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きょうのコラム「時鐘」 2012年1月4日
宇宙のどこかに地球と同じ星があり、そこには自分とそっくりな人間がいる。子どものころ見た科学漫画にそんな話があった
米航空宇宙局(NASA)が太陽系以外で地球と似た惑星(わくせい)を二つも見つけた。地球から945光年も離れた恒星(こうせい)の周囲を回る星で、大きさも地球と似ていている。そのひとつには水蒸気の大気が存在する可能性もあるともいう。そっくりさんがいるような気がする 宇宙を持ち出すまでもなく、この世には自分とそっくりな人間が3人いるという。ヨーロッパには、深い森の中にひとりで入っていくと、自分とそっくりな人間に出会うという民話がある。自分のプラスとマイナスを冷静にみる大切さを例えた話だろう 自分では気づかない自分の姿がそこにある。会ってみたいが、怖いようなもうひとりの自分との対面だ。だが、年をとると怖(こわ)いことが起きる。街角のビルのガラスに見たことのある「老人」の影が映る。見直すと、まぎれもなく自分だ 数えで年を取る正月のしきたりを知る世代である。年々歳々、ガラスの中の自分に自分が似てくると思うと、もっと怖い。 |