「また来年」と言い残して、帰国の途についたストイコビッチ監督=中部国際空港で(伊東朋子撮影)
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名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(46)が30日、中部国際空港から空路、自宅のあるパリに帰国した。帰国を前に、母国・ブラジルの古豪クラブ、ボタフォゴから獲得の打診を受けているDF闘莉王に直接、残留を要請していたことを明かした。
ピクシー監督は満ち足りた表情を浮かべていた。24日の天皇杯準々決勝で横浜MにPK戦の末敗れた後、家族とグアムで休養した。「天気も良く、長いシーズンの後だったのですごくリラックスできた」と、J1で最後まで優勝を争った激闘の疲れを癒やしていた。
シーズン終了後に神戸DF石櫃(いしびつ)、甲府DFダニエルの獲得と、磐田へ移籍するDF千代反田の退団が決まった。「バランスのいい補強になった。ダニエルはいいDFで、石櫃は経験豊富。特にダニエルは千代反田に代わっていい仕事をしてくれると思う」と、早くも来季の新戦力に期待した。
最大の懸案事項は、DF闘莉王が母国ブラジルの古豪クラブ、ボタフォゴから獲得を打診されていること。しかしピクシー監督はV奪回へ絶対不可欠なチームリーダーに対してしっかり先手を打っていた。「彼に電話をする必要はない。もう(ブラジルへ)出発前に私の思いはすべて伝えてある」と自信を見せた。
「彼にとって最良の選択はグランパスに残ること。クレバーな選手だから何がベストか判断できるはずだ」と、来季の“共闘”を願っていた。
来年2月5日のチーム始動に合わせて再来日する。パリへ戻った後は、故郷のセルビアの家族に会いに行き、イタリアやロンドンへの訪問も企画中だという。ピクシー監督は「また来年!」と笑顔を浮かべて機上の人となった。 (伊東朋子)
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