悠香(福岡県)の「茶のしずく石鹸(せっけん)」の旧商品に含まれる小麦由来成分によるアレルギー発症問題で、厚生労働省が2010年9〜10月に被害に関する「研究報告」があれば届けるよう同社に求めたのに、届け出たのは11年3月だったことがわかった。
この問題については、10年7月に島根大医学部皮膚科が論文をまとめている。届け出が早ければ被害を減らせた可能性もある。厚労省は30日以内の届け出を義務づけた薬事法に基づく制度に悠香が違反していないか、調査を始めた。
厚労省は、医療機関から11人の症例が報告されたことを受け、10年9月29日に悠香と面会。その際に届け出を口頭で求め、10月15日には文書で改めて通知した。厚労省はこの時点で、悠香と島根大皮膚科とのやり取りは把握していなかったという。