昨年1年間に震度5弱以上の揺れを記録した地震は68回で、気象庁が統計を取り始めた1926年以降(96年以前は5弱と5強の区別なし)で最多だったことが分かった。過去の年平均は約4回で、17年分の強い地震が日本列島を襲ったことになる。東日本大震災を機に地震活動が活発な状態になったことが原因で、震度1以上の有感地震も計9723回と観測史上3番目の多さだった。
気象庁の集計(速報値)によると、昨年発生した地震は震度7の東日本大震災のほか、▽震度6強=4回▽震度6弱=4回▽震度5強=17回▽震度5弱=42回。これらの地震のうち、東日本大震災以前に発生したのは、3月9日に発生した震災の「前震」とされる地震(震度5弱)だけだった。過去、震度5弱以上が最多だったのは00年の45回で、記録を大幅に更新した。
このほか、震度4が248回に上るなど、有感地震全体の回数も10年(1313回)より大きく増加。現在は地震観測点が大幅に増えているため単純には比較できないが、松代群発地震が特に活発だった66年(5万2957回)と三宅島が噴火した00年(1万7676回)に次ぐ3番目だった。
気象庁によると、東日本大震災の、マグニチュード(M)5以上の余震は579回(3日現在)で、過去最多だった94年の北海道東方沖地震(293回)の約2倍に達している。気象庁地震津波監視課は「東日本大震災は余震域が広く、余震域の外で起きる誘発地震も多い。大震災の直接的、間接的影響で、東日本を中心に地震活動が活発だった」と分析している。【池田知広】
毎日新聞 2012年1月4日 15時00分