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橋下市長:「労組活動、条例で規制」 庁舎内事務所退去も

橋下徹・大阪市長に対し、庁舎内での政治活動について謝罪する市労働組合連合会の中村義男委員長(右)=大阪市役所で2012年1月4日、幾島健太郎撮影
橋下徹・大阪市長に対し、庁舎内での政治活動について謝罪する市労働組合連合会の中村義男委員長(右)=大阪市役所で2012年1月4日、幾島健太郎撮影

 大阪市の橋下徹市長は4日、幹部職員への年頭あいさつで、市役所と職員組合の関係を適正化する条例案と、職員が政治関与しないことを定める条例案を市議会に提案する方針を明らかにした。これに先立ち、最大労組「市労働組合連合会」(市労連、約2万8000人)の中村義男執行委員長と面談し、庁舎内にある組合の事務所について、退去するよう求めた。

 条例案について、橋下市長は記者会見などで「中堅や若手の職員が、組合が人事に介入していると感じている。組合ににらまれると冷遇されるという不安感を抱かせる組織はだめ。市役所と組合の関係をルール化する」と説明。市と組合の交渉を全面公開することを定めるとした。

 更に、大阪府では橋下市長が知事になった08年まで、知事選で府職員に、現職候補のマニフェストを書かせるなど政治活動をさせていたと指摘。「政治と行政を区分けする」として、職員が政治関与しないことを定める市条例案も別途、提案する方針を示した。

 一方、面談では、昨年11月の市長選投開票前、市交通局庁舎内で平松邦夫前市長の推薦人紹介カードが出回っていたことについて、中村委員長が「あってはならないことで、責任を感じている」と深々と頭を下げて謝罪。政治活動をした職員を当面、役員活動停止処分にしたことを伝えた。

 橋下市長は「権力闘争に出てきて、しかるべきリスクを負うのは当然。けじめをつけてもらう」と退去を求め、それまでの間、現行の賃料の減免も認めないとした。中村委員長は非公開での面談を要望したが、橋下市長は「見えないところでは決められない」と一蹴。中村委員長が退室する際に握手を求めても「改めて考えを聞かせてほしい。その時に握手できればいい」と応じなかった。

 市の職員組合は21あり、このうち10が市労連、5が市労働組合総連合(市労組連、約2000人)に加盟。市役所本庁舎(同市北区)地下1階には、市労連、市労組連のほか4組合が事務所を構える。計約750平方メートルの賃料は6割減免されて年間約1440万円。法的根拠はなく、便宜供与として行われてきた。中村委員長は終了後報道陣に「今日は市長の話を伺っただけ。結論は出ていない」と話し、退去については明言を避けた。【津久井達、原田啓之】

毎日新聞 2012年1月4日 12時06分(最終更新 1月4日 13時38分)

 

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