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長い日記 2006年3月18日(土曜日)

アニメDVDの日本語字幕について徒然に語る日記。『アニメDVDに日本語字幕を』の、第二弾です。
第一弾はこちらです。
内容が被ってる部分もありますが、どうかご了承下さい・・。長いのでインデックスをつけました。

1. 文字放送 地上派とCS
2. 「製作委員会」って
3. 「製作委員会」以外にもある
4. やっと日本語字幕のはなし
5. 日本語字幕 劇場版「ワンピース」の場合
6. 日本語字幕 テレビシリーズの「ワンピース」の場合
7. 「たのみこむ」で周知を
8. 字幕製作にかかる費用
9. 法律での義務化について
10. 日本語字幕「あり」・「なし」の表記を
11. まとめ。

 

1. 文字放送 地上派とCS

「ワンピース デッドエンドの冒険」以降の劇場版を地上波フジでは放送しないんじゃないか、という噂を最近、目にします。CSの有料チャンネル「東映チャンネル」で劇場版を独占放映して、加入者を増やしたいのでは、と推測してる人もいて、なるほど、そうなのかもしれない、と思ったりします。

劇場版はテレビシリーズとは扱いが全く違うのでしょう、劇場版のDVDは東映ビデオから発売されているし、テレビシリーズは広告代理店を介してテレビで放映しているのに対して、劇場版は製作委員会方式をとっているから(かどうかは知らないけど;;)放映権についてもきっちり取り決めがなされているのかも・・。

「ワンピース デッドエンドの冒険」以降の劇場版が、フジテレビ(地上波)で放映されるといいなあと、ずっと願ってます。東映ビデオから発売されるDVDには、日本語字幕がついていません。もし、地上波で放映されるなら、アニメはフジテレビの『文字放送』に対応させてくれるはずなので、日本語字幕とともにアニメを楽しむことができます。

CSやBSの放送では文字放送や日本語字幕はついてなくて、『文字放送』があるのは地上波放送のテレビだけ。それも、フジテレビやTBSなど、大手(?)のテレビ局のみです。

CSで放映、と聞いて思い出したことが。

スポンサーからの制作費の多くを広告代理店やテレビ局がとっちゃって、実際にアニメを作る製作会社(プロダクション)には少ししかお金が下りてこない、ということが伺える報告をネットで見ました。

ここ参照。「アニメーション産業の現状と課題」 (pdfなのでAcrobatReaderが必要です。)

経済産業省の「コンテンツ産業政策」のサイトに載ってた報告書。
「4.テレビアニメーション番組ビジネス」に一例が図で示されています。

こういうのをみると、広告代理店を通さず、テレビ局で放映してもらうのとは別の手段を、とか、実際にアニメを作ってる会社(プロダクション)にお金が入るしくみを、利益や権利の確保を、というビジネス展開になっていくのも、何となく分かります。

これをふまえると複雑な心境になるのですが、でも、『文字放送』という手間とお金のかかることを太っ腹にやってくれるのは大手のテレビ局だけだから、これからもアニメが地上波のテレビで放映されてほしいなあと、願ってしまいます。

現在発売されているアニメDVDの多くには、日本語字幕がついていないから。

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2. 「製作委員会」って

もう何年も前から、「製作委員会」というのをよく目にします。ローゼンメイデンは「薔薇乙女製作委員会」、劇場版ワンピースは「2006ワンピース製作委員会」といったぐあいに、それぞれ名前がついてます。いつ頃からあるんでしょうね。少し昔に観たアニメで、「AKIRA製作委員会」と書いてあるのを見て、なんかかっこいいなあ、と思ったのをうっすら記憶してます。実写の映画でも、「製作委員会」と書かれているのをよく見かけます。

この言葉を聞いて先ず、製作委員会という組織が作られてその構成メンバーとなったスタッフが作品を作るのかな?と想像したのですが、違ってた。
言葉を聞いて最初は、ワンピース製作委員会という組織が作られて、その委員会を構成するスタッフが全力でそのアニメを作ってる、というのをイメージして、会社に縛られず、独自に作品を作ってるのかしら、なんて想像したけれど、そういう意味じゃありませんでした;;

