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◎最近話題のイスラム金融

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最近話題のイスラム金融を解説します。

いまだ試行錯誤の段階

歴史は浅い

イスラム金融は1970年代から始まったとされており現在の形が完成形ということは全くありません。

シャリーアとかコーランって何

コーランはイスラム教徒の教典です。
イスラムの経済価値の根本には、『この世は神が作った世界であるから、世界のすべて(人もモノも金銭も)の所有権は神にある』というムスリムの思想があり、 「アッラーの御心にかなう経済」を目指しています。

また、知識人などからなるシャリーア評議会を持ち、評議会の勧告に従って金融活動を行います。
彼らの判断で、金利や、豚肉に関する企業などははじかれることになります。

最大の特徴 金利をいかに回避するか

不労所得である金利はシャリーアに反するから禁止

イスラムでは、利子(リバーと呼ばれる)を取って金銭を貸すことを禁止するというコーランの言葉があり、 シャリーアにおいて利子の取得が禁止されています。

しかし、イスラム金融自体は利潤追求とは矛盾するものでは決してなく、むしろ利潤追求は推奨されています。 つまり、いかに”金利”という概念以外をもちいて利益を追求するかがポイントとなってくるのです。

とどまらない成長力

すすむイスラム回帰

2001年の米国同時多発テロ事件後、湾岸諸国が資産凍結を恐れてアラブ域内に投資するようになりました。
また投資家以外でも、反米、反欧米意識が高まり、社会的にイスラム回帰とも言える傾向がアラブ社会であらわになってきました。

新たなスキームが続々と出現

2000年代に入ってさまざまな金利概念を回避する金融商品やスキームが開発されました。
これにより、従来型よりもさらに有利な条件で資産運用が可能となり、ますます需要が高まりました。

拡大するオイルマネー

中東の産油国の経済が、急速に拡大するオイルマネーとともに急拡大し、アラブ域内の企業の 資金調達規模もはるかに拡大することとなりました。

様々な金融スキーム

ムラーバハ

イスラム銀行などの資金提供者が売り手と買い手の間に入り、売買差益を得ます。
購入者が、原価と代金の差額を了解し、差額を転売者の売却益として納得した上で契約が結ばれることを前提とします。

このときの差益を「手数料」として捉えることで金利概念を否定しています。全体の取引の6割以上を占めるといわれています。

ムダーラバ

出資者が事業者に資本を全額出資します。
このとき、経営責任は全面的に事業家が負い、得た利益を契約時にあらかじめ決めてあった比率(通常は1:1)で、出資者・事業家間で配分します。

損失が出たら、当然のこととして元本割れとなり、出資者の損失となります。預金相当額は(名目上、債券以外の)投資信託の購入であり、利息相当額は収益分配金と似ています。

ムスリムにとってのイスラム金融

本当に無利子の銀行にムスリムは財産を預けるのか

実際中東には有利子銀行も多く存在し、ムスリムであってもどちらのタイプに預金するかは選べます。
しかし実際には、無利子銀行に預金するムスリムは多いです。

とはいっても、無利子銀行でもムダーラバなどでの”配当”と言う形で資産を増やしている者が完全な無利子である口座に預けるものより多いのが実情である。

ムスリムといえど、実生活者としてイスラムの慣行に反しない範囲の配当は望まれているようです。
実際に、完全な無利子である銀行もかつては存在したが、市民からの預金が中々集まらず経営が成り立ちませんでした。

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