ミカサ「いやぁ、エレン……っ、殺してやる、殺してやるわ!」

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1 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/08/29(月) 19:38:22.97 ID:5hHITQE30
※某所にも投稿してますが、続きはこっちに書こうかなとも思っています。

※リヴァイ×ミカサのNTRです。

※ N T R 嫌 い 、 純 情 な ミ カ サ が 穢 さ れ る の を 見 た く な い 人 は 絶 対 み ち  ゃ だ め で す !

※ミカサたんに不幸属性はいらねーよという方も注意してください
2 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/08/29(月) 19:40:01.99 ID:5hHITQE30
闇夜にきらりと煌めく白刃の鈍重な手触りはあぎと血に染めし豺狼の慣れ親しんだ爪牙のように軽ろやかに巨人に非ず、人間の命と未来を今こそ断ち切る復讐のその刃と化すと知れ。

篝火に照らされたミカサ・アッカーマンの蒼白な顔はその刃のように美しかった。

波紋のないみなものようにつねに平静な内面では憎悪の炎が狂い猛っている。


リヴァイ。


エレンに許されない暴力を加えた男。それだけではない、エレンの生命を犠牲にして自分の栄達を図ろうというのだ。

今夜ウォール・ローゼのこの通りをリヴァイが部下も連れず通るのは知っている。

今ここでしかるべき報いを下す。

「知っているか、リヴァイ兵長はな、巨人化したエレンを自分の捨て駒にして、次の作戦で死地に追い込むつもりだ」

「リヴァイはエレンを捨て駒に、手柄をひっさげ自分が中央で成り上がりたいのさ」

「今夜、この通りをリヴァイの奴が、地下街の変態さんたちつれて、エレンを慰みものにするために通る。そのときを殺れ!」

いた。
フロックコートを着込んだ、身なりのいいメタボ中年数人を引き連れた、リヴァイを確認する。
ミカサの視力は並外れている。遠目に確認すると、遠目に取ったその距離が縮地したかと見まがうばかりに迅雷、突っ込んでいった。
手には今射出した立体起動装置の綱と対巨人用の刃。

一気にリヴァイの首を取る。

だが、リヴァイは咄嗟に反応した。
中年の男を突き飛ばし、身をかわしつつ、ミカサの刃を払う。
ミカサは綱を切って着地した。
初めて目と目が会う。
隙のない、そして鋭い眼光に、なぜか憐憫するような光があった。

「う、うわあ、何だこの女!!」

「軍の制服を着込んでるぞ、駐屯兵か!?」

周りの中年が騒ぐ。地下街の変態か。こいつらにも後でそれなりの報いをあげよう。
ミカサは獲物を見て小さく牙をむくよう笑った。獲物の死を確信したのである。

「お前は、兵法会議で俺を睨んできやがったガキだったな……」

ゆらり、とリヴァイが中年をかばうよう立ちはだかった。

「何のつもりだ、小娘」

リヴァイが静かに、だが厳かに言う。
身のこなしから並みの使い手でないことは一目で分かる。
で、だからどうした?
自分は、強い。
訓練時代も、初の実戦でも、人間であろうと巨人であろうと、刃を手にした自分の前に立ちはだかって肉を殺げなかったものはいない。
この男もすぐに肉を殺いでやる。
あのときエレンが味わった苦痛の百倍の地獄を味わわせて、嬲り殺してやる。
邪魔するなら周りの[ピザ]どももだ。

「口でやめろと言っても大人しくなりそうにねえな」

リヴァイはミカサの形相を見て、刃を構える。と、やおら間合いを詰めた。
風が動いた。
3 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/08/29(月) 19:41:41.87 ID:5hHITQE30
「っ!!」

反応できなかった。

何とか致命傷は避けたが、右腕をかなり切られた。

腕は潰れてはいないが、激しい痛みが動きを制限する。

もうかなりの戦闘力を殺がれた。

続く攻撃を避けるのだけでせいいっぱいになり守勢に立った。

反撃の糸口がない。

十数合で、ミカサの進撃は止まった。

こっちははやすでに汗だくになっているのに、リヴァイの奴は息一つ乱していない。


甘かった。完全に自分の読み違いだ。

なんで?
私はエレンを守るため、何者にも負けないはずじゃなかったの?
エレンのお母さんにそう約束したじゃない?
でも、もうわかってしまっている。
私はこいつには勝てそうにないって……。

悔しさに目が回りそうになる。
そうしてエレンの愛しい顔を胸に想って、一瞬隙が生まれた。
息が詰まった。
リヴァイの膝が鳩尾にめり込んでいた。

「かはぁ……うぐ、げほぉっ!!」

最強のはずのミカサは地に膝を吐いて鳩尾をかかえむせ返っている。その首筋に冷たい刃が押し当てられた。

「残念だなお嬢ちゃん。俺と闘るには、まだまだ早かったようだ」


「そこまでだ!!」

眼鏡の三白眼女が駆けつけてきた。
街角から、今までどこに隠れていたか分からないような人数の兵士が飛び出てくる。

「お怪我はありませんか、大臣!」

「え……?」

ミカサは血を吐きながら、顔を上げた。

「リコさん……だって、あなた……ここにリヴァイが、え、地下街の変態だ、って……」

「このガキ、とち狂いやがってぇ!!」

リコは困惑のミカサを蹴り上げる。

「がはぁ!!」

「この方たちはな、王政府の中央から視察にいらっしゃった大臣さまがただ。リヴァイ兵長が護衛についてたんだよ!!」

馬乗りになってミカサをボコボコに殴りながらリコがわめき散らした。
その顔がだんだんにやけてくる。
大臣たちは恐怖にひきつった顔でミカサを見下ろしてわめき散らした。

