オウム真理教の元幹部で、公証役場の事務長の監禁致死事件で逮捕された平田信容疑者が、警視庁本部を訪れて出頭の意思を伝えたにもかかわらず、警備をしていた機動隊員が取り合わなかったことについて、警察庁の片桐長官は「対応は適切でなかったと言わざるをえない」と述べ、警察職員への指導を徹底していく考えを示しました。
オウム真理教の元幹部の平田容疑者は、去年の大みそかの夜、東京の丸の内警察署に出頭するおよそ15分前に警視庁の本部を訪れ、警備をしていた機動隊員に「出頭してきました。特別手配の平田信です」などと申し出ていましたが、隊員は悪質ないたずらと判断して取り合っていませんでした。これについて片桐長官は、会見で「いたずらと判断し、近くの警察署や交番に行くよう指示をしたことは事実であり、対応として適切でなかったと言わざるをえない」としたうえで「今後こういったことのないよう、緊張感を持って職務に当たるよう、指導を徹底してまいりたい」と述べました。また、今後の捜査について片桐長官は「事件の全容解明とともに、17年間の逃走の実態の解明にも努めたい」と述べるとともに、特別手配中の高橋克也容疑者(53)と菊地直子容疑者(40)の検挙に全力を挙げる考えを示しました。