ネットで解説されているページをいくつか読んで学びました。

日経BP社のサイト「nikkeibp.jp」より。

「アニメや映画の“委員会活動”って何」

委員会は読者の多くが経験してきた学校の委員会活動とは全く別モノ。製作委員会とは、いわば「特定の映像事業を推進する組合組織」であり、アニメや映画を制作するための「資金」を集めるのと同時に、作品にかかわるさまざまなビジネスを推進していく組織なのである。
(中略)
製作委員会は、制作資金をどのように効率的に調達するのかをテーマに、運用されてきた方法だ。法的な視点から見ると民法上の「任意組合」という性格を持つ“団体”である。

引用おわり。

製作委員会とは、「任意投資組合」のことを指してるのですね。アニメの製作資金を出す企業同士で、利益の分配方法と、権利や利益配分を明確にして、著作権から派生する関連商品の権利範囲まで、あらかじめ取り決めておく、そうして作るのが製作委員会方式。。

実際にアニメを作るスタッフ(監督とか脚本家とかアニメーターとか)が委員になっているわけではなく、委員会の構成の主体は、企業(出資者)なのですね。そのアニメ作品のプロデューサーと呼ばれる立場の人でさえ、出資する企業の一社員だったりする。

そもそも私、こういうことも知りませんでした、「製作」と「制作」は違うのだということ。

「スチームボーイ」の製作スタッフのブログより

同じ作る意味でも、「製作」はお金を出す人たちや会社のことを指し、「制作」は作品を手掛けるプロダクションの人たちや会社を指します。

アニメ業界でしか通用しないこの手の専門用語って、きっと僕自身が気づかないだけで結構あるのかもしれないですね。

引用おわり。

私が最初に勝手に勘違いして想像したのは、言ってみれば、制作委員会でした(つまりそういう委員会などない)。資金を出す企業で構成されてるから「せいさく委員会」は、「製作委員会」なのね。

(出資者への利益配分はあらかじめ決まってて、そこから先、出資者内での配分については・・。たとえば制作会社がアニメーターさんに支払う報酬とかそういうのの配分はどうなのかな・・ということには、ここでは触れません。)

1.で触れた、経済産業省のサイトの「コンテンツ産業政策」のページには、アニメ産業についての調査研究結果をまとめた報告書がいくつか載ってるのですけど、そのなかのひとつ、

「コンテンツ・プロデュース機能の基盤強化に関する調査研究」
(これも.pdfなので読むにはAcrobat Readerが必要です)

に、こう書かれていました。

現在、プロダクションがアニメーション製作に関して受け取る対価は、放送局・広告代理店等からの製作費、あるいはビデオメーカー等の流通事業者を含めた「製作委員会」から製作費として調達するケースが多い。この場合、現状では流通事業者から資金を得る場合はマルチユースの窓口業務を流通事業者に押さえされているケースが大半であり、プロダクション独自のイニシアチブによる多メディアへのビジネス展開は困難な状況である。

引用おわり。

それで「製作委員会」をとって作られるようになったのかー、と、何となく理解したつもりで次へ。

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3. 「製作委員会」以外にも

製作委員会方式とは別に、LLP方式というのがあるそうです。出資者の責任が無限ではないのがLLP方式。LLP方式では、損失を出した場合、出資額以上に損失負担をしなくていいのだそうです。(じゃあ誰が損失を負担するのかしら。LLPの幹事になる企業?)
これは、製作委員会方式が無限責任の任意組合方式であるために参入できなかった第三者の企業(出資者)が出資可能になるということで注目されているそうです。製作委員会方式では無限責任だから、利益が出ると分かりきってる元々の関連企業や放送会社や制作会社など、業界内の企業しか実質的に参入できなかったけど、LLP方式なら出資しやすく、資金を集める側からみればより幅広いところから出資者を募れて、資金を集めやすくなるのだそうです。

これは「アニメ!アニメ!LLP製作委員会はクリエイターを救うか」の記事を読んだ受け売りです。

それから、SPCというのもあって、GDH(ゴンゾが所属するグループ企業)のサイトのプレスリリースによると、SPCというのは金融機関(金融機関じゃなくてもいい)などが資金を出して「ファンド」を設立し、透明性の高いファンドにすることで広く第三者からの投資も可能にして、資金調達の幅を広げるという方式らしいです。

資金調達の幅を広げることの必要性は、2.で紹介した報告書、「コンテンツ・プロデュース機能の基盤強化に関する調査研究」のなかでも触れられていました。

もし金融機関や一般の投資家といった業界外の資金を製作資金と導入することができれば、現状のように権利の切り売りをすることなく、プロダクションが権利を保持して自らビジネスを行なうことが可能である。アニメーション産業が現在の下請け構造から脱却するには、プロダクションが自社で企画を立て、金融機関や一般投資家も含めて資金調達を行なって製作し、自立したビジネスを行なうことが必要である。