「我々の暗殺をもくろむとは……どこの過激派だ」

「この新兵はこの場で処刑しろ。我々が許可する!」

リコは刃を抜いた。
4 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/08/29(月) 19:45:07.14 ID:5hHITQE30
(ハメられた……)

この眼鏡のにやけ顔からすべてが理解できた。
こいつは前の戦いで自分と対立した私をうざったく思ってたんだ。
それでリヴァイへの私の憎悪を利用して罠にはめた。
私バカだ。
私は腕っ節が強いだけのバカ女だ。
エレンへの愛で暴走するだけの、ぷっつん女なんだ。
すぐ周りが見えなくなる。
なんでこうなるまえにアルミンに一言でも相談しなかったんだろう。
アルミンだったらすぐにこの女の奸計を見抜いてくれたはずだ。
エレンだって、きっと悲しむ。
せっかく兵法会議で無事に済んだエレンも助からないかもしれない。
そして……死んでしまったら、二度とエレンの笑顔が見られない。

喉に冷たい金属の塊が押し当てられる。頸動脈を押し切るつもりだ。もうまもなく。


(エレン……っ!!)

「――待ちな」

制止の声に、すべてがはたと凍りつく。ミカサは涙に濡れたまなこをあげた。

「なぜ止める、兵長?」

リコが上目づかいでリヴァイを見据える。リヴァイはいつもの険しい顔で、ミカサを庇うように立ちはだかっている。
そしておくびにもださず、実は何とか事態を打開する策を考えていたのだ。


今の闘り合いでわかった。
このガキ、ハンパじゃない。
あと五年、いやあと三年すれば、地面に膝をついていたのは自分の方だったろう。
これだけの才能、ここで[ピーーー]には惜しい。
できれば、自分の手でこの娘を鍛えてみたい。
一緒に壁外調査に乗り出し、背中を預ける部下にしてみたい。
それにリコの奴、なにやら手回しが良すぎる。
煮ても焼いても食えないこいつのことだ、今回の件、何かたくらんでやがる。
だが、どうする?
大臣暗殺の現行犯を救う手立てなど、いくら自分にも……。
いや、一つだけあった。

――厭だ。

第一趣味じゃない。

ものすごく気が進まないが……やむを得ねえか。


「こういうことだ」

リヴァイは震えながら事態を見守るミカサの頤に手をかけた。その目がぱっと見開かれる。リヴァイはおもむろにミカサを突き放すと、事もなげに述べる。

「つまり、これは痴話喧嘩だ。大臣暗殺なんて大それた話じゃない」

「なっ……」

大臣たちがあきれた声を上げる。それから滔々、ミカサとの痴話話を脚本でもあったかのようにでっちあげるリヴァイの説明に、先ほどまでの空気がすぐしらけていった。

「ち、違う、こんな奴、私はぁ……っ!!」

ようやく放心から立ち直って泣き叫ぶミカサの頭を掴むと、リヴァイは地面に荒々しく叩きつける。

「大臣さんがた、失礼働いて申し訳ないが、このガキは俺からよ〜く躾けておく。勘弁してやってはくれまいか」

「へ、兵長、あなた一体どういうつもりで……」

わめき散らすリコは、リヴァイの鋭い目に射すくめられると、身動きを止めた。

「ガキには躾が必要だとよくわかった。そういうことで、今晩はこのガキを俺の部屋に連れて帰る。タップリ大人の世界の厳しさを教え込んでやるつもりだ」

リヴァイの鋭い眼光に誰も逆らえるものはいなかった。ミカサの脳裏にその言葉が響いて、彼女は泣きじゃくりだした。
5 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/08/29(月) 19:46:36.62 ID:5hHITQE30
リヴァイは、ミカサを自分の兵舎には連れて帰らなかった。
あそこには今入団したばかりのエレン・イェーガーがいる。
エレンはまだ、兵器としてその存在を何とか許されたにすぎない。
恋人(とリヴァイは二人の関係をそう考えている)が今から自分と一夜を共にすると聞いて、平静でいられるとは思えない。
問題を起こされると困る。
かといって、ウォール・ローゼの場末な連れ込み宿かなんかにミカサを引き込むのも気が引けた。
結局、そこそこ高級な旅館に連れ込んだ。
……と書けば大人しくミカサがついてきたようだが、事実は違う。
暴れるのは目に見えていたので、大臣たちに見せつけるためにも、その場で気絶させて、抱きかかえてきた。

「リヴァイ兵長」

あのときリコが三白眼を吊り上げて睨んだ。

「そのガキがあなたのお手付きだって、後日でちゃんと『調査』させて頂きますよ」

ミカサを抱きかかえながら去っていくリヴァイに、リコは執念深く念押ししていた。
仮にも大臣暗殺の重大犯だ。ことを茶番で誤魔化そうとしてもそうはいかない。
事と次第によってはリヴァイにも濡れ衣を着せる算段をリコは立てていた。

「ご存じの通り、王政府の法律で避妊は禁止されていますからね。色々と面白くなりそうですねぇ♪」

(しょうがねえ……)

