7日に大津市の近江神宮勧学館で開かれる小倉百人一首競技かるたの第58期名人位決定戦に、福井県越前市の三好輝明七段(28)=福井渚会=が出場する。13連覇中の西郷直樹永世名人(33)=東京、早稲田大かるた会=に2年ぶり3度目の挑戦となる三好七段は「自分のかるたを貫き“3度目の正直”で雪辱を果たしたい」と話し、福井勢が唯一届いていないタイトル奪取に向け練習に励んでいる。(前田卓)
2008年の対戦では1−3で惜敗。10年は2−1で迎えた4本目に残り1枚で“王手”をかけたが、痛恨のお手つきで逆転負け。5本目も取られ名人位を逃した。
「あの場面は大事に、慎重に行きすぎた。しばらく引きずった」と振り返る苦い経験だった。昨年は福井渚会の後輩の川崎文義六段(23)が挑戦し2−3で敗れた。会場の控室でモニター観戦しながら応援した三好七段は「心の奥では自分も試合に出たい気持ちだった」と振り返る。
昨年はビッグタイトルこそ獲得していないが、各地の全国大会で優勝を重ねた。予選トーナメントを6連勝で制し、挑戦者決定戦は2−0で快勝。構えや音の聞き分け方を変えた結果、「自然に手が出るようになりスピードが上がった」と手応えをつかんだ。
営業マンとして会社勤めの傍ら、日曜日を中心に週10時間、福井市高木1丁目の福井渚会道場(県かるた協会本部)で稽古を重ねてきた。同門のメンバーを相手に大みそかも練習、年始の最終調整を経て本番に臨む。
過去に全日本選手権(05、09年)と全国選抜(07、10年)を制しており、3大タイトル全制覇にも3度目の挑戦となる。「西郷名人は尊敬すべき相手」という三好七段は「研究されるだろうが、普段通りの戦いができれば勝てると思う。自分のやり方を貫き、今度こそ良い結果を出したい」と話している。