ギリシャ:パパンドレウ内閣 過半数票で信任

2011年11月5日 8時14分 更新:11月5日 12時54分

5日、アテネのギリシャ国会で、信任投票可決を喜び手をたたくパパンドレウ首相(右)とベニゼロス財務相=ロイター
5日、アテネのギリシャ国会で、信任投票可決を喜び手をたたくパパンドレウ首相(右)とベニゼロス財務相=ロイター

 【窪田淳、アテネ藤原章生】欧州連合(EU)などによる包括的な財政支援策の受け入れを巡る国民投票計画の発表、撤回で混乱したギリシャの国会(300議席)は5日未明、パパンドレウ内閣の信任投票を行い、半数をわずかに上回る賛成153票、反対145票、欠席2で可決した。

 首相は投票前の演説で「私は首相の座にこだわらない」と辞任を示唆し、6日にも大統領と連立協議を行うと明言。首相退陣と連立政権発足を求めて造反の動きを見せた与党議員らの譲歩を引きだした。EUなどの支援策に反発していた野党側も受け入れに転じ、対外債務不履行の「危機」が世界経済に波及するという最悪の事態は当面回避された。

 一方、連立政権発足の場合、新首相にベニゼロス財務相が有力視されている。財務相は投票直前に「連立政権は来年2月までの暫定となる」と述べ、3月に総選挙を行うとの見通しを示した。ただ、首相は「辞任」を明言しておらず、進退を巡って再び内政が混乱、支援策受諾を巡っても迷走が続く恐れも残っている。

 首相は投票前の演説で、国民投票計画について、「古代ギリシャの直接制民主主義に戻したかった」「G20は、証券取引より(欧州の)人間の方が重要だとわからねばならない」と持論を展開した。

 与党「全ギリシャ社会主義運動」では、首相が国民投票計画を発表した先月31日から、首相の辞任、連立政権発足を求める声が高まり、不信任を公言する議員が相次いだ。しかし、ロイター通信によると、ベニゼロス財務相らが最大野党「新民主主義党」などと協議、現内閣が信任された上で連立政権樹立というシナリオを模索した。

 ただ、ギリシャが包括支援策を受け入れても、フランスでの主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)では、欧州金融安定化基金(EFSF)の増強策の具体化など欧州債務危機に対応するための包括策をほとんど前進させることができていない。イタリアやスペインなど他の財政悪化国への危機の波及はなおも懸念されており、世界経済への不安が払拭(ふっしょく)されたとはいえない状況だ。

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