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仕事は8割できたら、やめて帰る

日経ウーマンオンライン(日経ウーマン) 2011年12月8日(木)10時38分配信

仕事は8割できたら、やめて帰る
8割でやめて帰れば次の日、やる気が湧く
「チョコレートを食べると仕事の効率が上がる」「仕事は8割できたら、やめて帰る」「2カ月に1回は泣ける映画を見る」……数々のマスコミで活躍中の脳学者・米山公啓さんが、頭をリラックスさせ、仕事効率を倍増させる方法を伝授するこの連載。著書『できる人の脳が冴える30の習慣』から一部を抜粋し、ウーマンオンライン読者へのワンポイントアドバイスも紹介します。

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◆完璧主義をやめる

 なんでも全部やらないと気が済まない。そういう人も多いでしょう。

 でも、大抵、仕事は中途半端で終えなければいけなくなるものです。

 「あと10分待ってくれれば、全部できるから待ってくれ」と言う人も、ほとんどの場合、10分では終わらず、30分でも終わりません。

 これは、時間いっぱいに仕事をしてなんとか全部終わらせようと思っているから、なかなか最後までできないのです。

 また、何か大きな仕事が終わると、急に脱力感に襲われてしまったりするものです。大発見をした研究者も、その後、急にふさぎ込んだりするといいます。

 つまり、何かを達成してしまうと、脳の中の意欲に関係するドーパミンが枯渇して快感がなくなってしまうのです。

 ずっと仕事を続けることが快感であれば、人はいつまでも仕事を続けてしまい、肉体的にダウンしない限り仕事を続けてしまうことになります。

 脳は、それを防いでいるのかもしれません。

 しかし、それは私たちにとっては困ったことです。

 つまり全部やってしまうと意欲がそがれてしまうわけですから、一生懸命に仕事をしてしまうと、翌日の仕事に影響が出てしまうということです。

 だから、無理をして仕事を全部やらないことです。

 仕事を全部終えてしまうと、その仕事に関する記憶は、翌日になると消えている可能性が高いのです。終わってしまった仕事ですから、記憶から消えていてもいいのですが、それでは次の仕事につながらないのです。

 だから、仕事を途中でやめてしまった方が、仕事の記憶が残っていくので、翌日仕事を始めるときに、ずっと楽に再開できるのです。

 全部をやってしまうと達成感はありますが、翌日、ほかのことをゼロからスタートしなければならないので、意欲を出すのに時間がかかってしまいます。仕事を始めてからペースをつかむのに時間がかかる人がいますが、これは意欲を出すために無駄な時間が必要になっているからなのです。

◆8割でやめておけば、次の日、意欲が湧く

 脳にいい仕事の始め方をご紹介しましょう。それは、その前日から始まります。仕事を8割がた終わったところでやめておき、帰ってしまうのです。そして、翌日、朝、その続きに取り組むのです。

 仕事にとりかかるときに、「あと20%をやれば終わる」ということであれば、完成も間近いと思うので、意欲が維持できるはずです。

 毎日、ゼロからのスタートという仕事のやり方は、かえって効率が悪くなってしまいます。

 8割のところで見切る、というのが明日につながるポイントです。

 大切なのは、意識的にやめるということ。一生懸命にやって80ではダメなのです。余裕を持ってやって80でやめておくことです。これによってドーパミンを持続して出すことが可能になるのです。

 さらにもう一つ、脳にいい仕事のやり方は、家に帰ったら仕事を忘れてしまう、ということです。

 家に帰っても仕事を続ける人がいますが、それでは脳が休まる時間がありません。

 せっかく場面を切り替えているのですから、脳も切り替えてリフレッシュしなければいけません。

 家に戻ったら仕事のことはいっさい考えないようにする。これが、脳にとってはもっともストレスのない方法です。オフになったときにまったく違う趣味で楽しむということもいいでしょう。

 まだあれが終わっていないな、などと考えてしまうと、脳にストレスをかけることになり、神経細胞を減らすことになります。

 仕事を8割で切り上げて、家では仕事のことは思い出さない。これが翌日に意欲をつなげていく方法なのです。

【効果】
 仕事は8割終えたら、家に帰りましょう。そうすれば、次の朝、仕事にとりかかるとき、
 「あと20%をやれば終わる」と意欲を維持できるのです。★米山さんからウーマンオンライン読者にワンポイントアドバイス

 仕事に集中していると、どうしても今日中に終えてしまおうと思って、無理をするものですしかし、これは仕事の効率からいうとよくないのです。仕事を終えてしまうと、翌日またゼロから次の仕事を開始することになり、仕事の意欲をゼロから作り出さないといけなくなります。

 あと2割くらいで終わると思ったとき、意識的に仕事を途中でやめるのです。すると翌日までその仕事への意欲が持続するので、翌日仕事を再開したときスムーズに進んで行くのです。なんでもがんばって終わらせていくというやり方は、長い目で見れば仕事の効率や意欲の継続という点ではよくないのです。途中で仕事を切り上げてしまうのは、仕事のできる人ということになります。

今回の記事の内容をもっと読みたい人は…

『できる人の脳が冴える30の習慣』(米山公啓著、1365円/中経出版)

 毎日を忙しく過ごすビジネスパーソンが、日常生活の中のちょっとした工夫や行動で上手に頭をリラックスさせ、仕事効率を倍増させる「冴える脳」の作り方を、テレビやラジオでも活躍中の脳学者・米山公啓が伝授。「甘いものでリフレッシュし、頭を活性化」「大きな目標ではなく、小さな具体的な目標を立てる」「笑いが脳を休ませる」など、30のノウハウを掲載。発売2日で増刷が決まったという、今、話題のビジネス本。

米山公啓
作家、医学博士、神経内科医。1952年山梨県生まれ。聖マリアンナ医科大学医学部卒業。98年に同大学第2内科助教授を退職後、本格的な著作活動を開始。現在も週に3日、東京都あきる野市にある米山医院で診療を続ける一方で年間10冊以上のペースで書籍を執筆。講演会、テレビ・ラジオ出演や番組企画監修などを行っている。主な著書に『脳が若返る30の方法』(中経出版)、『すべてがうまくいく8割行動術』(ソフトバンククリエイティブ)、『脳をダマせばこんなにやせる』(小学館)、『親を長生きさせる31のこと』(泰文堂)


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最終更新:2011年12月8日(木)10時38分

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