取材協力:大阪の男性、襲われ重傷 TV局を提訴へ

2011年11月8日 2時30分 更新:11月8日 9時13分

 貧困ビジネスの実態を放送した「読売テレビ放送」の報道番組に匿名で取材協力した大阪市内の男性(51)が8日、放送直後に襲われ負傷したのは音声加工など身元を隠す処理が不十分だったからだとして、同社に慰謝料など計約6300万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴する。男性は向精神薬売買の様子を明かした番組放送の2日後に襲撃されて頭蓋骨(ずがいこつ)骨折の重傷を負い、大阪府警が殺人未遂事件として捜査中。男性は「事件は取材協力への報復だ」と訴えている。

 訴状などによると、同社は昨年12月28日の番組で、生活保護受給者らが医療扶助制度を悪用して無料で入手した向精神薬が、大阪市西成区・あいりん地区で売買される実態を放送。男性は昨年11月から数回取材を受け、薬の入手方法を説明したり、売買現場近くまで記者を案内したりする映像が流された。

 男性は事前に、記者から「顔は出さない」と聞かされ、番組では顔だけはぼかす画像処理がされていた。自宅玄関や室内の様子はそのままで、声も手を加えないで放映された。男性は放送終了から約40時間後の12月30日午前9時半ごろ、同市旭区で殴られるなどし、4カ月入院。後遺症で障害認定を受けている。

 男性の弁護士は「(男性は記者に)暴力団関係者が関与していると話しており、読売テレビは報復の危険性が極めて高いと予測できたはず」と話している。

 ◇「十分な配慮した」

 読売テレビ放送の話 被害に遭われたことはお見舞い申し上げます。しかし、取材協力者のプライバシーに関して十分な配慮をしたと考えており遺憾です。

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