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政治
「女系天皇」への“入り口”…懸念ぬぐえず
2012.1.6 01:30
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政府が皇室典範改正に関し、「女性宮家」創設に絞ったのは、男系による皇位継承という大原則をひとまず尊重したかにみえる。ただ、女性宮家の創設は将来的に「女系皇族」を生みかねず、皇室伝統の大転換となる「女系天皇」実現への思わぬ入り口となる懸念は払拭できない。
男系継承は神話時代から現在の第125代の天皇陛下に至るまで脈々と続いてきた。歴史上、女性天皇は10代8人がいたが、いずれも男系女子だった。小泉純一郎元首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が平成17年に出した「皇位継承順位は男女を問わず天皇直系の第一子とする」との答申は、この伝統を断絶させる内容だったため激しい批判を浴びた。
政府はこうした経緯を踏まえ、皇位継承資格や順位の議論に踏み込まないことにしたようだ。女性宮家は一代限りとし、公務分担のため、その配偶者も皇族とする案が有力だという。
だが、十分考え抜かれた案であるか疑問が残る。
女性宮家とその配偶者を皇族と定めた場合、子供だけ民間人とするのは不自然だとの議論が起きはしないか。そこで「その子供も皇族とする」とすれば、男子であれ女子であれ、皇室伝統とは異なる女系皇族が誕生することになる。
仮に一代限りではなく世襲と決まれば、女系宮家が誕生する。皇位継承順位は複雑化し、女系宮家から皇位継承者が現れれば、有史以来初の女系天皇となる。
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