部屋に入ると溜息一つ、リヴァイはミカサをベッドに放り投げた。

「ん……っ」

うっすら目を開ける。
開けてすぐ乱れた胸元を隠した。
きょろきょと猫のように周りを警戒してリヴァイの存在を目にとめる。
一瞬で顔が憎悪と嫌悪に歪んだ。

「憎むなっていうのが無理だよな。憎みたきゃ俺を憎め」

リヴァイはにこりともせずに言う。

自分を憎めば都合がよいと実際に考えていた。

これから俺はこの女を力で無理やりねじ伏せる。そして服従させる。

そうして自分を憎めば憎むほど、その自分を倒すためにこの娘は修練を積み、強さを増していくだろう。

聞けばこのガキは訓練生主席だという。そして今の闘いで手ごたえをつかんだからこそ分かる。

いずれリヴァイ自身すらも超えた、最強の兵士が誕生する。


ミカサは掴みかかってリヴァイを[ピーーー]勢いで睨んでいるが、先程のダメージで抵抗は無理だと分かっている。
ぴくりとも動けそうにない。
そしてリヴァイが何するかも、もう子供ではないミカサには分かっていた。
だが、ミカサはリヴァイが心中でそんなことを目論んでいるなどと夢にも思わない。
自分をかばったとも思っていない。
単に、面白半分に自分の体を踏み躙ろうとしているだけだと解釈した。

(エレン……)

涙が、溢れた。

「念のために聞くが、エレンとはまだ何もないのか?」

ミカサの泣きぬれた顔が赤さを増す。
その様子で直接確認するまでもなく察した。
ミカサをベッドに組み敷く。
押さえつけたその肩は、先程鬼神のような猛攻をかけて来たとは思えないほど、軽く華奢だった。


「殺してやるわ……」

ミカサは身じろぎもしないで、じっとリヴァイを睨み据える。


「いつか、きっと、殺してやる……」

「楽しみだ」

リヴァイは無表情に呟いてその唇を奪った。
6 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/08/29(月) 19:52:19.68 ID:5hHITQE30
翌日、リヴァイはミカサを連れて、ウォール・ローゼの司令部に出頭した。

出頭して辞表を提出した。

護衛での不始末の責任をとり、調査兵団を辞めて一生産者として農場に行くというのである。

無論、リヴァイに本気で田舎暮らしをするつもりなどない。

慰留されるのを見越してである。

リヴァイの読み通り、司令部からは即座に待ったがかかった。

憲兵団からは事態を紛糾させる動きも見られたが、ドット・ピクシス司令がねじ伏せた。

一個旅団に相当すると言われるリヴァイ個人の戦闘力を抜きにして今後の対巨人作戦は考えられない。

本来死刑に処されるはずのミカサについてもこのお陰で助命された。

素直に出頭したリヴァイの狙いはここにある。

ただし、このミカサ助命には条件がある。


「このガキが何かしでかした場合、俺がその場で[ピーーー]」

臨時兵法会議の席上、ひざまずくミカサを見下ろして、リヴァイは宣言した。
ミカサは平静だった。ただ、顔にいくらか青痣があった。
リヴァイが朝までのうち意図的にこしらえた痣だった。
顔だけでなく服の上から見える位置にはいくらもある。
憲兵団の中年幹部連中はミカサの無表情な顔を見て下卑た笑いを隠さない。
昨日この東洋人の少女に加えられた行為にオサカンデスナと互いに目線をかわし、さらにミカサを視線で嬲る。

ミカサは表情がないようだが、下唇は蒼白で、それをきゅっと噛んで、血が滲んでいた。

「罪を償わすため、最前線で死ぬほどこき使う。おかしなマネをすればまた俺が体に分からせてやる。これで勘弁してほしい」

「君はそれに従うかね、ミカサ・アッカーマン」

議長席のピクシスに問われ、ミカサは抑揚なく答えた。

「……はい」

ミカサを苦しめているのは、屈辱ではなかった。

股がずきずきと滲むように痛む。

好きでもない男、愛するエレンをいたぶった男に征服された。

自分の母親のように男の下卑た欲望に犠牲にされた。

なのに事実は昨日の自分は、我を忘れてこの男の腕の中で乱れていた。

心とは裏腹に体が昨日の感覚を再び求めて疼いていた。

その事態がミカサの理性を苦しめ、ほとんど狂い死にしそうに追い込む。

「リヴァイ兵長は軍の高級幹部、私的副官もありでしょう。ただし全軍に周知させると、色々噂がでてこまりそうですねえ。特に兵長にはもうぺトラがいますし」

リコが三白眼をぎらぎら輝かせて発言する。ほとんど嘲笑といってよい。
駐屯兵団の高級指揮官が殆ど戦死した現在、リコは一気に兵団幹部に出世したといってよい。
そして調査兵団最強のリヴァイの首にこれで鎖をつけられた。
ミカサをカードに面白い展開が色々ありえる。そう考えている。

ミカサは翌日付でリヴァイの副官に任じられた。

調査兵団の兵舎に戻ると、山のような人だかりができていた。
噂はもう広まっており、兵団総出でリヴァイを迎えに出ていたのだ。
リヴァイは馬車の中から見渡して、面白くもなさそうに手袋をはめる。

7 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/08/29(月) 19:52:52.82 ID:5hHITQE30
「適当に俺に合わせろ」

