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2012年1月 4日 (水)

角界を去った親方、力士は今。

 角界を震かんさせた八百長メール問題で、引退(退職)勧告を受けて今年4月、角界を去っていった力士たちは今、どうしているのでしょうか。

 消息をプッツリ絶ったり、未だに身の振り方が決まっていない元力士も少なくありませんが、角界での生活を生かして第2の人生を歩み始めた人もいます。昨年年7月に加圧トレーニングジムを開業した元谷川親方(元小結・海鵬)の熊谷涼至さん(38)を訪ねました。

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 熊谷さんは、東京・錦糸町に「加圧トレーニングジム Bear」を開業。ジムの代表者としてインストラクターを務めていますが、ジム案内のパンフレットには、どこにも「大相撲」や「元海鵬」など元力士と分かる文字がありません。土俵の記憶を封印したいのかと思いきや、そうではありませんでした。「お客さんのほとんどがダイエット目的の女性。『元力士』じゃイメージ的にちょっとね」と苦笑いしました。

 熊谷さんは4月5日、日本相撲協会外部理事からなる特別調査委員会に「クロ」と認定されて退職勧告を受けたが、涙の記者会見で「(退職届を)提出すれば認めたことになる」と潔白を主張。提出を拒否して翌日解雇処分となっってしまいました。今も取った態度に後悔はありありません。つらかったのは、支えてくれた奥さんと小学生の子2人に心配をかけたことのようです。

 ジム開業は相撲協会を離れてすぐ思いついたそうです。加圧トレーニングとは、腕や足に専用ベルトをつけて、血流を制限した状態で行うもの。軽めの負担で、筋力アップと回復力向上が図れる加圧トレーニングは、30歳を超えてから自身が稽古に加えて取り入れていたトレーニング方法。カンボジア代表としてロンドン五輪を目指す猫ひろし(34)を指導する元陸上男子百メートル日本代表の伊藤喜剛さんのもとで、奥さんと一緒に講習を受け、6月に指導者免許を取った取りました。7月に開業して現在会員は早くも100人以上。夫婦二人三脚で会員のマンツーマンレッスンに当たる毎日です。

 相撲協会に未練も、恨みもない。しかし、不本意ながら引退を余儀なくされ、いまだに身の振り方が決まらない力士たちのことを思うと胸が痛くなるようです。「中学を出て入門して、相撲しか知らないまま切られてしまったヤツもいる。次の人生のことも考えてやって欲しかった」。

 筋力アップのため、ジムへ通いに来る若手力士たちもいます。「今は彼らが関取になってくれるのが夢。みんな体形が(望み通りに)変わっていくから楽しいですよ」。力士は強く、女性はしなやかな体へと、熊谷さんは新たな「親方業」をまい進していくつもりです。

 軽めの負担で大きな効果が得られる加圧トレーニング。運動不足の私も是非やってみたい気持ちになりました。

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甲斐毅彦

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