Boiseのプラカードを見ると、"IT`S A CLASS WAR"があり、"REVOLUTION ! ITS TIME"の標語が踊っている。"REVOLUTION !"を掲げた者は、アノニマス(ガイ・フォークス)の仮面をつけていて、やはり小さな田舎町だから、このプラカード姿の顔写真が証拠で残っては不具合なのだろうかと案じさせられる。オキュパイ運動の写真を見ると、過激な表現のプラカードや横断幕を持つ者ほど、アノニマスの仮面やペイズリーのバンダナの覆面で顔を隠しているのに気づく。将来のある若者なのだ。そして、このプロテストは個人の身に大きなリスクを伴うのだ。日本で、人口18万人の地方都市で、「革命」や「階級闘争」の語を掲げたプラカードを持って集会に参加できる豪の者がいるだろうか。さらに北上してカナダと国境を接するモンタナ州。ここは「合衆国のチベット」とも言うべき山奥の僻地で、州都Helenaの人口はわずか2万5千人。合衆国の州都としては異常と思えるほど小さな町だが、ここでもオキュパイは行われていた。MissoulaやLivingstonなど、州内周辺の小さな町々から集まった約125名が、市内の公園で集会し、そこから行進した記事がネットで報告されている。モンタナ州は広大で過疎な土地。LivingstonからHelenaまでの距離は直線で200キロ、PhillyからDCほども遠く離れている。山の中の道路を車で走って、10名か20名がはるばる駆けつけたのだろうか。米国のデモクラシーの底力を思い知らされる。
と同時に、米国の「革命」はネグリにとっての希望なのだ。ネグリは分かっているはずである。米国で革命が起き、金融資本の<帝国>的支配が崩壊したとき、対岸の欧州で何も起きないはずがない。米国の「革命」と欧州の「縮小」「後退」が、同時にパラレルに進行するはずがなく、両者が無関係であるはずがない。米国の「革命」は欧州に飛び火する。その前に、金融資本の支配すなわち新自由主義のレジームは、米国で破綻すると同時に欧州で壊滅するし、順番から言えば、欧州の金融危機が米国のレジーム(IMF・FRB・WST)の瓦解の呼び水となり、そこから「革命」が噴出する可能性を描く方が、革命論としては合理的で説得的な方法だろう。OWSがサイトで言明するとおり、革命は世界革命なのである。"The only solution is World Revolution"なのだ。この点は、まさしくマルクスが予言したとおりであり、そうだと認めるしかない。反論の根拠と論理が見つからない。しかし、それを理解した上で、リアルな認識として、ネグリは欧州の将来に絶望しているのである。無論、ネグリの本音が、米国の「革命」と連動した欧州の「革命」であり、全員参加の「新しい民主主義」を実現して欧州を再生する夢にあることは間違いない。だが、それ以上に、ネグリから見て、欧州の危機は暗黒の方向に向かう可能性が高いのだ。日本の私から見れば、欧州も対岸だから、ネグリほどの悲観論で欧州を論じることはない。北米のラースンが、日本の今後に期待をかけ、米国型を超えるモデルを嘱望した心理と同じである。