反応がないミカサを殴った。

「忘れるなよ、この兵団の生殺与奪の権は俺が握っている」

替えたばかりの血で汚れた手袋を取り替えながら言う。
暗にエレンを指しているのである。ミカサの顔色が初めて変じた。

馬車から出てきた。すぐ隣にミカサがいる。
喧騒が止んだ。リヴァイは宣言した。

「この女は、今日から俺の身の回りの世話をまかせる個人的副官だ。異存はないな?」

さっと野次馬の顔が歪む。言葉の意味を一瞬で裏まで取ったのだ。
野次馬の中にはミカサと同期で調査兵団に入団した訓練生たちの姿があった。

「ウソだろ、あのミカサが……」

ライナー。

ジャンはぶるぶる震えて何も言わない。

「あれかな、食べ物につられたとか」

「バカ野郎、てめえじゃねえんだ!!」

「ひっ!!」

「やめなよ!」

サシャに掴みかかるジャンをクリスタが止める。

「何かあるんだよ、こんなはずないよ、ミカサがエレンを……見捨てるなんて」

「け、金と力に決まってんだろ。あいつも思ったよりやるぜ」

ソバカスの少女が相変わらずの減らず口を叩く。


「ミカサ……」

ミカサの血の気がさっと引いた。エレンだった。

「何だエレン、てめえ何か俺に意見でもするつもりか?」

「あ、いえ、そんな……」

エレンはぶるぶる震えていた。別にリヴァイが恐ろしいからではない。自分でもよくわからない理由でだった。

「ミカサ、その怪我、大丈夫か……?」

「…………」

「でもミカサ……よかったよな、兵長の副官なんて。出世できるし、近くで守ってもらえるし、俺も安心だよ……はは」

「ありがと……」

泣きそうな顔でエレンがそれだけいうと、ミカサはリヴァイに腕を取られて連れられて行った。
ミカサが去った途端、ジャンがエレンを殴り飛ばした。

「この屑野郎!!てめえは、ミカサに何言いやがった、ミカサに……っ!」

馬乗りになってエレンを殴り続ける。だが、エレンは抵抗もせず茫然と拳骨を受けていた。
自分でもよく分からないのだった。
ミカサは家族のような存在だと思っていた。
うるさい世話焼きな姉だくらいに思っていた。
だから、今の感情も恋ゆえだとは思っていない。
姉を突然別の男に犯された弟のように今は自分の心の痛みをそう考えている。
ただ自分でどこかもやもやした部分があって、それで茫然とジャンに殴られ続けていた。

「ほら、拭け」

エレンが見えなくなって、リヴァイはハンカチを差し出した。
ミカサは嗚咽するばかりで動かない。

「兵長がああいってらっしゃるのよ。あなた言う通りにしなさいよ」

ぺトラがいら立って促した。ミカサを見る目には明らかに敵意が籠っている。

「よせぺトラ。今はそいつを部屋に連れて行って休ませてやれ」
8 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/08/29(月) 19:54:41.44 ID:5hHITQE30
今日はここまでだお(^^)
9 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/10(土) 21:44:26.18 ID:50IlwsF+0
ミカサの怪我は回復しなかった。

慢性的に微熱があり、倦怠が続き、食事も喉を通らなかった。

もともと表情の変化の乏しい少女だったが、笑わなくなった。

ミカサの生命は弱まりずっと陰を深めたと言ってよい。

一方で、眉毛に艶がでて、急に体が丸みを帯び、濃厚な匂いを立ち込めさせる女になった。

明らかに夜毎加えられるリヴァイの愛撫によるものだった。

今や兵舎ですれ違うたび、男性兵士は露骨な視線をミカサに浴びせるようになる。

オルオなど数人は公然と性的ないやがらせを加えて来た。

すぐに感づいたが、ぺトラが裏で嗾けているのだった。

以前からミカサを知っている兵士はあきらかに軽蔑した目で自分を見、鼻で笑う。

何よりエレンを知る同期に会うのがつらかった。


だが、ミカサの命が枯れていくにつれ、その花の部分は反比例して潤っていくのである。

滲むような痺れが常にミカサを満たし、意識を揺さぶってゆく。

ミカサからあからさまに求めたことなど一度もない。

それが最後の意地だった。

リヴァイは人形でも扱うようにミカサの体を扱った。

だが嬲り方だけは執拗なまでに濃厚だった。

そうするほどミカサの内面でリヴァイへの殺意とエレンへの罪悪感が自分の体の反応と葛藤し、ミカサの精神が狂っていくことを知っているのだ。

地下街で愚連隊として若い日を過ごしたリヴァイの熟練した技に、いかに強くとも、ミカサはこの面ではただの小娘だ。

毎夜気が狂ったかのようにのたうち、喘いだ。

そして事が終ると死んだように眠った。

そうでもなければ不眠症で衰弱するばかりのミカサはようやく、少しずつだが体力を回復させていく。

食事も無理矢理口に詰め込んだ。


体力が回復すると、リヴァイは毎日気絶するまでミカサをしごいた。

調査兵団は次の壁外調査のため出撃準備に大わらわである。

リヴァイはミカサの訓練にすべての時間を注いだ。

エルヴィン団長には説明し了解を取ってある。相変わらずだと思ったが、この件はリヴァイに一任した。

リヴァイが訓練の模擬刀を使うに対してミカサは真剣を用いる。

それで本気で[ピーーー]つもりでリヴァイに襲いかかるのである。

自分のすべてをなげうち刺し違えてでもリヴァイを[ピーーー]つもりでミカサはぶつかり、毎日ずたぼろに打ちのめされた。

そして夜はこの男の胸の下で喘ぎに喘いだ。

憎悪と狂気を心が壊れる寸前まで充填して、そしてそのエネルギーをリヴァイとの戦闘に全て吐きだしぶつけていた。

果たして、ミカサはリヴァイの予測を遥かに超える速さで強さを益していった。
10 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/10(土) 21:45:31.68 ID:50IlwsF+0
ある晩、エレン・イェーガーは眠れぬ夜を過ごしていた。