引用終わり

制作会社(プロダクション)が継続して作品を制作できるように、って、考えてくれているのかな・・。そのために更に検討を重ねてより効果的なスキームの確率や、必要な法整備を、と報告書は指摘している、と捉えていいのかな。

ファンド方式は実写の映画でもアニメでも採用されつつあって、劇場用アニメ「北斗の拳」も、ファンド方式を採用しているらしいです。テレビシリーズのアニメでは、「かいけつゾロリ」がSPC方式をとっているそうです。

出資するからには何か得るものがなければならないし、利益が見込めるから投資するのであって、そういうシステム作りはこれから先もずっと、アニメにお金を出してくれる企業が存在し続けるためにも大切なことで、作品が売れることで直接的に潤う企業でない第三者の出資者からも資金を調達できるようにしてアニメ産業が発展していけば、他の色んな問題も解決していくのかもしれない。

もうだいぶ前のことですが、アニメが投資の対象として注目されている、とニュースで聞いた時は、アニメを観ない、アニメのファンでもない投資家に利用されるなんて・・と複雑な思いがしてしまったけど、資金調達の方法とか製作体制が色々と工夫されて、出資者に注目されてプロダクションが継続して作品を制作できるために、新しい方法が活発に提案されているというのは、明るいニュースですよね。結局それは、実際に制作に携わる人にとって、仕事を得るチャンスが増えるとか、実際に現場で作品を作る人(働く人)の待遇ということにも、影響してくるだろうから・・。

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4. やっと日本語字幕のはなし

ここまで長々と書いてきて結局、何が言いたいかというと、資金調達と利益配分についての取り決めがきっちり決まってる、こういうシステムで作られているんだと知るにつけ、DVDに日本語字幕をつけるとか、日本語字幕つき上映会を開催するといったことなどは、入り込む隙がないように思えてくる・・ということです。

アニメ製作を投資の対象としてだけ捉えてる出資者が増えたら、出資者への還元優先で利益分配が第一に考えられるようになったら、と考えると、暗くなります。

金銭的な収益には結びつかなくとも、より多くの人にアニメを楽しんでもらうことを考えてもらえたら・・と願うのですが、現状は色々と厳しいがために、システムには組み込まれていない気がします。

いまここでは経済産業省とかビジネス関係のリンク先を参照してるので、経産省はそういうことを考える省じゃないので、いまここに書いている切り口だけでみれば、当然といえば当然なんですけどね。管轄は厚生労働省でしょうか。取り扱う省庁に関連する記事を調べたら、また違うことを知ることができるかも。

アニメの制作にはお金がかかることも、楽に製作できてるわけじゃないことも、あちこちで聞きかじった範囲では知ってます。そういうのをなんとかして、継続して製作できる環境を維持するために、色んな人が努力してるというのは、ちょっとくらいは、分かってるつもり。おかねを出すひとがいちばんえらいとされていることも。

日本語字幕を制作するにも費用がかかるってことは分かるし、アニメをつくるのには沢山の企業が関わってて、契約とか取り決めでがっちり決められてるから、実現は難しいことなのかもしれない。けど、ビジネスでアニメ製作に出資する企業は、素晴らしいエンターテイメントを提供したいとか(そういう作品を実際汗水たらして作る人を大事にしたいとか育てたいとか)、人々に夢を与えたいとか、観る人に、子供たちに喜んでほしいとか、アニメ製作に関わることで社会に貢献したいとか、そういう願いや情熱も持ってると、信じたい気持ちです。

いま発売されているアニメDVDで、日本語字幕版が収録されているものは非常に少ないそうです。

ネットで情報収集していると、製作資金の使われかただけでなく、アニメの制作現場での問題点が紹介されてるのを目にします。アニメーターさん、なかでも動画さんは信じがたいほど安い報酬で仕事をしているという話や、優秀な人材が激務で身体を壊したり生活さえままならない待遇のためやむをえず離職していくといった話も聞きます。そういったことも含めてまずはその現状、業界全体の構造上の問題点(?)をなんとかしなければならなくて、それがとても解決しがたい、複雑で解決困難なことなのだとも聞きます。

そこへ持ってきて、さらに費用をかけてアニメDVDに日本語字幕をつけるとか、聴覚障害者のための日本語字幕つき上映会を劇場で開催することなど、夢のまた夢なのかな・・という気もしてきます。

