官邸の5日間(連載第3回)
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朝日新聞朝刊に連載中の「プロメテウスの罠」の本日(2012年1月5日)掲載分を以下に引用します。
プロメテウスの罠
■官邸の5日間:3
「武器が足りません」
3月14日の3号機爆発は、2号機の弁を開ける電気回路を壊していた。このため、格納容器の圧力を下げる弁が閉じてしまった。
このままだと圧力が上がり続ける。建物ではなく原子炉そのものが耐えられなくなって、爆発する危険がある。そうなるとチェルノブイリ並みの事故だ。
官邸が2号機の異変に気づいたのは、14日の午後4時ごろだった。
総理執務室横の応接室には、原子炉の状態を示すファクスが次々と届けられていた。東京電力が作成、発信したデータだ。
執務室のファクス機に届くたび、応接室に運ばれた。机にはコピーされたファクスの紙が次第に積み上がっていった。
室内には原子力安全・保安院付の安井正也や原子力安全委員長の班目春樹(63)がいた。経済産業相の海江田万里(62)、官房副長官の福山哲郎(49)、首相補佐官の寺田学(35)もたびたび顔を見せた。
ファクスの中身は時間ごとの原子炉内の水位や圧力だった。2号機の水位は下がっていた。水位の低下は燃料棒を浸す水が少なくなっていることを意味している。
午後4時ごろ、誰かがぼそりと口に出した。
「燃料棒、露出してるんじゃないか?」
その懸念は現実になる。午後6時22分、燃料棒全体が露出した。
原子炉内で「空だき」が始まった。そのままだと燃料棒が溶け落ちて、原子炉に次々と穴が開き、漏れ出してしまう。消防車は燃料切れで注水ができない。給油して、とにかく急いで水を入れないといけない。ところが……。
午後8時を過ぎて今度は、「圧力が高く、原子炉に水が入らない」という報告が届いた。
その報告を、菅直人(65)は執務室で聞いた。携帯電話を取り、福島第一原発の所長、吉田昌郎(まさお)(56)と直接話した。まだやれます、と吉田はいった。
「ただ、武器が足りません。炉内が高圧でも注水できるポンプがあれば……」
吉田のその訴えは、首相補佐官の細野豪志(ごうし)(40)も直接聞いていた。
そのころ、東京電力の社長、清水正孝(まさたか)(67)は携帯電話で海江田に連絡を取ろうとしていた。だが、なかなかつながらない。
何度も何度も清水は電話をかけ続けた。(木村英昭)
(引用終わり)
> 3月14日の3号機爆発は、2号機の弁を開ける電気回路を壊していた。このため、格納容器の圧力を下げる弁が閉じてしまった。
このままだと圧力が上がり続ける。建物ではなく原子炉そのものが耐えられなくなって、爆発する危険がある。そうなるとチェルノブイリ並みの事故だ。
3号機の爆発で2号機のベントができなくなったということですね。
2号機は見た目損傷がそれほどひどくないのですが、2号機爆発で最も多く放射性物質が放出されたということになっています。だとすると、これはとてもおかしい話です。
実は、2号機の爆発15日6時14分の直前の同日6時に4号機の使用済み核燃料プール近辺で爆発があったと、したの表が示しています。
>ファクスの中身は時間ごとの原子炉内の水位や圧力だった。2号機の水位は下がっていた。水位の低下は燃料棒を浸す水が少なくなっていることを意味している。
午後4時ごろ、誰かがぼそりと口に出した。
「燃料棒、露出してるんじゃないか?」
その懸念は現実になる。午後6時22分、燃料棒全体が露出した。
2号機の爆発前日の14日の午後6時22分には燃料棒全体が露出したということですが、
>午後8時を過ぎて今度は、「圧力が高く、原子炉に水が入らない」という報告が届いた。 圧力が高すぎて、原子炉に水が入らない、終わってます。
2号機がメルトダウンしたのは、間違いないと思いますが、大量に放射性物質をまき散らかしたのは2号機だけなのか?
実は4号機がらみでのピークが結構ありそうなんですが、事象とピークがわかりずらいのです。
もちろん、事象→ピークとならなければならないのですが,火事を発見したとか言うのは、発見が遅くて、ピーク→事象となっている可能性があります。
Wikipedia:「福島第一原子力発電所事故」より以下に経過表を引用。
14日から16日にかけての複数のピークは、2号機だけでなく4号機も関与している可能性が、上の表より高そうですが、2号機の地下にも多量の汚染水があるのですよ。2号機が無傷なはずがないのです!(圧力抑制プールが破壊されているといわれていましたが、東電は否定しています)
さて、真相はいかに? |
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