意図的にさけて、また兵団側の配慮で、あれ以来ミカサとは顔を合わせていない。

会いたかった。

とにかく無性に会いたくてアルミンに相談したら、強く諌められた。

今のミカサの立場(大臣暗殺未遂、リヴァイ預かり)を考えれば、当然だった。

「何とか、ミカサを取り戻す手を考える。だから早まらないで」

エレンはアルミンの智恵を心より信頼している。その親友の言うことには従わざるを得ない。

「誰かに甘い口をきかれても、きいちゃだめだ」

アルミンは警戒するよう助言した。

エレンはその言葉を反芻しながら、壁の向こう、リヴァイの私室の方を見通せでもするかのように黙想する。

今、あそこで、ミカサはリヴァイ兵長に組み敷かれ、あられのない姿をさらけて喘いでいる。
その光景がまるで見えるかのように頭に浮かぶ。

そしてそれは全く現実に起こっていることなのである。


無性にいらついた。


エレンという少年にとって、女のことなど、これまで眼中になかったといってよい。

この年ごろの少年の内面にあるのは、自分でもコントロールしようのないどろどろした、化け物のようなエネルギーの昂りである。

それ以外何もないと言ってもよい。

エレンにそのエネルギーの昂りがなかったわけでは決してない。

エレンの場合、それをすべて巨人打倒への情熱に注ぎ込んでいた。

兵舎の中では男子訓練兵が公然と仲間同士見せつけながら自慰していたが、エレンは一度もそんなことはしなかった。

そんな気力がなくなるまで訓練で肉体を酷使した。

夜は死んだように眠り、余力ができたときだけ夢精したが、夢にでてきたのは巨人に目の前で食われたあの母親の漠然としたイメージだった。

だからミカサの愛に対して疎かったというより、それは、彼には外国語や知らない数式を見たときのように、理解できなかったと言ってよい。

それが最近は毎晩夢でミカサと会うのだ。


ノックがして一人入り込んだ。

ぺトラである。

エレンをいくらか慰めてから、徐に「ミカサと会いたくない?」と切り出した。

エレンは飛びつくようミカサに密会する方法を聞く。

このぺトラは自分の意志のみで動いているのではない。ぺトラも唆されて動いているのである。

背後にいるのはリコだった。
11 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/10(土) 21:46:39.11 ID:50IlwsF+0
リコは元来、失陥前のウォール・マリア内の小さな寒村出身の名もない少女だった。

何の門地もコネクションもない、ただの小娘である。戦闘の実力とてずば抜けているわけではない。

訓練兵卒業後、うだつが上がらず駐屯兵団の班長をしていたのが何よりの証拠だ。

だが、冷たい野心だけはぎらぎらと低温で燃える石炭のように心中燻っていた。

そのような微賎の庶民が二度目の超大型巨人出現時、それでも一応部下を従える班長の位にあったのは、

ひとえに彼女の生きざまである徹底的な阿諛追従と手段を選ばない悪知恵だけによる。

出世だけが目的で兵団幹部と寝たのも一度や二度ではない。

だから今回の策動もすべて出世欲から来たものだと本人は確信している。

リコ自身も気づいていない。

出世のためだけにかつて身を任せた班長イワンを間接的にも殺したエレンとミカサ。

憎悪が無意識のわだかまりとなっていることに。


そのリコの目的とはエレンとリヴァイを潰し合わせることにある。

どっちがどっちを殺しても、得だった。

リヴァイともあろうものが、巨人化でもしない限りは、エレンごときに遅れを取るとは思えない。

だが、嫉妬に狂う少年の若い憎悪がよしやリヴァイの心臓を貫けば、期待もしない、破格の大金星である。

もしリヴァイがエレンを始末すれば、元来処刑を延期し調査兵団で預かるはずのエレンを調査兵団ないしリヴァイの独断で殺した訳で、

それも痴話喧嘩の末のことになれば、その立場は非常に悪くなる。


リコはこの話を憲兵団に持ち込んだ。


結果、リコの憲兵団幹部への転向という条件で取引は受け入れられた。

その際、彼女は、そこで入団したての鷲鼻の少女を見かけ、その周囲で憲兵団幹部が何やらうごめいているのを敏感に察知している。

憲兵団はどうも今回の壁外調査でじっとしているつもりはないらしい。

きな臭さを抜け目なく嗅ぎつけたつもりが、深入りすることとなったリコは、この後破局をきたす。
12 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/10(土) 21:47:59.46 ID:50IlwsF+0
そのときミカサは、兵団から与えられた自室のベッドに仰向けになっていた。

全身酷い筋肉痛だが、それも初めのころとは比べ物にならないほど軽い。

徹底的な集中訓練は一カ月をけみし、ミカサの戦闘力は、もはやリヴァイ初対戦時とは桁違いになっている。

リヴァイは楽しそうだった。

自分を抱くときは詰まらなそうな顔を隠そうともしないリヴァイが、

模擬(といってもミカサは[ピーーー]つもりだ)戦闘中は十代の少年のように目をきらきら輝かせている。

ミカサの成長が嬉しくてたまらないのだ。

ミカサの攻撃がすんでで急所を掠めるようになると子供のようにはしゃぐ。

いずれ自分をも凌駕したミカサと生命のすべてを燃やす死闘に興じるのが楽しみで仕方ないのだ。

なんて野卑な男だろう。

ミカサは軽蔑した。

軽蔑しながらもエレンに対しては特に虐待を加えないようなので安堵していた。

エレンに危害を加えない限りこの男が自分に何をしようと構わないのではないか。

憎しみと怒りが薄らいだことをミカサは必死に否定し去ろうとしていた。

そんなときノックがきこえた。

気配でわかる、少年一人らしい。それでも用心しながら鍵を開ける。


「エレン……!」

ミカサの東洋人らしい細めの目が張り裂けそうに開かれた。

「うん、久しぶりだな」

ミカサと違って誰からも虐めを受けていないエレンの顔は健康そうだった。

「なあ、入っていいか……?」

遠慮がちに尋ねるエレンに我に帰り、中に招き入れる。

同じベッドに腰掛け、しばらく二人は無言だった。
13 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/10(土) 21:49:20.52 ID:50IlwsF+0
「俺のせいなんだろ?」