でも、アニメDVDには日本語字幕版が収録されてほしいと、ずっと願ってます。

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5. 日本語字幕 劇場版「ワンピース」の場合

劇場版ワンピースは、「デッドエンドの冒険」から日本語字幕がつかなくなくなりました。

それ以前までついていたのに「廃止」になった。それって最初からついてないよりショックなんじゃないか、と思います。テレビシリーズはフジテレビの『文字放送』で楽しめるから、テレビで観てファンになれば劇場版も観たくなるのに。劇場版の宣伝はテレビで流れるのに・・。

このことを知ったとき、なんてひどい話だ、と頭にきたのですが、私自身、そもそも字幕がついてるアニメDVDのほうが希少で、ほとんどのアニメDVDには日本語字幕がついてないということさえ、知りませんでした。

今劇場公開されている「ワンピース カラクリ城のメカ巨兵」も、日本語字幕をつける予定はないそうです。東映アニメーションに問合せと要望を書いて送ったら、つぎのような回答を貰いました。

-----------------------------------------------------------
東映営業部に確認したところ、残念ながら、現在のところ日本語字幕版の
製作予定はないとの回答でした。DVDの販売に際しての日本語字幕に
ついては、現状未定となっております。

弊社はアニメーション制作を請け負っておりますが、字幕挿入などの有無は
主にグループ企業であります東映株式会社や東映ビデオ株式会社が決定
しております。そちらにご意見をお送りいただいた方がよりユーザー様の
ご意見が反映されるかと思います。
-----------------------------------------------------------

丁寧な返信を下さったことに感謝。

DVDの日本語字幕については、(グループ企業っていうか親会社ですよね?)東映株式会社にお願いしないとだめだそうです。日本語字幕の廃止は、東映アニメーションが決めたことではないそうです。誤解してごめんなさい、東映アニメーションさん。

でも東映アニメーションさんからも東映に言ってやってほしい。日本語字幕が再びつくことを待ち望んでいる人がいっぱいいることを。

東映株式会社は、自社で販売する邦画のDVDにも、一切、日本語字幕をつけていないのですよね・・。

話は逸れますが、東映株式会社の決算報告に関するニュースをネットで読んでいたら、ワンピースやプリキュアの興行収入も当然のように含めて報告されていました。
東映アニメーション株式会社の収益なのに。
最近、ライブドア関連のニュースで連結決済とか連結子会社って単語を耳にしてるせいか、同じイメージを抱いてしまって、グループ企業って言葉に心地よい響きを感じない・・。

今後も機会あるごとに、東映アニメーションが制作したアニメDVDに日本語字幕をつけてほしいと、要望のメールやハガキを送ろうと思います。東映株式会社に。

話を戻して。「ワンピース ねじまき島の冒険」までは、DVDに日本語字幕をつける他に、映画公開時に劇場で聴覚障害者のための日本語字幕つき上映会が開催されていたそうです。つまり公開する映画が出来上がった時点で日本語字幕も製作済みだったんですね。東映株式会社が日本語字幕を廃止したのは、それから2年度のことです。

聴力障害者情報文化センターが運営するこちらの情報サイトに、記載が残っています。

2001春 東映アニメフェア(日本語字幕上映スケジュール情報)

このサイトでは、日本で公開される映画の日本語字幕つき上映のスケジュールが紹介されています。一覧はこちら

2006年春公開のアニメ映画では、東宝の「ドラえもん のび太たの恐竜2006」の、全国の日本語字幕つき上映会の情報が載ってます。

このページに再び、ワンピースの上映会の告知が載る日が来てほしい。

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6. 日本語字幕 テレビシリーズの「ワンピース」の場合

テレビシリーズのワンピースでは、フジテレビの「文字放送」により日本語字幕つきでアニメを楽しめます。(利用するにはチューナーを購入しなければならないそうです。地上波デジタル放送となってチューナーを購入しなくとも文字放送を見られるようになってるのでしょうか?勉強不足で知らなくてすみません。)

ところが、アニメ「ワンピース」がDVDで販売される際には、日本語字幕がついていないのです。レンタルビデオ店に置かれるDVDにも、日本語字幕はつきません。

テレビシリーズの「ワンピース」のDVDを販売してるのはavexです。

アニメワンピースは放送開始から7年目に入っています。最近観はじめてファンになった人が、過去の放送を観たいと思っても、レンタルDVDには日本語字幕が入っていないのです。

