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直径160メートル級…三菱重工業が洋上風力発電に参入へ、夏には横浜で実証実験

2012年1月2日

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三菱重工業が2015年から量産を予定するローター直径160メートル級の洋上風車(三菱重工業提供、イメージ図)

三菱重工業が2015年から量産を予定するローター直径160メートル級の洋上風車(三菱重工業提供、イメージ図)

 東京電力福島第1原発事故以降、再生可能エネルギーの推進が課題となる中、三菱重工業は2015年に洋上風力発電市場に参入する。洋上風車の課題だったさび対策と大型化を解決するため、駆動部分を油圧式にする新技術を獲得。12年には同社横浜製作所(横浜市金沢区)で実証実験を始める。最終的には出力が通常の3倍となる直径160メートル級の超大型風車を量産し、原子力発電所約30基に相当する電力総量を発電する英国のプロジェクトに参画する。

 陸上風車は広大な敷地の確保や低周波騒音などの課題が普及の足かせとなっていた。洋上風車はそれらの課題が解消される上、海上の風は陸上よりも強くて安定していることから、大型化を進めるほど発電効率が高くなることが知られていた。

 一方で、従来の風車は機械式の歯車で海上ではさび対策が大きな課題。補修作業がより困難となるため、故障はコスト増の要因となる。駆動部分を歯車から油圧式に切り替えるため、三菱重工は10年12月に油圧システムを開発する英ベンチャー企業「アルテミス」を買収。低速の回転を高速に引き上げる同社のデジタル制御技術と、三菱重工が培ってきた伝統的な油圧技術を融合することでさび対策と大型化の両立を図ることができるようになった。

 電力変換装置(コンバーター)が不要なため、レアメタルが不要となり調達リスクを回避できるほか、安定した高い電力品質が得られるメリットも出てきた。

 12年夏には三菱重工横浜製作所に設置された出力2400キロワットの機械式の風車を油圧式に改造して実証実験を開始。実証の後、欧州でローター直径が165メートルになる7千キロワット級の超大型風車の開発を進め、13年には陸上と海上で試験機を英国に建設する。横浜・みなとみらい21(MM21)地区の観覧車「横浜コスモクロック」(直径100メートル)、横浜港・瑞穂ふ頭の横浜市風力発電所「ハマウィング」(ローター直径80メートル)よりも大きな風車が誕生することになる。

 英国は20年までに3200万キロワットの発電量を洋上風力発電で賄う「ラウンドスリープロジェクト」を展開。既に参画を表明している三菱重工は同プロジェクトで500万キロワットの洋上風車の受注を目指しており、15年には市場進出を果たす考えだ。

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