ミカサがぴくりと反応する。

「あんな事件を起こしたのは。お前が無茶をやるのは昔から俺のためだったもんな……」

「ごめんなさい」

エレンの立場を悪くしたことを謝っているのである。エレンはミカサを責めているわけではないのだが。

「つらく、ないか?」

「エレンのためなら、どんなことでも耐えられる」

それには答えず、少年がそっと手を握ってきた。ミカサはびくっと硬直した。

だが、エレンは手を離さない。

体温が、伝わる。

ミカサも無言だった。

この二人の間はそれで十分だった。

エレンを直接肌に感じてミカサはこの一カ月初めて心から安らいでいた。

無言がつづいた。

「俺さお前のことはずっと姉ちゃんかなんかだと思っていた」

そのしじまを破ってエレンがぽつりと呟く。

ミカサでなくとも誰でも声の調子や表情から分かる。今この単純な少年は人前で母親に甘えることをねだるように恥ずかしがっている。

「でも、お前と引き離されてから、お前のことが頭から消えないんだ。寝ても、覚めても、夢にも」

「……エレン」

「俺、たぶんお前のことが好きなんだ」

「嬉しい……」

ずっと、ずっと聞きたかった言葉。

ミカサの胸の中にあるのは喜びと――絶望。

「ごめんなさい」

ミカサは笑っていた。涙を流しながら、でもうれし泣きとは違う表情で泣いていた。

「私は、エレンと引き離されて、あの男に、何度も……私は、もう、穢れている」

「ミカサ、バカなことを言うなよ!」

エレンがミカサの肩を荒々しく掴んだ。

「お前は、穢れてなんかない、たとえお前に何があっても、そんなのウソだ!!」

「ううん、違う、エレンは、なにも分かってない」

この無垢な少年は何も知らない。その知らないことを自分は体で知ってしまったのだ。

もうこの少年の隣に幼馴染として、姉弟としている居場所を失ってしまった。

そのことが胸を切りつける。

自分はまた家族をなくしたのだ。

ミカサはエレンの手にボロボロのマフラーを押し付けた。

あのときエレンに首に巻いてもらって以来、かた時とて身から放したことのないマフラー。

「おねがい、帰って」

エレンを扉の外に追いやった。
14 : ◆tt4XjKq/KE [age]:2011/09/10(土) 21:52:25.04 ID:50IlwsF+0
「ミカサ……」

エレンはマフラーを握り俯いている。

「坊やにまだまだ女心は難しかったかしら?」

いつの間にか外で立っていたぺトラが冷ややかに見つめている。

「ぺトラさん、あなたはなんの……」

「私はね、兵長に近づくあの子が目ざわりなのよ」

ぺトラの顔はぞっとするような凄んだ女のものだ。

だがすぐ笑顔で耳元に囁いた。

「手に入らないなら、彼女をさらって、どこかに逃げればいいじゃない?駆け落ちしちゃえば?」


「エレン、駄目だよ、壁外調査も目前なのに集結場所の兵舎から抜け出しちゃ」

声に振り替える。

「アルミン、なんでこんなとこ……」

「みんな探してるよ。一人前の兵士が軍の生活規律破っちゃだめだろ。戻ろう」

「アルトレルト君、エレンはね……」

「お騒がせしましたぺトラさん。エレンには僕から言っておきますので、リヴァイ兵長には内緒でお願いします」

ぺトラに冷ややかに告げる。

アルミンの目にはぺトラの気まずげな表情、それとエレンの様子もちゃんと映っている。

無論手にしたあのマフラーも抜け目なく見つけていた。

もう大体の事情を察している。

「さあ早く」

アルミンは強引に、呆けたようなエレンの手を取って去って行った。


「用は済んだか?」

ぺトラがびくっと震える。いつの間にか背後にリヴァイが佇んでいた。

「お前が俺を裏切ってこそこそしやがるとはがっかりだ。眼鏡女のこと、たっぷり問い詰めないとな」

「……私は、あなたなんか嫌いです」

ぺトラが吐き捨てるよう呟く。

「今は、あの子のところに行ってやってください。今あなたには、触れられたくもない」

「女ってのは分からねえな」


リヴァイはミカサの私室に入って行った。

リヴァイはミカサのぐしゃぐしゃに泣き潰れている様子をみて、もう限界かなと思う。

憎悪と狂気の補充はもう無理だろう。

器が壊れては意味がない。

なら次の手はどうする……自分をこの少女の不倶戴天の敵に仕立てる方法。あることはある。そのため、この場だけは。

「抱いて」

ぽつりとミカサが呟いた。リヴァイの腕を掴んでいる。

「抱いて、私を、めちゃくちゃにして、欲しい」

リヴァイはその唇を奪う。その晩は初めてミカサから求めた日になった。
15 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/10(土) 21:53:39.75 ID:50IlwsF+0
今日はここまで
感想くれくれ厨の作者はコメントもらえると裸踊りして喜びます
16 : [sage]:2011/09/10(土) 22:08:53.24 ID:z87W6myo0

