劇団ひとりのスマホ術 仕事も遊びも暮らしもかしこく

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劇団ひとりさん=日吉健吾撮影

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劇団ひとりさんのおすすめアプリ

 朝起きてシャワーを浴びながら、録画したニュース番組を見る。仕事へ向かう車内で、新聞を読み、メールをチェックし、ツイッターも。テレビ局に入れば、メークしながら映画を見たり、ラジオを聞いたり。

 お笑い芸人、劇団ひとりさん(34)の生活で、1台のスマートフォン(スマホ)が、こんなにたくさんの場面で活躍している。

 「一番助かっているのはスケジュール管理」だそうだ。予定時間が変わることも多い仕事だが、マネジャーとネットを通じてカレンダーを共有。変更があると、自動的にスマホのデータが同期して変わる。

 このカレンダーは、妻でタレントの大沢あかねさんのスマホでも見られる。「ぼくにいちいち確認しなくても仕事の時間や休日がわかる。スケジュールを全部知られるデメリットもあるんですが」と笑う。

 どこにでも持ち歩けるパソコンと言える、スマホの普及はめざましい。ひとりさんのように賢く使えば、我々の生活はより便利になるだろう。

 次世代エネルギーによる「スマートハウス」や、環境に配慮した「スマートグリッド」などの取り組みも進む。先端技術をいかした「スマート」な社会が訪れようとしている。

■うちの奥さん 直感的にいじってる

 劇団ひとりさんのスマートフォンとのつきあいは、筋金入りだ。

 アップルの「iPhone(アイフォーン)」も、グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を搭載した端末も、日本発売後まもなく購入した。いまのスマホは何台目かたずねると、「いやあ、覚えてないぐらい。7、8台は乗り換えたんじゃないかな」。

 もともと、シャープの「ザウルス」や米国生まれの「パーム」といった、電子手帳のような機能を備えたモバイル機器が好きだった。スマホは、その延長線上にある。

 いま持っているスマホは、アンドロイド端末だ。

 かざすだけで料金が支払える「おサイフケータイ」や、テレビが映る「ワンセグ」の機能があるのが決め手だ。ただ、アップルの製品も好きで、タブレット端末「iPad(アイパッド)」、多機能な携帯端末「iPod touch(アイポッド・タッチ)」を持っている。

 スマホ、タブレットのほか、パソコンも3台。データなどを共有し、どの機器を使うときでも、同じような使い勝手で利用できるように工夫をこらす。

 そこで重宝するのは、データを、ネット上に保存したり、他人と共有できたりするサービスのアプリだ。「Dropbox(ドロップボックス)」というサービスによって、ネット上にパソコンのハードディスクのような場を確保。また「Evernote(エバーノート)」というサービスは、ネット上で目にとまった文章や写真などをためておき、後で簡単に探せる。

 これが、いわゆる「クラウド」だ。スマホからでも、パソコンからでも、ネット上のサービスにアクセスすれば、共通のデータを取り出して見ることができるのだ。

 スマホの登場を、ひとりさんはどのように受け止めたのか。「特にiPhoneが出た時は、パソコンを知らない人でも、感覚で使えるパソコンが出たな、と感じた。うちの奥さんは、テレビとHDDレコーダーのつなぎ方さえ分からない機械音痴なんですけど、iPhoneなんかは直感的にいじっている」と言う。

 ひとりさんの仕事も便利になったという。小説「陰日向(かげひなた)に咲く」がベストセラーになった文章家でも知られ、雑誌の連載などを抱える。メールでゲラをもらって確認できるし、ファクスもスマホで受けられる。

 「いちいち事務所などに行かないとならなかったことが、どこにいてもできてしまう」

 ただし、何もかもバラ色ではない、とも思う。

 「できることがあまりに増えすぎて、使う方が気をつけないと、機械に主導権を握られることもある。ケータイもないころは、電車に乗っていた時、いろいろ考えることができた。そういう時間もあったほうがいいのかも知れませんね」

(聞き手・宮本茂頼)

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