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仙台湾岸の防災林盛り土 宮城県と林野庁
宮城県と林野庁は、東日本大震災で被害を受けた仙台湾岸の海岸防災林の復旧に際し、植林したクロマツの根が深く張るよう部分的に盛り土をする方針を決めた。大津波で根が浅かった木が軒並み倒れ、流された教訓を踏まえる。一部では2012年度に工事を始める。 仙台湾岸には、仙台市宮城野区の七北田川河口から宮城県山元町の福島県境まで約30キロにわたり、クロマツ100万本以上が植えられていた。大半は津波でなぎ倒され、一部は根こそぎ陸側に流された。 東北学院大の宮城豊彦教授らの調査の結果、通常は地中2〜3メートルに達するマツの根が浅かったことが判明。激しい揺れによる液状化や地盤の軟弱化で根元がぐらついたところに津波が押し寄せ、高さ20メートルに及ぶ体を支えきれなかったという。 根の深さは地下水の水位に関係がある。仙台平野の沿岸部はもともと湿地で、地表から0.5メートルに地下水脈がある場所もあり、根が深く伸びなかったとみられる。 林野庁は11〜20年度、国の直轄事業として、仙台湾岸の防災林を復旧させる事業に取り組む。12年度以降、宮城県と協力して地表近くに地下水がある場所を調べ、1〜2メートルほど盛り土する。 宮城県は「根こそぎ倒された一部のマツが住宅にぶつかるケースもあった。根をしっかり張らせ、津波の減衰効果を確実にしたい」と話している。
2012年01月04日水曜日
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