しまった今日のアニメ見逃した、録画失敗した、しかたない、レンタル開始されるのを待つか・・ということが、出来ないのですよね。

素人の素朴な疑問なんですが、フジテレビが製作した日本語字幕を活用してDVDに収録することはできないの?それに、フジテレビの日本語字幕スタッフが製作してくれた字幕を1回の放送だけで使って終わらせるのは、もったいない気がします。

avexのサイトには要望を受け付けるメールアドレスが載っていたので、DVDに日本語字幕をつけてほしい、フジテレビの文字放送で使われた日本語字幕をDVDにも収録することを検討してほしい、とお願いするメールを送りました。(メールに対するお返事は頂いていません。)

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7. 「たのみこむ」で周知を

邦画DVDに日本語字幕をつけてほしい。「たのみこむ」で発案してる人がいます。

「全ての(国内)DVDソフトに字幕を付ける!」

カテゴリは「アニメ」ではなく「DVD(邦)」です。日本で公開される映画やドラマなど、すべてのDVDに日本語字幕を、と呼びかけておられます。

賛同者のコメント欄には様々な意見が寄せられていて、高齢化社会になって耳が聞こえにくくなる人が増えるから需要はある、という声も。昔の日本映画がDVDで発売されると、元の映画が古いために台詞が聞き取りづらいことがあるから字幕があるといい、との声も。

聞き取りにくい台詞を確認するのにも日本語字幕は役立つし、音を出せない場所で音声をオフにしてDVDを鑑賞する際にも使えます。個人的体験では、うちのテレビのスピーカーの質のせいだと思うのですが、アニメ「甲殻機動隊」を観たとき、台詞が聞き取りづらくて難儀しました。「メトロポリス」を観たときもそうだった。遠くのほうにいる人の台詞が聞き取りづらくて、字幕があれば確認できたのだなと、今になって思います。

日本語字幕は、聴覚障害者のためだけにあらず。

「たのみこむ」は、メールアドレスとHNを登録すれば投票できます。コメントは「賛同します」の一言で構いません。多くの人の目にとまるよう、この発案がランキング上位にいてほしい。

是非、投票をお願いします。

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8. 字幕製作にかかる費用

については、すみません、知りません・・。

アニメワンピースの脚本を担当されている(現在は担当されてないようです)島田満さんが、以前、公認サイトの日記に書かれていたのですが、アニメ「世界名作劇場」シリーズのDVDには、日本語字幕版が収録されているそうです。そしてそれは、多くの子供たちに楽しんでもらえるように、と、日本アニメーションさんが無料でつけたのだそうです。

わたし「ロミオの青い空」のDVDを持ってますが、日本語字幕、ついてます。

これは想像ですが、DVDに日本語字幕をつけるには、字幕を制作する会社(か、同じ会社の別の部署)に依頼して作ってもらうんだと思うんですけど、それにかかる人件費や機材の使用料等を、DVDの価格に上乗せすることなく、日本アニメーションがすべて負担してくれた、ということなんだと思います。

どれくらい費用がかかることなのか、私には分かりませんが、少ない額じゃないんだと思います。だから、どの企業も日本語字幕をつけてくれないんだと思います。

だから、他の会社も日本アニメーションを見習え、なんて言いません。

でも、つけてほしいです。DVDに日本語字幕。

タダでつけてくれなんて言わない。いま以上に制作に回る費用が少なくなって制作会社や、制作現場のスタッフやアニメーターさんが苦しむことになるとしたら悲しいです。

じゃあどうすれば、つけてもらえるんだろう・・。

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9. 法律での義務化について

字幕をつけることを法律で義務付けている国もあると聞きました。
作品を楽しむ権利を同等に与えられるべきだ、という観点からその法律が定められた、と聞いたので、アメリカかも。

日本の場合、それ以前に、アニメ産業の現状に対して早急に国とか自治体がやるべきことがあると思うので、個人的には、法律で義務化を、というのには両手挙げて賛成できない心境です。法律で強制されてそれを遵守するために「しわ寄せ」がどこに行くのかを想像したら、義務化してあとは製作側の努力に任せる、なんてのは無責任で、限界がある気がする。

