしい。
しかし隼人の練習はもう終わっているので隼人はその誘いをやんわりと断った。
するとヴィヴィオはやっぱり残念そうな顔をしたが、すぐに何か思いついたのか別の事を言った。
「そうですかぁ。(なんか都合合わないなぁ・・・。そうだ!!)
・・・あ!明日、私知り合いと第四区公民館でストライクアーツの練習するんです!隼人さんも一緒にどうですか?」
「えっ!?それってヴィヴィオの知り合いばっかりでやるんだろ?いいのか、俺がお邪魔しちゃっても?」
「大丈夫です!!皆、優しい人たちばっかりですから!それに皆さんすっごく強いんですよ!」
ヴィヴィオの提案は明日、知人とストライクアーツの練習をやるので一緒にどうかというものだった。
正直、いきなり部外者が行っていいものかと心苦しい所だったが、別に行ってもいいみたいで何より新しい対戦相手ができるので隼人にとっては嬉しい誘いだった。
あまり断るのはかえって失礼になる。
そう判断した隼人はその誘いを受けることにした。
「そうか・・・・?なら・・・行かせてもらおうかな?」
隼人がそう言うとヴィヴィオは嬉しそうに時刻や持ち物などを説明し始めた。
隼人はさっきの今で対戦相手ができるという願いがかなえられたことに内心苦笑気味であった。
遊ぶ約束をする友達同士のような姿。
なのははそんな様子を嬉しそうに見つめていた。
こうして黒羽隼人と高町親子の邂逅は過ぎていった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ヴィヴィオ、彼あの時の事覚えてないみたいだったけどよかったの?」
「うん、今はまだ言いんだ。多分、何か理由があるんだと思う。それに、これから言える時が来ると思うから、その時ちゃんと『ありがとう。』って言うつもり。」
彼、黒羽隼人と別れた高町親子は魔法の練習をしながら話していた。
「そう。ヴィヴィオが決めた事なら私は何も言わないの。」
なのはは自分の娘がよく話してくれた少年、隼人がヴィヴィオのことを忘れていたのに少し心配しつつ、ヴィヴィオがそこまで落ち込んでるわけでもなかったので安心した。
そして少しからかいたい気分になった。
「ところでヴィヴィオ~。」
「何~~~?」
なのはは明日の為にも魔法の練習をしている娘に向かっていった。
「ヴィヴィオって隼人君の事どう思ってるの~?」
直後、バランスを崩して転ぶ音が広場に響いた。
「だ、大丈夫ヴィヴィオ?」
「な、何言ってるのなのはママ/////!!隼人さんはそうゆうのじゃ・・・。」
「へ?私はヴィヴィオから隼人君についてあの時のことしか聞いてないからそれ以外のことを聞こうと思っただけだけど・・・、どうしたの?」
なのはが頭に?マークを浮かべているのを見てようやくヴィヴィオは理解した。
母はただ純粋に聞いただけでたまたま、ああいう聞き方になっただけだという事に。
「さすが・・・、ユーノさんの気持ちに気付かなかっただけある・・・。」
「へ?ユーノ君はお友達だよ?」
自分に好意を抱いている相手を本気で友達で済ませる天然?っぷりにヴィヴィオは溜息をつきながら答えた。
「はぁ・・・隼人さんは優しい人だよ。学校の先輩。」
「ふぅん、分かった。『ピリリ、ピリリ』ん、ちょっとごめんね。」
なのはが納得したところで彼女の携帯端末機がなり、彼女は練習場を出て話しにいった。
その後ろ姿を見送ってからヴィヴィオは練習を再開した。
「――――隼人さんは優しい人で私の恩人。それ以外の感情はないよ。」
そう呟きながら練習をしたが、結局なのはが戻ってきて練習が終わりきるまでの間、どうにも集中ができなかった。
感想を送ってくださっている方々、ありがとうございます。
連載を続けていく中でとても支えとなっております!
他の方々も誤字脱字の指摘なども一緒によろしくお願いいたします。
それでは!
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