「食べログの点数を上げる裏技のご提案です。食べログからは非公認のサービスとなります」

　東京都内の店舗を訪れたＩＴ関連企業の営業マンを名乗る背広姿の若い男性は、店主にこう切り出した。

　店舗側の意向を反映した好意的なやらせ「口コミ」を毎月５件ずつ投稿するという。報酬は月間約１０万円。男性は「依頼を受けた店舗の点数を確実に上げる」と強調した。

　社会人や学生など幅広い世代の飲食店選びに欠かせない存在となっている食べログ。川崎市の会社員女性（２５）は「友人と食事に行くときには必ずチェックする。口コミの盛んな店は候補に入れるが、少ない店は選ばない」という。

　口コミによるサイト内の評価が客足に如実に影響するだけにやらせ業者にランキングの操作を依頼する店舗が後を絶たない。

　「もんじゃ焼き」で人気を集める東京都中央区の月島の商店街も、ランキング操作による混乱に巻き込まれた「被害者」。

　月島もんじゃ振興会協同組合の高津利広（たかつ・としひろ）理事（４２）は「残念ながら複数の店舗がやらせ業者に依頼していたことが判明した」と話す。月島では昨年秋からやらせを依頼した店舗に客が殺到していることを問題視。「観光地だけに食べログを見てくる客が多いため影響も大きい。組合ではやらせ業者排除の取り組みを進めている」と説明する。

　運営会社も定期的にランキングを作成する際の基準を見直しているほか、やらせ業者の不自然な口コミを特定して削除するなどの対策に乗り出している。ただ、完全に防止するのは難しくやらせ業者との いたちごっこが続いている。

　（共同通信）

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