HOTWIRED JAPAN内のこういったレポートを読むと、その思いを強くします。

「日本のアニメーターは、どれほど貧しいか」

上の記事内で紹介されている芸団協の調査結果は、芸団協のサイトのトップページから、
「「しくみ」を整える」

「芸能実演家の実態調査」

「2005年版「芸能実演家・スタッフの活動と生活実態調査」調査概要ページ

一番下の、「調査報告概要『アニメーター編へ』へ」 をクリックしていくと読めます。

経産省も問題の存在を把握しているのに・・。独立なんたら法人作って税金使って何やってんだろう。調査研究に努めてもそこから先がなければ意味がないのに。スキームがどうとか戦略がどうとか、新しい団体や機関を作るとか唱える前に、とりあえず上のやつに注意して是正勧告しろって思う。それさえ現状では難しいというのはあちこちで聞きかじって分かるけれども、土地があってお金がいくら集まっても、職人さんがいなければ良い家は建たないのだから。

DVDを売って、外国にも売って、その利益をそのアニメを作った会社とか、実際に作るのに携わったスタッフに還元されるようなシステムにしてほしい。そのうえで、観る側が満足いくサービスも提供してほしい。なんて、欲を言い過ぎですか・・(汗)

他の国を真似して法律で強制するんじゃなくて、企業が先ず実践して、その試みを国なり自治体なりが評価して全体をバックアップするとともに法整備する、となっていったらいいのにな、と思います。

個人的には、日本語字幕をつけることで当面DVDの価格が上がったり、有料放送のペイパービューの値段が上がっても構わない、と言いたいくらいなのですが、DVDの価格が今より高くなるのは実際困るから、こんなこと考えました。

スポンサー(企業)がアニメ制作に出資するのは、収益の一部を得るためと、企業の「宣伝」になるからですよね。商業アニメはそれで成り立ってる(違う?)
それなら、例えば日本語字幕のスポンサーに特化してお金を出して宣伝するってのはどうなんでしょ。字幕制作に必要な費用を負担して、映画の最後(最初でもいい)に、『日本語字幕制作協力:○○○○(企業名)』とクレジットして、DVDにもそのように表記して、企業名の宣伝に大いに利用してもらうとか。
この字幕はわが社が費用を出して入れました〜って自慢してくれてもいい。
DVD販売元は、うちは日本語字幕つけてるもんね、って自慢してくれていい。
字幕にも質があります。より質のよい字幕を提供してるところは字幕ファンから賞賛されたらいい。
イメージアップ狙いとか商魂逞しすぎと批判されるかもしれないけど、字幕がついて喜ぶ人もいる(これで老人になるまでアニメを楽しめるぞって。上の「たのみこむ」に関する記事を参照。

字幕をつけた会社には税制面とかで優遇されるとかでもいい。

だめですかこんな素人発想・・。

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10. 日本語字幕「あり」・「なし」の表記を

どの会社がアニメDVDに日本語字幕をつけているのかな?と調べようとして、いつも利用しているAmazon.co.jpで検索したのですが。

日本語字幕の「あり」・「なし」の表示が統一されていない(というか明記されていない)のです。書いてなければ「なし」と判断してね、ということなのかもしれないけど、「なし」ならばはっきりと、「日本語字幕:なし」と表記してほしいです。

購入時の参考にしたいのです。製造元、販売元の確認とともに。(上にも書いたように、日本語字幕つけてるんですよーというのを宣伝の売りにしてもいいと私は思ってます。ボランティアでやってくれとも思ってない。すべてのDVD購入者へのサービスとして、自力でもスポンサー頼みでも国の力添えでもなんでもやって、採算とれる形でやってほしい。何度でも書きますが、日本語字幕は聴覚障害者のためだけにあらずです。)

Amazon.co.jpにも、意見を伝えることができるフォームがあるので、DVD購入時の目安となるよう、仕様の欄には日本語字幕の「あり」・「なし」を必ず表記してほしいという要望を書いて送りました。このフォームからの意見に個別に返答することはないとのことで、自動返信メールのみ受け取ってます。

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11. まとめ。

とても、まとめられそうにありません・・。語るにはあまりに勉強不足であることに途中で気付いて、ネットで情報を探して読んだりしています。アニメ産業とか、業界のこととかそういうことは、ちょっと見知った程度でとても自分には解説できないので、興味を持って下さったらリンク先を訪れて読んでみて下さい。

私はアニメが大好きです。みんなで一緒に同じアニメを見る、ということの楽しさを知ってしまったから、それをできない人がいるということが残念でなりません。「日本語字幕つけて!」とお願いしても現実には難しいということは分かってる。それでも、つけてほしい、それを待ってる人がたくさんいる、と言い続けたい。その気持ちを込めて長い日記を書きました。

今回はこれでおわり。

長い長い文章をここまで読んで下さってありがとうございます。

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