◎パレスチナ問題とはなんぞ
◎自爆テロの正体
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イスラム原理主義とは
本来は平和なもの
本来はイスラム的な政治や社会のあり方を目指す"イスラム主義"なるものの諸運動をさすものです。
ここでいうイスラム的、とは教典のコーランを厳密に社会に適応し、ムハンマド時代のイスラムを復興するという壮大な考えです。
一部が過激な方向に
一見、なんかよくいえば壮大、悪く言うと硬直的で控えめに言うと何おっしゃってるの?というところですが、特に二度にわたる世界大戦後に自由主義や共産主義、国民主義などの西欧近代思想を受容しつつも、 西欧諸国の植民地となり、社会的な不公平を強いられてきたイスラム社会に生まれた、必然的な思想であったことは間違いありません。 そう考えると、植民地政策を進めた歴史をもつ日本も他人事とは言えません。
アルカイダを例に
イスラム原理主義=テロだと思わせたのは狙い通りか誤算か
アルカーイダというのは反米、反ユダヤを掲げたかのウサマ・ビンラデ ィンをトップにした国際テロ集団です。前述のイスラム原理主義を極めて偏った思想で受け止め、異教徒を排除したかつてのイスラム国家を現代に蘇らせることが表向きの思想です。彼らがテロを起こす度に彼らが目指すはずの"イスラム"のイメージが大幅に低下したことは紛れもない事実だといえます。
アメリカが生みだしたようなもの
また有名な事実ですが、アルカ ーイダはもともとは米国がソ連に対抗させるためにイスラム義勇兵を武装化させたことで誕生しました。その過程で米国は多額の資金を援助しました。当初はソ連に対抗すべくアフガン内戦などで暗躍しました。ところが、湾岸戦争の時にイスラム教の聖地に米軍が駐在したことで徐々 に反米意識を強めていったのでした。
その後も特に、1995年以降はあまりのあばれっぷりに国を追われ厄介者となり、アフガニスタンのタリバン政権の庇護に入ります。そして2001年に9・11事件を起こしその後もアフガニスタン戦争やイラク戦争で必死の抵抗を続け日本人拉致殺害事件も起こしました。
自爆テロが若者を魅了する理由
現状
なぜこんな唐突な考えが蔓延し、また少なくない住民から指示を受ける のか。彼らがアッラー万歳すぎるからでしょうか。
今の貧困生活でぎりぎりの生活を送り、そこから逃げ道がない状態で、さらに家族がイスラエル兵や米兵に殺されたり、けがをした日には反米、反イスラエルになるなというほうがおかしい気がします。
実際に逮捕されたアルカーイダのメンバーやパレスチナのイスラム過激派の多くが貧しい村出身で他に仕事がない若者や、他国で差別されてきた若者でした。
意見を通すために暴力に訴えるのは最悪ですが、このような状況でテロを起こす原因、まして思想は全く暴力的でないイスラム原理主義のなんたるかを知らない人が多いという状況はもやっとします
一応、イスラム教の指導者はテロはイスラム教の教えに反する、と明確な声明を出しています。
自爆テロ犯は多くが、ジハードの処女幻想を信じているといわれます。仮に信じていなかろうと、テロ組織に反米、反イスラエルの思想の洗脳とは言いませんが、テロ組織にこれはアッラーのためのジハードだと 信じ込まされている場合、もしくはもとからの本人の思想を手厚く保護する場合がほとんどです。
自爆テロで死んだ息子は凶悪犯か英雄か
今でもパレスチナ自治区やアフガニスタンなどでは、自爆テロで殉教した若者が死の直前に撮った映像が売られています。 彼らはジハードで死んだ殉教者で国外でどんなに非難されようとも"英雄"とされます。
仮に息子でなくても、今の中東の状況がこんなにも不公平で貧しい一方で世界的に親イスラエル、親米の空気の中、あえてそれに向かって散っていった同郷の若者が自然と"英雄"視されるのは当然で、彼らの中には、日本の特攻隊を尊敬している人たちもいます。
特攻隊で死んだ者が家族や国によって英雄と祭られるのと同じです。もちろん自爆テロに巻き込まれて亡くなった方やその家族の方の無念さは推し量るにはあまりあります。
彼らが一番悲惨で最もかわいそうな被害者であることは間違いありません。
その一方でジハードの大義を信じ自爆していった彼らが今の中東問題の犠牲者ではないと言うのには躊躇します。
パラダイス・ナウの監督の言葉
パレスチナの若者は占領下に生まれ、毎日のようにイスラエルの軍隊に 侮辱を与えられます。希望もなく、自分達にできることは何もない、そ んな無気力な若者が自爆攻撃をするのです。
自分は臆病で、無力だと感 じている若者に、唯一できることが自爆攻撃だと思い込んでいるのです。
自分が死ぬことで敵を倒し、英雄になれる、そこで初めて生きている 実感がもてるのでしょう。