いつ、どこで見られるの?
今回の日食では、九州南部・四国の大部分・紀伊半島から本州の関東付近にかけての地域などを通る「中心食帯」と呼ばれる帯状の地域の中で、金環日食を見ることができます。また、それ以外の地域では、日本全国で部分日食を見ることができます。
中心食帯の中では、太陽の前面を月が通過するために、食が最大になる前後には、太陽がドーナツ状になる様子を観察することができます。中心食帯の中心に近いほど月は太陽の真ん中を通り、中心食帯の端の地域ほど、月は太陽の真ん中から外れたところを通ることになります。
東京・静岡・京都・高知・鹿児島などは、この中心食帯の中にあります。
また、中心食帯の外側にある地域では部分日食が観察されます。中心食帯に近い場所で観察するほど大きく欠けます。
日食の欠ける深さを「食分」という数値で表します。食分0.1とは、太陽の直径の10%まで太陽面上に月が入り込み、太陽が欠けることを意味しています。今回の日食では、中心食帯の外にある仙台での食分は最大で0.929、那覇で0.901、中心食帯からやや離れている札幌でも食分0.840まで欠けます。
主な地点における、日食が始まる時刻・最大になる時刻・終わる時刻は以下の表をご覧ください。
地名 | 食の始め | 食の最大 | 最大食分 | 食の終り |
---|---|---|---|---|
札幌 | 6時33分07秒 | 7時49分49秒 | 0.840 | 9時17分35秒 |
仙台 | 6時23分46秒 | 7時40分16秒 | 0.929 | 9時09分08秒 |
福岡 | 6時15分51秒 | 7時25分26秒 | 0.913 | 8時45分43秒 |
那覇 | 6時06分21秒 | 7時13分00秒 | 0.901 | 8時29分58秒 |
地名 | 食の始め | 金環日食の始め | 食の最大の時刻 | 最大食分 | 金環日食の終り | 食の終り |
---|---|---|---|---|---|---|
東京 | 6時19分02秒 | 7時31分59秒 | 7時34分30秒 | 0.969 | 7時37分00秒 | 9時02分37秒 |
静岡 | 6時17分43秒 | 7時29分44秒 | 7時32分13秒 | 0.969 | 7時34分42秒 | 8時59分10秒 |
京都 | 6時17分41秒 | 7時30分00秒 | 7時30分35秒 | 0.940 | 7時31分09秒 | 8時55分17秒 |
高知 | 6時15分24秒 | 7時25分11秒 | 7時26分46秒 | 0.946 | 7時28分21秒 | 8時49分35秒 |
鹿児島 | 6時12分49秒 | 7時20分05秒 | 7時22分11秒 | 0.954 | 7時24分17秒 | 8時42分26秒 |
このほかの地点での詳しい状況については、以下の情報もご利用ください。
中心食帯について
金環日食や部分日食が見られる地域について、上の日食図にまとめました。図中の「中心食帯」と書かれた細い帯の内側の地域で、今回の金環日食が観察できます。また、中心食帯の外側の、広く線で囲まれた地域では部分日食を観察することができます。
海外も含めると、中心食帯は中国南東部の海岸から始まって台湾の北端をかすめ、日本から太平洋北部を通ってアメリカ西海岸に到達し、アメリカ南部中央に入り込んで終わります。
中心食帯の詳しい位置につきましては、「日食各地予報」(暦計算室)で「2012/05/21金環日食」を指定し、「中心食帯を調べる」を指定することで見ることができます。ぜひご利用ください。
- 日食各地予報 (「2012/05/21金環日食」を指定し、「中心食帯を調べる」を指定することで調べることができます)