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橋下・大阪市長:「労組活動、条例で規制」 庁舎内事務所退去も要求

 大阪市の橋下徹市長は4日、幹部職員への年頭あいさつで、市役所と職員組合の関係をルール化する条例案を2月市議会に提案する方針を明らかにした。これに先立ち、最大労組「市労働組合連合会」(市労連)の中村義男執行委員長と面談し、庁舎内にある組合の事務所について、退去するよう求めた。退去までの間、現在は6割減額されている賃料の減免を認めないことも伝えた。

 昨年11月の市長選投開票前、市交通局庁舎内で平松邦夫前市長の推薦人紹介カードが出回っていたことが発覚し、橋下市長が問題視。中村委員長は「当然あってはならないことで、責任を感じている」と深々と頭を下げて謝罪し、政治活動をした職員を当面、役員活動停止処分にしたことを伝えた。

 これに対し、橋下市長は「権力闘争に出てきて、しかるべきリスクを負うのは当然。けじめをつけてもらう」と述べ、退去を求めた。その後、中村委員長は非公開での面談を要望したが、橋下市長は「見えないところでは決められない」と一蹴した。中村委員長が退室する際に握手を求めても「改めて考えを聞かせてほしい。そのときに握手できればいい」と応じなかった。

 条例案について、橋下市長は、「中堅や若手の職員が、組合が人事に介入していると感じている。組合ににらまれると冷遇されるという不安感を抱かせる組織はだめ。市役所と組合の関係をルール化する」と説明。市と組合の交渉を全面公開することを定めるとした。

 更に、大阪府では橋下市長が08年に知事になる前までは、知事選で現職を当選させるためにマニフェストを書かせるなど、府職員に政治活動をさせていたと指摘。「政治と行政を区分けする」として、職員に関与しないことを定める市条例案も別途、提案する方針を示した。

 市役所本庁舎(同市北区)地下1階の約750平方メートルには、6組合が事務所を構える。賃料は6割減免されて年間約1440万円だが、組合に事務所を貸すことや賃料を減免することに法的根拠はなく、便宜供与として行われているのが実態だ。中村委員長は終了後報道陣に「今日は市長の話を伺っただけ。結論は出ていない」と話し、退去については明言を避けた。【津久井達、原田啓之】

毎日新聞 2012年1月4日 東京夕刊

 

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