なかなか読ませるな
次も楽しみにしてる
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/11(日) 10:28:23.74 ID:PtT6bQOM0
104期の反応がみんならしくていいね
あとこの出世欲と愛憎渦巻いてるリコさんはありだ

エロ描写がはしょられているのは残念だが殴られるシーンがたっぷりあるのはGOOD
はやく手足切断されるミカサが見たいぜ

しいて文句言うとすれば進撃女子は「〜るわ」って口調ではほとんどしゃべらないよね
そこが違和感
18 :aa :2011/09/11(日) 21:08:17.24 ID:YYANNscB0
はあ
19 :HUYEY KYOU :2011/09/13(火) 21:15:19.44 ID:7D+owsvh0
悲しいねー 調査して見たものの違和感めっちゃあるんだけどリヴァイの方が身長十センチ程低いんだけどねーー NTRするなら ミカサより身長高いやつにしたほうがいいんじゃね?  ミカサとリヴァイがしてるとことか身長アンバランすぎてwwwwww  さあこの後どうなるんだろ   あと作者がんばれ ミカサスレでめっちゃ叩かれたから精神的に大丈夫か心配 てかこの作者もなかなか文法も達者 この話は ハッピーエンドでエレンとゴールインでしめてくれ
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/14(水) 01:16:23.48 ID:qrcUoHK60
話の構成とか書きなれてる感があるな
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/17(土) 01:34:49.04 ID:gkKTLtK00
普通に続きが楽しみなのだが
ハッピーエンドとかないない
22 : :2011/09/20(火) 17:47:19.48 ID:epcLIQaO0
早く書いてください 生殺しにしないで
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) :2011/09/20(火) 17:48:39.37 ID:epcLIQaO0
貴様の駄文をまっているのだから 早く書き込め 素人 
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/20(火) 20:15:08.29 ID:j+WVQHn80
すでに書き終えていて出し惜しみしているのか
それとも現在執筆中なのかを知りたい
後者なら気長に待つ
25 :作者 [sage]:2011/09/20(火) 21:23:39.64 ID:IMQ+jRzB0
作者は、ミカサ似の彼女ができ、宝くじ当選で諌山なみの財産も手に入って
晴れてリア充の仲間とあいなりました。
鬱屈した負のエネルギーと執念をぶちまけて執筆していた作者の創作能力は永久に喪われましたので、
断筆宣言とともにふつうの男の子に戻ると発表させていただきます。



応援ありがとうございました。













・・・というのは冗談なんだけど(悲しいことに)、後回しにしてるうちになんか夏風邪引いてダウンしてた。
ぼちぼち取りかかるからちぃとお待ちくだされ。

ほんとは今月の巨人読んで、女型巨人の正体とか裏切り者とか本誌でネタが明かされないかなって
期待してて、それSSに反映させようかと思ってたんだけど、
なんもなかったし、
最大の萌えキャラであるミカサの萌え(=病んでれ)描写がなくてモチベがあがんなくて迷ってた。
原作の展開無視してSSオリジナルな結末付けようか検討中。
どべたでどろどろになりそうだけど。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/25(日) 09:42:52.51 ID:xFiBkiWm0
な ぜ エ ロ を は しょ る し
27 :死ね作者 :2011/09/25(日) 19:13:25.14 ID:DpVGCy5n0
そのまま[ピーーー]ばよかったんじゃ? 貴様なんか彼女できねーよ これだからNTR厨は。帰れ帰れ スレ汚し てめーのかーちゃん泣いてるよ
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) :2011/10/06(木) 20:29:04.39 ID:i9sWQobo0
早く書けよ
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/13(木) 00:30:48.02 ID:RQ/F6VQQ0
生殺しだぁああ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) :2011/10/14(金) 16:20:17.21 ID:4e/eEN9n0
早く書けばいいものを出し惜しみしてるのか? 生殺しには変わらないがな
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/10/16(日) 11:19:21.25 ID:M06dmkfAO
ミサカに見えたアホは俺だけでいい
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/20(木) 00:40:37.39 ID:Z8z7QJ260
速く続き書かないと原作との乖離が酷くなりそうだなww
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) :2011/10/21(金) 20:23:16.23 ID:DL/g/XAD0
早く書いてくれ 待っている人がたくさん
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) :2011/11/01(火) 22:40:56.07 ID:MDoZ88/i0
作者生きてるか?

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
35 : ◆tt4XjKq/KE :2011/11/30(水) 23:31:25.54 ID:uI4K2zNa0
>>1です。三か月も放置してしまい、大変申し訳ありませんでした。
生殺しにするつもりはなかったんですが、雑事に煩殺されモチベーションもあがらなかったので今になりました。

もうROMしてる人からも忘れられているかもしれませんが、続き投下します。完結させるつもりです。
36 : ◆tt4XjKq/KE :2011/11/30(水) 23:33:08.39 ID:uI4K2zNa0
>>14


