危険はらむECBの長期流動性供給オペ、日米欧とも薄商いの株高
[東京 21日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)が21日に実施する期間3年の長期流動性供給オペ(LTRO)はマーケットに一定の安心感をもたらしているが、危険もはらんでいる。手元の流動性増加に安どした銀行が国債購入を拡大すれば、国債価格が下落したときのリスクもそれだけ増えるためだ。
リスク回避ムードが後退し、世界的に株高となっているが、商いは薄く盛り上がりには乏しい。ユーロもアジア時間に入りもみあいの展開だ。
<国債積み増せばそれだけリスクも増加>
ECBは銀行の流動性支援を目的に12月の理事会で期間3年のオペ導入を決定。その第1回目が21日に実施される。無制限・低利の融資であり、市場での資金調達が困難になっているイタリアの銀行などが応札に殺到するとみられている。ロイターが短期金融市場関係者に対し実施した調査では、供給額の予想中央値は2500億ユーロ(約25兆円)となっているが、市場では5500億ユーロにのぼるとの予想もある。
手元流動性が増加した銀行は国債を積み増すのではないか──。そうした「期待」が欧州国債の利回りを引き下げた。スペイン財務省が20日に実施した3カ月物および6カ月物の国債入札は、平均利回りが大幅に低下。アナリストは、銀行はECBがきょう実施する3年物資金供給オペでの調達資金による購入を予定している、と指摘している。
金融機関の不良債権処理が深刻化していた2001年に日銀は量的緩和政策を導入。その後、総合デフレ対策などが打ち出されたことで株価はいったん上昇に転じた。ECBがオペで間接的ながらも国債の購入に踏み切ることで、一段の流動性が供給されるとの思惑が生じやすい。「資産バブルが醸成されれば、先行きの不安心理が和らぐ可能性がある」(国内証券)という。
欧州国債の金利低下に加え11月の米住宅着工件数も堅調であり、リスクオフムードが後退。米ダウ.DJIは337ドル高と急上昇、前場の日経平均.N225も続伸している。「年末ラリー期待も復活してきた」(外資系証券)との声も出てきた。
だが、日米欧とも薄商いでの株高だ。米3市場の20日の出来高は約68億3000万株で、昨年の1日平均84億7000万株を下回った。前場の東証1部売買代金は3284億円と6日連続で減少している。 続く...