アルミン・アルトレルトは、萌えいずる戦の兆しにざわめくウォール・ローゼはカラネス区目抜き通りを足早に歩んでいた。

軍服ではなく都市住民が着る目立たない格好でいる。

外出許可はエルヴィン団長から貰ったのだが、許可というよりそのエルヴィンの命令でカラネス区に忍んでいたのだ。

やがて目標の建物が彼の目にも見える。


昨日、エレンを兵舎に引き戻した際。

出撃を前にして「人間兵器」であるエレンは、壁外への門のそばの軍施設に収容されていた。

監視はついておらず(この辺はぺトラの根回しによる)、周りには一般の兵士の待機する兵舎もある。

この時期に抜け出したことは言うまでもなく大なる軍紀違反だが、アルミンが苛立っているのはそんなことゆえではない。

「おい、アルミン、離せよ!」

エレンはアルミンの手を振り払った。

「俺は止めても、無駄だ。お前の言うことだって、聞かねえぜ」

「それで?エレンは脱走するの?つまり駆け落ちがしたいの?」

「ミカサはどこか安全な場所に連れていく。これ以上みてられねえよ」

「エレン」

アルミンはこめかみに手を当てていた。眉間にしわが寄っている。

「君の身柄はこの作戦に参加することで一時的に留保されてるんだよ。そんなことをすれば、ミカサだって無事にはすまない」

「分かってる。だから明日にでも出頭して、憲兵団と、政府のお偉いさんがたと改めて交渉する」

「何を交渉するんだい?」

「ミカサの無事を約束させる、その引き換えに、俺はモルモットになって、憲兵団の解剖を甘受する」

言い切った瞬間、エレンはよろめいて兵舎の床に尻もちをついた。口から血が溢れている。


「甘えたこと抜かすんじゃない、このバカ野郎!!」
37 : ◆tt4XjKq/KE :2011/11/30(水) 23:34:29.18 ID:uI4K2zNa0
繊弱なアルミンの体躯から出て来たとは思えない、雷のような大声だった。

茫然と頬を抑えながらエレンは自分を殴ったアルミンを見上げている。

「君は軽々しく何を言っているか分かっているのか!?」

アルミンはしゃがみこみエレンの胸元にすがっていた。弱弱しく。

「僕たちがちっちゃかったころから、ミカサは、エレンのこと……エレンのことを、そう、好きだったんだ。君は気づいてなかった。

ううん、気付かないふりをしていた。でもねエレン、君が巨人に食われて、皆エレンが死んだと思った時、ミカサがどれだけ悲しんだか、君は知っているのかい」

「…………」

「今ミカサがこんな状況におかれているのも、君がミカサの気持ちにちゃんと答えてこなかったからだ。でも」

弾けた気勢が尽きてもとのかよわいアルミンに戻ってエレンにしがみ付いていたのだった。

「今、自分のミカサへの気持ちに、君はやっと素直になったんだろ。なら駄目じゃないか。ミカサが、ミカサがまた、悲しむような……」

エレンはじっと俯いて、ありがと、と一言漏らした。

「アルミン。やっぱりお前が一番頼りになる」

エレンは自嘲気味に笑って、アルミンの頭を優しくなでる。二人はしばしそうやって抱きしめあっていた。

「だからアルミン、今はお前の智恵に甘えたい。できるか?」

「任せて」
38 : ◆tt4XjKq/KE :2011/11/30(水) 23:36:12.53 ID:uI4K2zNa0
その夜アルミンはエルヴィンの私室を訪れたが、エルヴィンと密議するのはこれが初めてではなかった。

すでにミカサ逮捕のその日から、アルミンは動いていた。エルヴィンを説き伏せ、立場と監視の目の多さから表だって動けない団長の彼の代わりに、すでにアルミンは各方面を動き回っていたのだ。

調査兵団の新兵である自分には憲兵団の監視も注意を払わないからだった。そして今日。


この建物の奥に通されたアルミンは一室に案内される。無官の一商人という肩書に釣り合わないことごとしい護衛に囲まれてふんぞり返っているのは、禿頭の中年男性だった。

鋭い目つきと精悍な面だましいが男の裸一貫でここまでの権勢を築いた男の力量を物語っている。


「お前の言う通り、駐屯兵団の女幹部だ。目つきがわりぃ眼鏡らしい。」

禿頭がアルミンに告げる。

「大臣連中の接待は商会が担当したが、詳細は一部の憲兵くらいしか知らねえはずだ。金を掴ましたんだな。もう協力者のガラは抑えてある」

「ありがとうございます、商会長。エルヴィン団長からは、今後ともご協力お願いしたいと」

「王政府は正直にいえば商売相手としてあまりありがたくねえからな。俺たちもこれからおまえら調査兵団ともよろしくやっておきたいわけだ。

くっくっ。それによ、実は別に礼はいらねえ。なぜならこれは俺のシュミでもあるからな。」

商会長は愉快そうに舌なめずりしながら答えた。

「あの時の小娘、ガキとは思えないハンパねえ殺気を放ってやがった。あんな恐ろしい殺気はさんざん修羅場をくぐってきたはずの俺も会したことがなかった。

それでいてあいつは何とも言えない美しさ、儚さをまとった娘だった。

あいつは、ここで、つまらねえ事件でぽしゃるのはもったいない。これから先いかに巨人どもと戦い、そして死んでいくか、見てみてえ」

だがさすがのアルミンも先手を打たれたらしかった。出撃前夜、ミカサの寝所に忍びこんだものがいた。手にした白刃にはたっぷりと致死性の毒が塗られている。
39 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/11/30(水) 23:38:05.92 ID:uI4K2zNa0
あと見せ場一回くらいで完結予定です。もうしばらくお待ちください。
では今日はここまで
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方) [sage]:2011/12/03(土) 04:25:36.18 ID:SNJWx9DH0
乙。リヴァイなら許せる不思議!
41 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/14(水) 18:26:41.54 ID:Lz6lSdmv0
はよはよwwwwwwwwまだかねwwwwwwwwww
42 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 22:01:29.83 ID:0vm62x0AO
>>31
俺も見えたアホだった
43 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/15(木) 20:34:58.32 ID:Oy9Uh0kI0
生きてたのか
44 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/17(土) 09:19:22.68 ID:DGSFi7Kk0
ハッピーエンドになりそうなながれですね
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